あまろっくのレビュー・感想・評価
全27件中、1~20件目を表示
良い映画とも思われましたが、現在性には疑問が‥
(完全ネタバレですので必ず鑑賞後にお読み下さい!)
映画を通して良い映画だとは思われました。
特に、中条あやみさんが演じた実際の家族の愛情を知らないのに明るく常に振舞っている早希は魅力があり、主人公・近松優子(江口のりこさん・後野夏陽さん・別所美紀さん)の父の近松竜太郎(笑福亭鶴瓶さん・松尾諭さん)も魅力ある人物だっと思われます。
ただ一方で、描かれている内容は、古き良き(専業主婦的)家族へのノスタルージー暗喩と感じられ、果たして現在に耐えられる映画になっているのかは個人的には大いに疑問はありました。
(事実、主人公・近松優子の母(近松愛子(中村ゆりさん))は亡くなっていて、父の近松竜太郎も映画の早々に亡くなり、今は無きノスタルジー暗喩の表現になっています)
そして(魅力的な人物だとは感じながら)早希(中条あやみさん)の描写は親の愛情を知らないはずなのに、ちょっと理想的描写過ぎるのではとは思われました。
個人的には、この作品の良さは踏まえた上で、とても現在に耐ええる内容とは思えないと感じられ、シビアに今回の点数となりました。
ひっついてるものを剥がすと 何で痛いのやろ
尼崎にある閘門を
水害から守るシンボルとして、
家族の大黒柱に例えた
大阪の家族のお話しでした。
大黒柱はだれなのか。
それがオチにもなっていて
面白い。笑える。
というか、途中からずっと
薄く泣けて、泣けて‥‥
何気ない日常の根っこにある
心情にどっぷり。
結婚生活に失敗した人とか
年配の方とか、
人生経験積んだ人ほど、しみそう。
結局、
そんなに裕福でなくても
人生誰かのために楽しく
暮らした方が
いいなと思ってる人は
カモ。
家族でも知り合いでも
距離感をもって付き合うのは
難しいですが、
本作をみると
そんな事はどうでも良くて、
自分がこうしたいと思って
それに付き合ってもらえる人同士の
距離感が生まれるんだなーと。
ま、当たり前かもですが。
序盤の
優子が職場で失敗した場面も、
中盤での
親父が近所を徘徊して
職場を上手く回している場面も、
終盤の
早希の頑張りも、
ラストの優子の決断までの
長い長い前座。
「私が〜になる!!」
あぁ、
そうなって欲しいという
流れに全部乗っかっていくんだけど
それでいい。ワンピースっぽくて。
きつく聞こえる言い回しも
関係性があってこそが
ちゃんと表現されていて
心地よし。
イントネーションに違和感ないと
思ったら、
なんと全員が関西人。
知りませんでした。
食うて寝たら大概の事は何とかなる。
とはいったもので
うちの婆ちゃんも
寝るは豊楽金いらずって
言ってたし、
寝るって大事。
男前の江口さんと
素敵な中条さんとの
やり取りをいつまでも見ていたい‥‥
人と生きる素晴らしさがスクリーンから
溢れます。
おすすめ。
結婚=幸せという価値観の押し付けがしんどい
主題歌であるユニコーンの「アルカセ」を映画館で聴きたくて見に行きました。
おでん屋店主役の駿河太郎さんは映画本編では主人公・優子の本音と愚痴をひたすら聞かされるだけで終わってしまいますが、「アルカセ」のMVでは駿河さんがフィーチャーされています。
中条あやみさん演じる早希が、父親が不倫相手と家出したという過去を持ち、恵まれてるとは言い難い家庭環境で育ったのに、結婚して良い家庭を作ることに憧れ、固執するあまり65才のおじさんを逆プロポーズして断られたら押し倒してモノにするという、男女逆だったら犯罪案件の凶行の末に結婚……とちょっと狂気的なキャラでした。
家庭環境に恵まれなかったからむしろ結婚に憧れたってことなんでしょうけど、結婚=幸せという価値観を優子にまで押し付けるのが見ててしんどかったです。
価値観は人それぞれで、何を幸せと感じるかも人それぞれなので、早希が結婚することが幸せと思っているのは別にいい。けど押し付けがましいのは良くない。
特に変化のない日々を送る優子に「そんなの幸せじゃない。ごまかしてるだけ」と決めつけたり、頼んでもないのに「幸せになってほしいから」と勝手にお見合いさせようとしたり、結婚=幸せという固定観念に縛られすぎていて、そういうの、今の時代に合ってないよ……と思ってしまいました。
