風が吹くまま : 新作映画評論

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風が吹くまま

劇場公開日 2007年5月22日
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風が吹くまま 5月22日よりロードショー

風が吹くまま

12月4日より、ユーロスペースほかにてロードショー

写真家でもあるキアロスタミが描く

美しき“静止”風景

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ヴェネチア映画祭で審査員グランプリを受賞した「風が吹くまま」が劇場公開される。設定は次のようなものだ-テヘランのドキュメンタリー監督がクルディスタン地域の村に特異な葬儀の取材にやってくる。だが、間もなく亡くなると思われた老婆はなかなか死なず、監督はなすすべもなく村に滞在する羽目になる…。ここには「オリーブの林をぬ けて」の超絶技巧も、「桜桃の味」の知的な構成も存在しない。観客は宙づり状態になった男の空虚な日常に約2時間つきあわされることになるだろう。ここに何かドラマチックな展開を期待した観客は、主人公同様、途方に暮れるしかない。だが、腹をくくってこの映画そのものを受け入れることを決意した者は、一見空虚な時間が実に豊穣なイメージに溢れていることに気づくに違いない。もちろん、その映像の一つ一つから象徴的な意味を見いだすことも可能であろうが、必ずしもそのような知的な努力は必要ない。クルディスタンの息を飲むような美しい風景をただ無心に見ているだけでも、この映画は何かを喚起させ、見る者にとてつもない感動をもたらすだろう。このような種類の映画を、私は他にあげることができない。文字通 り、希有な傑作である。

(市山尚三)

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山肌を曲がりくねって伸びる道を車が行く。乗っているのはTVクルー。彼らはテヘランの西約700キロ離れた村、シアダレへ向かっている。ようやく村の入り口に近付いたとき、ファザードという少年が駆け寄ってきた。少年の叔父からクルーの案内役を言いつかってきたのだ。少年は、クルーの本当の目的-珍しい儀式が行われる葬式を撮影する-を知っているが、「宝を探している」と嘘をつくようクルーに言い聞かせられる。

原題:Le vent nous emportera

監督・脚本:アッバス・キアロスタミ

出演:ベーザード・ドーラニー、シアダレ村の人々

字幕:石田泰子

1999年フランス・イラン合作/1時間58分 配給:ユーロスペース

オフィシャルサイト(伊語)

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