ソードフィッシュ 特集: VFX映画に造詣の深い映画評論家、大口孝之氏が激筆、今、大きく変わりつつあるVFXワールドをレポートする大特集! いよいよ今回からは、2001年のVFX映画界の変化を振り返る。スタジオごとに、現状と今

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ソードフィッシュ

劇場公開日 2001年11月3日
2001年10月17日更新

2001年、VFX映画業界大変貌

VFX映画に造詣の深い映画評論家、大口孝之氏が激筆、今、大きく変わりつつあるVFXワールドをレポートする大特集! いよいよ今回からは、2001年のVFX映画界の変化を振り返る。スタジオごとに、現状と今後の予定作を見ていこう。

第3回:VFXスタジオの勢力図が変わった!

2001年はILMとミル・フィルムの独壇場!

どうなるデジタル・ドメイン?

大口孝之

「ハリー・ポッターと賢者の石」 「ハリー・ポッターと賢者の石」 (C) 2001 Warner Bros.
All rights reserved.

■■■■■ILMは市場独占の勢い!

2001年のVFX業界は、正にILMの独占状態だったと言えよう。夏に公開された作品だけでも「ハムナプトラ2/黄金のピラミッド」「A.I.」「パール・ハーバー」「PLANET OF THE APES/猿の惑星」「ジュラシック・パークIII」と軒並み大作を手掛けている。

またこの10月以降公開の作品でも「スウィートノベンバー」や「クローン」、12月1日公開の「ハリー・ポッターと賢者の石」や「ギャング・オブ・ニューヨーク」、ショーン・ペン監督の「The Pledge」、フランク・ダラボン監督の「The Majestic」「The Time Machine」「Big Trouble」などにも参加している。

「クローン」 「クローン」

さらに来年もスティーブン・スピルバーグ監督、トム・クルーズ主演の「マイノリティ・リポート」「メン・イン・ブラック2」「E.T. 特別編」「スター・ウォーズ エピソード2/クローンの攻撃」と、軒並み大作・話題作が控えている。

ただ彼らにも、けっしてつまずきが無い訳ではない。それは自社製作のフル3DCG長編映画についてだ。98年に発表した「Frankenstein」の企画は、ユニバーサル・スタジオとの共同製作で、「フランケンシュタイン」(31)を忠実に白黒の3DCGで再現するという試みだった。だが、意図がどの辺りにあるのかよく分からない企画であったため、間もなく中止になり、代わって浮上したのがファンタジー作品「Work in Progress(仮)」だった。だがこれも、パイロットフィルムを製作するだけに終わっている。このように自社企画が軌道に乗らない理由は、小まめに自主製作の短編を作って作家を育てるといった、人材育成面に不備があったからと考えられるのだ。

「トゥームレイダー」 「トゥームレイダー」

■■■■■ミル・グループ、躍進中!

ILMがジョージ・ルーカスの所有する会社であることは、説明の必要もないだろう。同様に監督がオーナーを務めるVFXプロダクションは、増加する傾向にある。

「ムーラン・ルージュ」 「ムーラン・ルージュ」 (C) 2001 TWENTIETH CENTURY FOX

その中で、最近非常に活躍の目立つ会社にミル・グループがある。同社は、90年にデジタル・ポストプロダクションのザ・ミルとして産声を上げ、97年にオーナーとしてリドリー・スコットとトニー・スコットを迎え、長編映画のVFXを手掛けるミル・フィルムを設立した。そして現在は、ザ・ミル、ミル・フィルム、ミル・モーションコントロール、ミル・モデルズ、emill、ミル・インタラクティブから構成される、総合特撮スタジオ「ミル・グループ」としてロンドンとロサンゼルスで活動している。ロンドンで撮影される作品が増えたことも、この躍進に一役買っているようだ。

「The Time Machine」オフィシャルサイト(英語) 「The Time Machine」
オフィシャルサイト(英語)

さらに、昨年公開された「グラディエーター」がアカデミー賞・視覚効果賞を受賞してからは、ますます仕事の依頼が集中するようになった。今年日本公開の作品だけでも「ショコラ」「ハンニバル」「トゥームレイダー」「キャッツ&ドッグス」「ROCK YOU!」「ムーラン・ルージュ」「ハリー・ポッターと賢者の石」に参加している。

この後、2002年の公開作も、「ブラック・ホーク・ダウン」「K-19」「The Count of Monte Cristo」「End Game」「Enigma」「Pluto Nash」「Band of Brothers」「Four Feathers」「Morality Play」「Possession」「The Shipping News」「The Sleeping Dictionary」など、非常に多くの作品を手掛けている。

■■■■■元気のないデジタル・ドメイン

同じように監督がオーナーを務めていたプロダクションとして、デジタル・ドメインを忘れる訳にはいかない。だがその会長であったジェームズ・キャメロンと副会長のスタン・ウィンストンは、98年に役員を退いてしまった。直接そのこととは関係していないが、同社はここ数年パッとしない。

「タイタニック」(97)のころはILMを凌ぐ勢いがあったのに、昨年は「グリンチ」と「オー・ブラザー!」を手掛けたものの、その後は劇映画の仕事をまったく受注できずにいた。

現在は「The Time Machine」を手掛けており、倒産の危機こそ免れたようだが、ベテランスタッフが数多く流出してしまっている。今後の展開が危ぶまれるところだ。

【次号予告】

次回もスタジオごとに追いながら、VFX世界の全貌を見ていこう。「ハリー・ポッターと賢者の石」のイメージ・ワークスの今後は? そして「ロード・オブ・ザ・リング」のVFXはどの製作プロがやっているのか?

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