マルホランド・ドライブ インタビュー: そう。ハリウッドでは何でも起こり得るのさ!(1)

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マルホランド・ドライブ

劇場公開日 2002年2月16日
2002年2月15日更新

デビッド・リンチ直撃インタビュー

そもそもTVシリーズ用に製作された物語を、見事に劇場用長編映画としてリバイバルさせたデビッド・リンチの手腕は、先頃発表された本年度のアカデミー賞で、自身3度目となる監督賞へのノミネートを受けたことでも証明された。この、ひょうたんからコマとも言える快挙を成し遂げたリンチ氏は、なんと本年度のカンヌ国際映画祭の審査委員長にも抜擢され、そのキャリアは不意に頂点に達した感もある。今回、「マルホランド・ドライブ」の日本公開を間近に控え、サンフランシスコ在住の町山智浩氏がロサンゼルスのリンチ邸を訪れた。そのインタビューの模様をたっぷりお届けしよう。

そう。ハリウッドでは何でも起こり得るのさ!

町山智浩

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「バン!」

リンチはテーブルを叩いた。

「こんな感じで『マルホランド・ドライブ』は潰されたんだ」

「マルホランド・ドライブ」はTVシリーズとして企画され、2時間のパイロット版が作られたが、これを観たABCテレビの首脳陣は放送もせずに中止を決めた。「マルホランド・ドライブ」は、黒髪の美女(ローラ・エレナ・ハリング)が夜のマルホランド・ドライブで交通事故に遭う場面から始まる。マルホランド・ドライブとは、ハリウッド・ヒルズの尾根を走る道路で、今回、訪問したデビッド・リンチの自宅もマルホランド・ドライブから少し南に下ったところにある。

「普段あの道路を走っているうちに思いついたんだ。不思議な道路だよ。夜になると真っ暗なんだ。街灯が無いんでね。片側1車線の道がくねくね曲がって見通しはきかないし、自分が山奥にいるような錯覚に陥るけど、突然視界が開けて、ロサンジェルスの夜景が眼下に広がる。ハリウッドのてっぺんにいるのに、闇に消えて行くセンターラインを見ていると、なんというか……」

――無意識に繋がっているみたいな?

「そうそう(笑)」

――なぜTVドラマにしようと思ったんですか?

「とにかく連続ドラマが好きなんだよ。まず、キャラクターを創造し、彼らを状況の中に放り込む。後の展開は流れに任せるんだ。すると誰も予想しなかったことになっていく。それが楽しくてね」

画像2

――オクラ入りになってさぞかし落ち込んだでしょう。特にヒロインのベティを演じてTVスターになれると思っていた新人のナオミ・ワッツは。

「彼女だけじゃない。みんな本当にガックリしたよ。でも、ローラ(エレナ・ハリング)だけは、いつも『大丈夫、うまくいくわよ』って、不思議な微笑を浮かべていたね」

――彼女の予言は当たったわけですね。

「そうだ。2年後にフランスのカナル・プリュスが『マルホランド・ドライブ』を劇場用映画にしようと言って来たんだ。天の助けだと思ったけど、1つ問題があった。結末を考えてなかったんだ」

――何も?

「何も。ゼロ。ナッシング(笑)」

――冒頭でローラを殺そうとした犯人も?

「全然(笑)。結末がわかってる話は作ってても楽しくないだろう? でも不幸にも映画には結末が必要なんだよ(笑)。それで毎日、頭を抱えて悩んでいたら、ある晩、それは突然、結末が閃いたんだ。するとみるみる全体のつじつまが合っていった。それは本当に素晴らしい瞬間だったよ

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3.8 3.8 (全25件)
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