劇場公開日 2000年10月7日

「X-MENのDNAここにあり」X-メン マスター@だんだんさんの映画レビュー(感想・評価)

3.5X-MENのDNAここにあり

2011年11月20日
PCから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

興奮

知的

BDで「X-MEN:ファースト・ジェネレーション」を見たら、この「X-メン」を見直してみたくなった。

双方とも後にマグニートーとなるエリック少年が、ナチの収容所に収監される場面から始まる。
しかし、「X-MEN:ファースト・ジェネレーション」は60年代に於けるチャールズとエリックの青年期を描いたのに対し、今作は近未来の老年期を描いた作品だというのは周知の通りだ。

いま、こうして見直してみると、特殊な能力を持つことへの悩みや、偏見や敵意に満ちた一般の人間たちに対する恐怖心、そして社会の中での孤独感などがよく描かれている。
SFアクション映画でありながら、人間の内面にスポットを当てることに重点が置かれていることを改めて感じる。
「ファースト・ジェネレーション」が人間ドラマとしても見応えある作品になったのは、このシリーズが元々持っているDNAを引き継いだものだったのだ。

VFXは新作と比ぶべくもないが、ナチの収容所を話の発端にした新作と違い、同じシーンを未だ終わらない人種差別の象徴に据えた旧作に、作者の社会に対する豪胆な反発が見て取れる。
惜しいのは、どうしてもキャラクター紹介に時間を割かれてしまったことだ。
その点、「ファースト・ジェネレーション」はドラマに集中できた。そういう意味で、前3作がプロローグ的な役割を果たす結果になった。

マスター@だんだん