家族団欒にこだわってるわりに余計な一言というか無神経な発言が多いし、「裁縫したって結婚相手は見つからんよ」とか(優子は結婚相手を見つけるために裁縫してたわけじゃない)、なんか性格悪いなこの人……とちょっと引きました。
優子は不本意な毎日を送ってたのかもしれないけど別に結婚を目標としてたわけじゃない(はず)なのに、仕事しろ!とせっつくのではなく執拗にお見合いや結婚をすすめる早希にはやはり狂気を感じるし、家族団欒したいと言いつつ本当は優子を追い出したいのかなと思ってしまいました。
優子は会社員時代は仕事が出来ても彼氏がいたことないからって笑われる、仕事が出来るのに協調性がないからと社会からはじかれてしまう……優子を笑い、社会から追い出した人々を仕事で見返すという展開にはならず、お見合い相手がたまたま同じ大学卒で以前から優子に好意を持っていたのでなんだかんだありつつゴールインという幸せ?な結末。
なぜ仕事しないの?と近所の小学生に聞かれても優子は答えず、その疑問は置き去りにされたまま、なぜか結婚の話がトントン拍子に進んでいく展開が個人的には不可解で……いや仕事は?
結婚さえすれば、優子を笑っていた人たちは黙るし、会社から追い出した人たちも厄介払いした負い目もなくなる、ということになるのでしょうか。
理不尽な理由でリストラされても、結婚しちゃえばオールOKってこと??それとこれとは別なのでは、と思ってしまう。
仕事を辞めさせられたことにくすぶってたなら仕事で這い上がってく展開のほうが個人的には見たかった。仕事出来るのに会社クビになったけど結婚したから解決!みたいな結末にモヤってしまった。
私はひねくれてるので、そんなふうに感じてしまいます。
ハッピーエンドなんでしょうけど、しつこいけど優子があの会社の人たちを仕事関係で見返してく展開のほうが個人的には見たかった。でも、そういう映画じゃないんでしょうね。
リストラや地震や、人生には理不尽なことが度々起こるけど、受け入れて生きていかなきゃいけない。楽しんで受け入れるくらいの気持ちで。
それは仕事や結婚を急かすわけでもなく、黙って優子を守っていた近松家のあまろっくこと竜太郎の「人生で起こることはなんでも楽しまな」の精神で。
「楽しむ」って案外難しくて、優子にはそれがなかなか出来なかったんだろうな、竜太郎はお手本になるように「楽しく生きる」ことを優子に見せようとしてたのかな……と思うと切ないけど、もしかしたらそんな深いことは何も考えてなかったかもしれない。
残された人々は想像するしかなく、優子と早希は竜太郎と過ごした時間を胸に、共に生きていくことを決意する。
あの結婚式は、優子と早希が共に生きていくという誓いの場でもあったと思う。
私はひねくれてるので、「1年後」のみんなは幸せそうで何よりだけど、結婚したからって幸せになるとは限らないよ、と思ってしまいます(しつこい)。
なんというか結婚にこだわる時代ではないと言われている現代でも、結婚は最大のハッピーエンドになるんだなと思い知りました。
いろんなシーンで「そうはならんやろ」と思いながら見てしまいましたが、ファンタジー映画として見たら楽しいと思います。
仕事関連でうまく生きられないのを恋愛要素でごまかされた感じがただ単に私には合わなかったので、文句が多くなってしまいました。ごめんなさい。
江口のりこさんや中条あやみさん、鶴瓶さんら、演者の皆さんはとても良かったです。
そして映画館で聴く「アルカセ」もとても良かった。
(しつこいけど追記)
なぜこの映画で感動できなかったのかをしつこく考えてたんですけど、会社クビになって引きこもりになった人に対する早希の対応にモヤったのが大部分かもしれない。
引きこもりの人にいきなりお見合いをすすめるのは乱暴すぎるし(いきなり仕事しろと言うのも配慮なさすぎだけど)、その辺の描き方が無神経すぎて、そこがずっと引っかかって感動できなかったのかもしれません。あんなこと現実の引きこもり当事者にやったらますます引きこもるだけだと思うので真似しないほうがいいです(する人いないと思うけど)。
けったいな話やけど、家族の繋がりや温とい人情に振り回され終いはごっつ涙する!
