劇場公開日 2023年7月28日

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「いわゆる京劇と呼ばれるタイプの映画。」さらば、わが愛 覇王別姫 yukispicaさんの映画レビュー(感想・評価)

5.0いわゆる京劇と呼ばれるタイプの映画。

2023年12月27日
PCから投稿

今年435本目(合計1,085本目/今月(2023年12月度)36本目)。
(参考)前期214本目(合計865本目/今月(2023年6月度まで))

 今日はこちらの作品が見たくて、いわゆる年末年始の休みをとって実現しました。
インド映画でもないのに3時間級ってどういうことなんだろう…と思ったら、京劇(中国における古典的な演劇の類型をいう)なのですね。

映画の中の字幕がかなり丁寧とはいえ、20世紀に入ってからの中国がたどった歴史をある程度知っていることが前提になる作りなのかな、という点は否めません。これら難しい語句についても原則として特別の補助字幕が付くことはないし、基本は京劇7割といったところがあるからですね(なので、京劇の見方の入門編みたいな感じでも推せる…が、3時間級…。京劇系ってどれ選んでも3時間級なんでしょうか…)。

 まぁしいていえば高校世界史の日本から見た場合の第一次世界大戦以降の中国大陸がどうであり、また戦争を経てどのようになったのかといったことに関する知識があると有利です。一方、映画は「作品を見せる」ことを優先したため字幕が抜けているであろう点もありますが、京劇パート等で出てくるセット舞台(?)に漢字が書いてある場合、ある程度類推ができるという有利な点もあります。これら踏まえてどこまでの扱いとするかは個々分かれそうといった感じです。

 個人的には休みを調整してまで見た価値はあったと思うし、俗に「3時間級映画」の代表として言われるインド映画「以外」にも「この手の長い映画があるんだ」ということ(京劇ということはある程度は知っていたが、見たのは本作が初めて)を知ることができたなど文化の吸収という概念が大きいです。

 なお、採点上特に気になる点まで見当たらないのでフルスコア切り上げにしています。

yukispica