ゾディアックのレビュー・感想・評価
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デヴィッド・フィンチャー作品はやっぱり好き
実際の未解決事件「ゾディアック」
それをデヴィッド・フィンチャー監督、ジェイク・ギレンホールやマーク・ラファロなど豪華キャスト
犯行シーンの2つは観ていられないくらい残酷で、ゾディアックの非情さがよくわかりました
そこからストーリーは、事件を解明しようとするマーク・ラファロ演じるトースキー刑事をメインに進んでいき、後半はジェイク・ギレンホール演じる漫画家グレイスミスがメイン
この2人のゾディアックへの入れ込み方がすごくて人生を狂わせるほど
実際の未解決事件だからラストでもゾディアックは誰なのかわからなくてもモヤモヤはしませんでした
トースキー刑事は途中から自分の人生に戻っていき、グレイスミスはどんどんはまっていき
家族を放ったらかしにしてゾディアックに夢中のグレイスミスはそれで良かったと思える程ののめり込み具合
今作でもそういう役柄がはまっているジェイク・ギレンホールでした
地下室でのシーンはホラーなみにハラハラドキドキ、グレイスミスがいろんな点と点を結び付けてゾディアックの正体に迫っていくシーンは緊張感があり、デヴィッド・フィンチャー監督のサスペンスはやっぱり好きだと改めて思いました
未解決事件に取り憑かれた男
「ゾディアック」と名乗る犯人は、新聞社に犯行声明文を送りつけてくる。
時には犯行を予告して、実行する。
警察の捜査を嘲笑うように、証拠品(血に染まった被害者シャツの切れ端)を、
送ってくる。
1968年にカリフォルニアのナパの水辺で、車の中でいちゃついていた
カップルが銃撃されて死亡する。
そんな事件が何件が起きた後で、犯人の「ゾディアックと」名乗る男から
サンフランシスコのクロニクル誌に直筆の暗号や手紙が送られて来る。
指紋もDNAも目撃者(直ぐに失踪してしまう)もいるのに、警察は犯人に
辿り着けない。
クロニクル誌の記者も警察官も、次第に疲弊してくる。
未解決事件を描いた映画として、韓国映画の「殺人の追憶」が有名だが
この映画の主人公はクロニクル誌の挿絵画家ロバート・グレイスミス
(ジェイク・ギレンホール)が主役なのだ。
彼はクロニクル誌でジィーッと記者の捜査を見つめている。
新聞を読み、暗号を解き、資料をスクラップして行く。
グレイスミスが動き出すのは映画の終盤の真ん中を過ぎた
残り後55分からなのだ。
【ゾディアック】についての言わば第三者のど素人の挿絵画家が、
カリフォルニア1番の【ゾディアックの研究者】になって行く。
10年も経つと刑事のマーク・ラファロと知り合いになり、
捜査資料の閲覧を頻繁に警察署に訪れる。
そしてグレイスミスはマーク・ラファロや記者そして妻からも、
「ケリをつけなさいよ!!」と執筆を急かされる。
そして1986年「ゾディアック」は出版されて、ベストセラーになるのだ。
グレイスミスが犯人だと名指しした男。
それはリー・アレン。
はじめから捜査線上に上がっていた男。
確かに怪しい。
失踪していた目撃者の男性も、リー・アレンを10点満点で8点の確率で
犯人だと断言する。
捜査の手が届きそうになる直後、リーは心臓発作で死んでしまう。
しかし指紋もDNAも筆跡鑑定も、実は一致していないのだ。
事件は未解決でもグレイスミスがベストセラー作家としてその後も
本を書き、3人の子供の好き父親だと言う。
奥さんも偉かった。
グレイスミスは、「ゾディアック事件」に、誰よりも、
刑事よりも記者よりも夢中になり人生を賭けた。
その時間は【幸せな時間】だったと思う。
深く、静かに、蝕んでいく