コイつわぁ オモロイ、めっちゃ感動したよ!
先日「あまろっく」を観に行きましたよ。
見る気全くゼロやったけども、どうせ”ロック”って付くし
流しの歌関係の話なんかと・・・。
それにミニオンパパ(鶴瓶さん)出てるしね。心の底から詰まらんと決めつけてた自分が有ったわ。
そういや 公開前の新聞に、佐川満男さんが体調不良で024年4月12日に亡くなられた記事が出ててね、この作品が遺作らしいのですわ。
ご冥福をお祈り致します。
と言う訳で今作の
出ている主な人達:
・近松竜太郎(工場経営者):笑福亭鶴瓶さん
・近松愛子(妻 故人):中村ゆりさん
・近松早希(後妻 優子の継母):中条あやみさん
・近松優子(娘 独身女性):江口のりこさん
・南雲広樹(優子の婚約者):中林大樹さん
(工場の社員、他)
昌子(庶務課):久保田磨希さん
高橋鉄蔵(ベテラン職人):佐川満男さん
大塚孝弘(若手):朝田淳弥さん
高校教師(優子の学校の先生):高畑淳子さん
兎に角、関西弁丸出しの尼崎の話。最初に”あまろっく”の説明がシッカリされている点も誤解を生まずOKです。私はそう言う地域なんだと知った次第。勉強になりますね。
役者陣も素晴らしい配役で設定されてます。
特に中村ゆりさんを応援してまして、日本生命CMの”笑顔が大好き篇”で感じた表情が凄く好き。そこから彼女へエールを。次回作も期待です。
そして久保田さんですね、今作もシッカリした良い味出てましたね。安定した名脇役感出てますね。
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この作品、妻を亡くした竜太郎(父)が娘より若い子(早希)を後妻に貰って、優子の年齢と逆転した継母存在が一つのネタですね。
或る日 ジョギングで父は急に亡くなり、社長亡き工場経営の危機と、娘優子の縁談話と、同時に起こる海外への転勤問題。トドメは継母の妊娠。つまり年下義理母に年の離れた兄弟が出来て。この難局を渡れって 優子にミニオンパパがあの世から指示出してるw きっとネ・・・それが遠目で見ててオモロイの極地。
こっち側から見てて、やっぱり 若い早希さんの存在は 亡くなった愛子さんがこの残された家族へ贈った使者だと思うんだよね。そこがとっても良い。
か弱そうに見えて一歩も引かない気質、早希さんの存在がそれを証明していると思う。
一時は工場売るとか、継母にアンタは他人やとか、言ってしまった優子だったが
総ては 早希の事を思っての出来事。それも凄っごく分る話ではある。
娘が父の事を思い出す・・・
父が言った オレは我が家の”あまろっくや” 、この思いね。
阪神大震災では無力を感じた父。それは誰もが同時に一緒に経験した事。
それでも皆を助けながら生きて来られた訳で。
その事を噛みしめる優子の脳裏にある 母が亡くなった時の記憶。
父が作ってくれた梅干し入り握り飯と、恵比寿さんのお面を付けて
”笑っていたらなんもカンも忘れるよ~”。この能天気な言葉を言いながら
娘を気遣ったけど、本当はお面の下では号泣していた父の姿を分かっていた訳で。
総ての涙を全部受け止めて、優子は我が家のあまろっくに成ろうと決めるのである。ここの場面が一番 涙しましたわ。
最後に近松家に訪れる幸福とは 果たして一体何か・・・
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江口さんをメインで、しかも結婚話を遣るんですからね、
そりゃ本は凄い力量があっての出来事と察しは致しました。
これは 中々行けるんじゃないでしょうかね。
心暖かく劇場を後にした次第です。有難う御座いました。(*^。^*)
心温まる本作にご興味御座います方は、
鑑賞出来る劇場がお近くに無いかも知れませんが、
是非、是非 今の内に劇場へお越し下さいませ!!
