劇場公開日 2000年10月7日

クレイドル・ウィル・ロック : 映画評論・批評

2000年10月1日更新

2000年10月7日より恵比寿ガーデンシネマほかにてロードショー

ロビンスが惚れ込んだ“幻の舞台”が今ここに!

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寝ぐらがわりの劇場の舞台裏から職を求めて街に出る女優志願の娘オリーヴを追っていたカメラが、窓から舞台「クレイドル・ウィル・ロック」の作曲家ブリッツスタインの部屋へ。ワンショットで一気に見せるこのオープニングもさることながら、オーソン・ウエルズら著名人が絡んだ実話に架空の人物たちを絡ませたロビンスの才気に、とにかく惚れぼれ。登場人物が多いので物語は散漫な印象を与えるのだが、それでも地味派手な演技陣と、彼らが演じる個性派揃いのキャラクターたちに引っ張られて、それぞれのエピソードを見ているだけで十分楽しめるのもまた事実なのだ。とりわけ、ロックフェラーやムッソリーニの宣伝活動家ら芸術のパトロンたちの傲慢さ・悠々自適ぶりに愛情すら抱かせるあたり、演じるジョン・キューザックもスーザン・サランドンもさすがといったところ。

が、もちろん、ロビンスが表現への想いを託しているのは、上演禁止の危機に瀕した舞台のスタッフ・キャストたち。彼らの演技への情熱が溢れるクライマックスは、物語の中だるみも忘れて、素直に胸が熱くなる。これで、コメディ・センスも抜群のロビンスがウェルズ役ででも出演していればと思うのは贅沢?

杉谷伸子

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