落ち着いた語り口調で、事件に関わった者たちの執念とその影響力が丹念に描かれていきます。
体感的にはそんなに長く感じませんでした。時代の雰囲気と忍び寄る何とも言えない恐怖が全編漂っていて、演者も非常に良かったです。特にロバート・ダウニー・Jrは突出してましたね。
フィンチャーの他の作品群に比べたら動的要素は比較的少ないですが、画面から目が離せません。テイスト的には「大統領の陰謀」。フィンチャーが世に放つ静かな蒼い炎。そんな感じでした。
【未解決連続殺人事件に関わり、運命が変わる男たちの姿を描く。明快なラストを求める観客に対し、デヴィッド・フィンチャー監督の”そんなに簡単に真実は掴めないよ。”と言うメッセージが発信された作品である。】
■1969年7月。カリフォルニア州でカップルが銃撃され、女性が死亡する事件が発生。
しばらくして、犯人から新聞社に犯行を告白する手紙が届く。
やがて、事件は世間の注目を集めると共に新たな事件が発生。
新聞記者や漫画家など、4人の男たちが真相を追う。
◆感想
・未だに解明さ照れていないこの事件を、デヴィッド・フィンチャー監督が描いた理由は”真実を突き止める難しさ”だと思う。
・ジェイク・ギレンホール演じるロバート・グレイスミスもその真相に近づきつつも、時の流れによって、真犯人を突き止められない。
・マーク・ラファロ演じるデイブ・トースキー刑事も同様である。
・ロバート・ダウニー・Jr演じるポール・エイブリーは、長年の捜査により身を崩している。
<今作で、デヴィッド・フィンチャー監督が描きたかったのは、犯人が捕まらない中、その犯人が残す暗号などにより、徐々に人生を崩されて行く様ではなかったかと思うのである。
日本でも、迷宮入りになっている事件は山ほどある。
その捜査に当たっている方々が定年を迎え、忸怩たる想いを述べている記事を幾つか読んだ記憶がある。
今作は、明快なラストを求めがちな観客に対し、デヴィッド・フィンチャー監督の”そんなに簡単に真実は掴めないよ。”と言うメッセージではないかと思った作品である。>
実際に起きた事件で、デビッド・フィンチャー 監督はエンタメ性を敢えて抑えた?
デビッド・フィンチャー 監督による2007年製作(157分)のアメリカ映画。
原題:Zodiac、配給:ワーナー・ブラザース映画、劇場公開日:2007年6月16日
実際にあった有名な事件に基づく映画だそうで、話が少々ややこしくて追いていくのが大変であった。原作通りだから仕方がないが、一番怪しい人間が犯人らしいということで、ストーリー自体には意外性はなく、物足りない。
主人公役のジェイク・ギレンホールの演技は、上手いとは思った。そのせいか、事件に取り憑かれてしまう展開も、頭では良く理解できた。ただ、妻にも見放されてまで事件にのめり込むことへの共感は、自分にはあまり感じられなかった。
敏腕記者ロバート・ダウニー・Jr.が、この事件をきっかけで酒クスリに溺れて身を崩していく描写も、説明が乏しい為か、不思議に感じてしまった。
ただ、デビッド・フィンチャー 監督自身がこの事件に取り憑かれ主役たち3人に共感し、エンタメ性を敢えて排除し、被害者のみならず多くの人間の人生に影響を与えた事件そのものに焦点をあてたと捉えると、その真摯さには敬意の様なもの覚えた。
監督デビッド・フィンチャー、製作マイク・メダボイ、 アーノルド・W・メッサー 、ブラッドリー・J・フィッシャー、 ジェームズ・バンダービルト、 シーン・チャフィン、製作総指揮ルイス・フィリップス、原作ロバート・グレイスミス、脚本ジェームズ・バンダービルト、撮影ハリス・サビデス、美術ドナルド・グレアム・バート、衣装ケイシー・ストーム、
編集アンガス・ウォール、音楽デビッド・シャイア、音楽監修ランドール・ポスター。
出演
