トゥモロー・ワールド

劇場公開日:

解説

英ミステリ界の女王P・D・ジェイムズのベストセラー「人類の子供たち」を「ハリー・ポッターとアズカバンの囚人」「天国の口、終りの楽園。」のアルフォンソ・キュアロン監督が映画化。人類に子供が生まれなくなった西暦2027年。何の目的もなく働いていた国家官僚のセオが、ある日突然、何者かによって拉致される。セオを拉致したのはセオの元妻ジュリアンが率いる反政府組織で、世界がひっくり返るような秘密を掴んでいた……。

2006年製作/109分/イギリス・アメリカ合作
原題:Children of Men
配給:東宝東和
劇場公開日:2006年11月18日

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映画レビュー

5.0今改めて見ても度肝を抜かれるSF映画の金字塔

2018年8月31日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

悲しい

興奮

知的

キュアロン監督が2006年に描いた「21年後の未来」。それは『ブレードランナー』の2019年よりずっと後の世界ではあるものの、冒頭、カフェを出た主人公を包み込むのは、現代の延長線上にあるリアルな未来絵図だ。通りにはジェット噴射で空飛ぶ車どころか、二階建てバスと、そしてアジアの片隅を思わせるトゥクトゥクが走り回っている始末。この混沌とした手触りがこそが、作り手たちが周到にシミュレーションした証なのだ。

重ねて炸裂するのが驚異的な”長回し”。実はどこかで切れ目が入っているらしいのだが、要は「長回しかどうか」ではなく、それがどのような効果をもたらすのか、に尽きる。いずれにしてもこの映像がもたらした衝撃性は誰もが認めるところであり、その意味でキュアロンはすべての目論見に勝ったと言えるだろう。

ともあれ、本作に触れると映画の見方が180度変わる。当時のオスカー受賞しなかったのが不思議なくらいだ。

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牛津厚信

4.0この話、四年後なんですよ

2024年2月22日
PCから投稿
鑑賞方法:VOD

泣ける

興奮

ヤバイな、でもまだリアルワールドは子供生まれてるから大丈夫ね。

ウィルス?の影響で人類に子供が産まれなくなって18年が経過した世界のお話。
秩序が崩壊しつつある世界の中でも比較的治安が維持できているイギリスに住む主人公のセオは、バツイチで自堕落ライフを満喫しているが、コネだけはちゃんとあって仕事もきちんとある。
国内は治安の維持に必死で、移民を厳しく取り締まっている。

人類の最後の希望と言われていた人類最年少のアルゼンチンの青年が刺殺され、全世界が悲嘆に暮れたその日、彼の元妻ジュリアンが率いる組織の人間に拉致される。彼女は移民政策に異を唱える反乱組織のリーダーで、ある移民のために、国外に脱出するための通行証を都合して欲しいと、コネのあるセオに求める。

なんとか通行証を手に入れたセオだったが、その移民には大きな秘密があった。

舞台設定が大変面白い。先進国各国でどんどん深刻になりつつある少子化問題であったり、またなんとなく仄めかしているウイルスの世界的蔓延、またその生殖機能への影響だったり、近未来の話でありつつも現代で起こっている話がベースと言ってもいい。

最初は及び腰で手伝っていたセオだったが、ジュリアンの死がきっかけで、この大きな秘密を命がけで守ろうとする強い意志を持って行動しているところに共感した。
そりゃそうなるよね、命を懸ける価値がある。

後半の見せ場になる戦闘シーンはほぼ戦争。セオは一般人だからもちろん銃を持ってバンバン殺していくわけではなくひたすら逃げ回るしかできず、それでも命からがら移民を助けて自分も逃げるんだけど、その時周囲もあることに気づき、一斉に戦闘の手が止まる。鳥肌が立った。

エンディングも救いのあるもので、前半のぬるい展開からは予想できないいい映画だったな。
しかし、マイケル・ケイン御大、ここにも出てましたか…。

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ハルクマール

3.5無慈悲な世界

2024年2月16日
スマートフォンから投稿
鑑賞方法:VOD

悲しい

興奮

紛争や戦争(の一場面)を描いた映画は数多存在する。それらの中で本作よりも戦闘描写や戦争の悲惨さが忠実に映されている映画もそれは沢山あるだろう。
だがそれらひっくるめても本作を語る上では外せない、終盤のあるワンカット。それはSF的な"そこに至るまで"のカタルシスによって素晴らしいシーンになっている。
命が軽い、だがそれは大人に限った話で本作で子供の命は何よりも重く尊い。
監督は本作の後『ゼロ・グラビティ』『ROMA』とより知名度を上げていくが、本作の時点でもっと製作費をかけることが出来ていればSFドラマの傑作としてもっともっと評価されていたと思う。
もっと有名であるべき作品。

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ezio

3.5子供の生まれない世界

2024年2月10日
Androidアプリから投稿
鑑賞方法:VOD

悲しい

地球にとって人間が悪性ウイルスとしたら、災害や病気で根絶できないとなれば、ウイルスが増えない様に対処するなんらかの処置を行うかもしれない。

しかし、産まれた赤子の泣き声を聞くと、本来人間は良性なウイルスと感じる。

何故大人になるにつれ、国や人種や組織等の対立が生まれ悪性ウイルスになっていってしまうのだろう?

そんな感想が浮かんだ映画だった。

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REpower
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