劇場公開日 2005年6月18日

バットマン ビギンズ : インタビュー

2005年6月1日更新

続けて編集部は、公私共にクリストファー・ノーラン監督のパートナーであるエマ・トーマスと、現在テリー・ギリアム監督最新作にも携わっているチャールズ・ローブンの2人のプロデューサーに、インタビューを敢行。この超大作は、どのようにして生まれたのか?(聞き手:編集部)

エマ・トーマス&チャールズ・ローブン プロデューサー インタビュー
「これはあらゆる意味で大きな映画なんです」

――長い歴史のある「バットマン」ですが、初めて接したのは?

エマ・トーマス(左)とチャールズ・ローブン
エマ・トーマス(左)とチャールズ・ローブン

チャールズ・ローブン:「子供の頃、『バットマン』のコミックを読むのが大好きで、よくバットマンになりきったりしていました。今回、クリスチャン・ベールがバットマンになっている姿を見て、子供の頃を思い出しました」

エマ・トーマス:「私はTVアニメもコミックも読んでいなくて、89年の映画版が初めてでした」

――今回の映画化の経緯を教えてください。

チャールズ:「私の場合は、既に進行していたプロジェクトに、後から誘われて参加したんです」

エマ:「もともとスタジオ側(ワーナー・ブラザース)が、新しい『バットマン』を作りたいと言っていたんです。そして、私とクリス(クリストファー・ノーラン監督)のところに話がきましたが、クリスは『自分だったら、これまでの映画に欠けている、バットマン誕生の話を描きたい』と提案し、スタジオ側もそれを気に入り、プロジェクトが進んでいきました」

キャストも一新し、 新たな物語として再生した
キャストも一新し、 新たな物語として再生した

――過去のシリーズはご覧になりましたか?

チャールズ:「私はもともとファンですから。映画はもちろん、TVもコミックも観ていましたよ」

エマ:「映画版は全て観ました。そして、クリスと『これらの映画は全て忘れよう』と話しました。確かに、時系列で言えば今回の『バットマン・ビギンズ』は、1作目より古い話ですが、私たちは全く新しい、独立したものを作るつもりで臨み、スタッフにもそのように伝えました」

――製作上、最も困難だったことは?

チャールズ:「スケジュールですね。これはあらゆる意味で大きな映画で、あらゆるものをリアリティに満ちたものにするため、巨大なセットも作りました。また、クリスは全てに自分がタッチしたいというタイプの監督で、そうするとどうしてもスケジュールが長くなってしまうんです。通常、この規模の映画だと、セカンドユニットやアクションユニットなど、様々な撮影班に別れ、同時に進行していくんですが、彼が全てを観るために、各ユニットの撮影が順々に行われました。結局、ファーストユニットだけでも、129日かかりました。さらに、素晴らしい俳優をたくさん使いましたので、彼らをこの長いスケジュールに合わせるのも大変な作業でした」

クリストファー・ノーラン監督が細部まで こだわった世界観に注目したい
クリストファー・ノーラン監督が細部まで こだわった世界観に注目したい

エマ:「私とクリスが最初に撮った長編『フォロウィング』は、撮影期間が22日間でした。次の『メメント』は25日間、『インソムニア』でも53日間かかって、とても消耗しました。ですが、今回はファーストユニットだけで129日間で、その後の編集作業などにもクリスはかかりっきりでした。何よりもスタミナを保つことが最も重要で、大変なことでしたね(笑)」

――続編の予定はありますか? その場合、またクリストファー・ノーランが監督しますか?

エマ:「クリスは一度に1つのことに集中するタイプで、今はこれのことしか考えられない状態です。また、続編はもちろんスタジオの意向や、観客の反応にもよりますからね」

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