ジェイク・ギレンホール、マーク・ラファロ、ロバート・ダウニー・Jr.、アンソニー・エドワーズ、ブライアン・コックス、イライアス・コティーズ、ドナル・ローグ、ジョン・キャロル・リンチ、ダーモット・マローニー、クロエ・セビニー。
事実は小説より奇ならず。
実話ベースの作品であるという注釈を見落としていたので、終わり方には「え?」となってしまった。
が、1970年代のクラシカルな雰囲気や、どことなく不穏で時には妙にコミカルな音楽など、映画全体の空気感は好きだった。
アイアンマンとホームズのイメージしかなかったロバート・ダウニー・Jrの違った面も見れたので、観てよかったかなとは思う。
ちょうどいい塩梅
数年前に観たはずなのに似た映画やドラマを観ているせいか、展開もなにも覚えておらず再度鑑賞。観ながら「あ、やっぱ覚えてる!」というシーンもありつつ、やっぱりハラハラしながら楽しめた。
純粋な知的探究心、好奇心に執念が重なると見えてくる真実。「証拠のない真実もある」その言葉は捜査する誰しもが知っているが法規的社会との狭間でジレンマに苦悩しているのだろう。この映画はファンタジーと笑うこともできるが、映画だからこその表現でエンターテイメントとして成り立っており素晴らしく楽しめる。小難しくなり過ぎるところもヒューマンドラマでお涙頂戴になり過ぎるところも、一個人として捜査する主人公と観客が一体になることの出来るちょうどいい塩梅。
ラストシーンも"決着はつかないものの少し報われた"という点は、王道といえばそうだがデビットフィンチャーらしさのある後味悪くも光が差し込む良いものだった。
何といっても最後まで優しい奥さんだなぁ。
感想メモ
ゾディアックと名乗る犯人を追い求める男たち
完全に怪しい容疑者がいるのに、状況証拠だけだから逮捕できない…最後までやるせない
妻が出て行った時、攫われたかと思ってびびったよね
あと、妙に気になる雰囲気出してた
ゾディアック事件
1969年にカリフォルニア州で実際に起きた連続殺人事件「 ゾディアック事件 」を解明しようと動く男達の姿を追う。
サンフランシスコ・クロニクル紙の風刺漫画家グレイスミスをジェイク・ギレンホールが熱演。
同僚のベテラン記者ポールをロバート・ダウニー・Jrが演じる。
冒頭から息を潜める展開が続き、終盤辺りになると、誰もが犯人に思えてきた。見応えある作品。
自宅での鑑賞
フィンチャーの割にはマイルド
小説や映画をいくつかみていると、いつのまにか猟奇殺人事件に詳しくなっていく不思議。前作が受け付けなかったので反動で面白く思えたのかも知れないけど。
『セブン』や『ファイト・クラブ』の様なギリギリまで攻めてくる感じはないので、安心して観ていられるが、でもフィンチャーがそれでいいのか、とも思う。
もう少し短くできなかったか?モヤモヤして疲れる。
サスペンスとしてはイマイチだし、もやもやした感じは当然残るが、そもそも未解決事件なのでこれは致し方あるまい。事実がこの映画通りであればだが、警察の捜査の仕方に相当問題があったことが未解決になった要因のようだ。難しいだろうが120分位に纏めてもらえるとさらに良かったかもしれない。
長く感じる
実話の未解決事件だからモヤモヤっと終わる。
ゾディアック事件というよりも、ゾディアックによって翻弄される主人公3人の物語って感じかな。
実話ってことを忘れていたから、途中ジェイクが犯人かな?とか思ってたけど全然違った。そっちの方が面白そうだけど。
RDJとマーク・ラファロとジェイク・ギレンホールというMCUトリオで豪華。
湖のほとりで滅多刺しにされるのが1番怖かった。
未解決だけど、ほぼ犯人と思われる人がいる。
進展がないまま急に何年も時が過ぎていくのが辛かった。
