「2004年からそんな時が経ってしまったのか」ハウルの動く城 福山雅治さんの映画レビュー(感想・評価)
2004年からそんな時が経ってしまったのか
2004年!?当時、映画館で見て、いま2023年…ふらっとレイトショーで見て、ふしぎな感覚を得て帰った。いまだに永遠のメリーゴーランドが頭に鳴り響く。
あの感銘はなんだったのか?ラピュタのようなわかりやすいストーリーもない。
まさに宮崎駿の世界観を見せられただけだが、なぜか不思議。好きでもないどころか、嫌いかもしれない。
アニメーター出身の彼は、とろみのあるアニメーションを描く。原作を再現したいというより、本能が先んじるのだろう。
原作を忠実に再現しようとした吾郎の作品は、感銘を与えられなかった。
なぜか?父宮崎駿は、吾郎の作品を見て、すぐに試写会を飛び出た。タバコを吸いながら、映画も見ずに、色気がない、と批判した。
宮崎駿の作品は情緒感がある。何十年経っても人に愛される理由だろう。
最近はタイパやコスパと即物的に求めがちである。抽象的な作品は嫌われる。
抽象を表現できる監督も減った。すぐに展開する、勧善懲悪的なわかりやすい作品が増えた。
それも悪くはないが、何年も残らないだろう。
天才は理性ではなく、感情や心に届く振動を伝える人なのかもしれない。
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