劇場公開日 2002年2月16日

「「わかりにくさ」も意図して」マルホランド・ドライブ okaoka0820さんの映画レビュー(感想・評価)

4.0「わかりにくさ」も意図して

2016年12月1日
PCから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

記憶にすり込まれる、ようなインパクトを持った作品。整理されたストーリーではないけれど、感情を揺さぶられる場面が随所に織り込まれています。
序盤から中盤までの展開は独特なテンポのサスペンスタッチで、深夜の劇場のシーンを期に抽象的な描写へと大きくシフトする。
その後を「謎解き」と思って見ていると、更に混乱を招くかのように、より深淵へと突き落とされる。付いていこうとすると喉をかっ切られます。
「わかりにくさ」も意図してでしょうし、安易に立ち入れない、距離を感じます。
リンチ監督の中でのこの作品の立ち位置は「懺悔」でいいんでしょうか。ある女優の成功の影には必ず「夢」を殺された「女優」もいるわけで。カウボーイのセリフはまさに自身に向けられた呵責の念では。「彼女だ」と断言することで、大きく左右される運命があることを「考えようともしない(しなかった)」と。

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okaoka0820