後半のジェイクが家に招かれるシーンがめちゃくちゃ怖い。
殺人シーンが序盤の3回しかないため長く感じた。
モヤモヤが残るが、それこそが、こういう事件の怖いところのかも
ゾディアック事件を題材にした、この映画。
未解決事件と聞いていたので、どんな風に描くのか、気になってましたが、
「犯人がだれか?」というよりも、この事件に関わった人達のヒューマン ドラマという感じ。再現ドラマのほうが適切かな。
正直、複雑すぎて、事件の概要と最終的な仮説については、私は分かりませんでした。
ただ、犯人が捕まらない事件。模倣犯が生まれてくるような事件。が社会や、関係者にどんな影響を与えるのか、
解決しない。そのモヤモヤの悪影響を感じることができました。(仕事も一緒かもしれない・・・)
忘れる、挑む、抱える、自分なりの結論を出す。いろいろな選択があり、それぞれの生き方があり、ケジメのつけた方がある。
個人的には、旦那に最後まで挑ませた奥様が素敵だと思いました。
アメリカの一番混迷していた時期に、起きた事件だったと言える。
日本でも似たような事件があって、その都度、『ゾディアック事件』が取り上げられていたと記憶する。でも、詳しくは全く知らない事件だった。
アメリカの一番混迷していた時期に、起きた事件だったと言える。
つまり、ベトナム戦争が泥沼化して、若者はヒッピーの様なカウンターカルチャーに溺れる。そうそう、映画もダーティハリーの様なバリバリのアメリカン映画や、俺たちに明日はないの様なアメリカニューシネマが誕生した頃。
まぁ、止めはこの映画の終わる1983年の三年前、ジョン・レノンが暗殺された。あの自由と民主主義の国、アメリカのニューヨークで。
思ってたんと違う。・・・けど、良かった。
”ザ・デビットフィンチャー”を期待するとがっかりしてしまう。
でも、がっかりしている暇など無いほど濃密なドラマ。
映画の評価ではない、残念な点が2つ。
1つは、私が日本人であること。
ゾディアックはアメリカの有名な未解決事件だそうな。
その空気感が分からないと、
「だらだら長くて結論のない退屈映画」とか、
「もっと、暗号とか犯人像とか魅せ場あったでしょ」とか、
そんな感想を持ってしまいそう。
日本でいえば”三億円事件”とか”グリコ森永事件”などに
あたるのかな?
いや、”徳川埋蔵金探し”に近いのかもしれませんね。
テレビドキュメントの「三億円事件の犯人を追え!」みたいな
特集も結構おもしろいですもんね。
2つめは、私が日本人であること。
一見して、この映画はセリフが多い。
それもメチャクチャ多い。
字幕がどれほど忠実に翻訳されているかが分からない。
デビットフィンチャーほどの監督が、こんなにセリフ多めに
つくるってのは、セリフをちゃんと聞かせたいためだと思う。
でも、私は英語ネイティブじゃないので字幕を追ってしまう。
すると、映像のディテールを見逃してしまう。
なので、鑑賞後の感想は「面白かった」ではなく、
「残念。がっかり」になってしまう。
これは映画に関する感想ではなく、自分自身に対する感想なので
余計に残念でがっかりだ。
こんなに素晴らしい作品なのに・・・。
ドキュメンタリー
ドラマというよりドキュメンタリーです。
犯罪自体より、それを追う素人探偵の地道な捜査が主軸なので派手さはありませんが、実話の迫真力は十分に伝わります。
アメリカ映画って新聞記者をカッコよく映すの得意ですね。
ところでハリーキャラハンのモデルだったなんて初めて知りました。アメリカ人には超有名事件らしいので、題名聞いた瞬間に「ああキャラハンね」ってピンとくるんでしょうね。日本では殆どそういう説明がないので全く知らなかった。こういうことがあると、所詮外国の小説や映画を評価する限界を感じます。
全92件中、1~20件目を表示