掛け合いがおもしろい
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製造業社長の鶴瓶。仕事は全然しないが、人から慕われてた。
「自分は尼ロック(尼崎閘門、町を災害から守る)と言ってた。
その娘のりこは優秀で京大を出たがリストラにあう。
行き詰ってプラプラしてたら、鶴瓶が20歳のあやみと結婚。
あやみは不幸な家庭に育ったので、家族団らんに憧れてた。
そんなあやみを馴れ馴れしく感じ、のりこは冷たくしてた。
そして結婚1か月、鶴瓶が突然死ぬ。
あやみは出て行くでもなく、苦しい工場を立て直そうとする。
のりこは家と工場を売ってあやみに金を渡す提案をする。
でもあやみは受け入れず、のりこを家族と言って居座る。
2人は全く違う性格ではあるが、どこか相手を認め始める。
のりこは、あやみが紹介した男からプロポーズされる。
結婚後は海外移住の見通しで、一旦は受諾したのりこだが、
あやみが妊娠しており、出産後も含めて心配してた。
のりこは工場の人から、鶴瓶がただのバカではなくて、
阪神淡路大震災で変わり、努めてそう振る舞ってたと知る。
そして今度は自分が尼ロックとしてあやみらを守ると決意。
こうしてプロポーズを断ったのりこだったが、
相手の男がよほどのりこを好きだったようで退職し、
のりこと共に工場で働くことになる。
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尼崎の映画館で見て来た。
尼崎の話なので、全国より1週早く封切してた模様。
鶴瓶が主人公と思ってたら、早々に死んでビックリしたわ。
特に内容ある映画とは思わんかったが、何か良かったな。
鶴瓶・のりこ・あやみらの日常会話が何かおもしろい。
3人とも関西人なので、関西弁もノリも自然体なのがいい。
それにみんな本当に役柄に近い性格なんじゃないだろうか。
映画は平日に見に行く主義だが、都合で珍しくGWに行った。
そのためほぼ満席で、よくあちこちで笑い声が起きてたわ。
そういうのがあるから、客席にどこか一体感を感じたな。
ちょうど舞台を見に行った時みたいな感覚になった。
飾らない日常を描いたシーンが多いという点からも、
舞台を見てるのに近い感覚になるんやろな。
のりことあやみ、親子くらい歳が離れてるのに、
あやみの方が母親というアンバランスさも良かった。
しかもあやみは苦労のせいか若いのにどこか人生を悟ってて、
のりこは特に前半はイジけててガキっぽさが目立つ。
その設定がまたこの逆親子感にええ感じの彩りを与えてたな。
あとこれだけはツッコまずにはおられんのやが、
のりこと結婚した男、あんさん判断誤っとるで!w
京大出て、砂漠の国に地下鉄を通すプロジェクトを任され、
そのために海外赴任が決まってて、意気込みに溢れてる。
ナンボのりこが好きでも、それを捨てて工場入社ってオイ!
それはしたらアカン、単身赴任してでも続けて欲しかった。
そんな半端な気持ちやったんか!ってツッコみたなったわw
エンドロールに佐川満男の名があった。これまた関西人。
そういや先日亡くなったってニュースが流れてたな。
ってどこに出てたの??帰宅後調べたら職人さんだった。
すごくやせ細ってて、全然気が付かんかったわ。
最後にいい作品に出られて良かったねって思った。
真剣に「楽しく生きる」ということ。
この手の映画は(面白いだろうと思いつつ)基本スルーしちゃう。
ところがなかなか評判が宜しいようなので、せっかくなので
じゃあ観てみるか、と。
最近はすっかり涙腺がゆるんでるし、それなりに泣いちゃうかも
などと思っていたら…想定を遥かに超えて大泣きしてもうた。
いい歳したオッサンがまあ何と恥ずかしい。
でも何というか、久しぶりに「きれいな涙」を流せたように思う。
この作品に出てくる人たち、基本的にみな「良い人」なんだよね。
そういう意味でもあまり大きな波が立つようなドラマチックな展開
というわけでもなく、だから特に想像を超えるような物語ではない。
でもだからこそラストの大きな感動へと繋がってるんじゃないか、
という気がする。
色々面倒な世の中だけど、誰かを大切に思う気持ちや家族の愛。
もっと素直に信じてみようと思える。
もっと前を向いて生きてみようと思える。
だって信じる者はきっと救われるのだから。
そう思えたら、それだけできっと幸せな人生になるんじゃないか。
たぶん「本気でそう思えるかどうか」が運命の分かれ道なのだ。
そのために大切なのは、真剣に「楽しく生きる」ということ。
単純に笑って泣ける映画だけど、深い感動がそこにはあった。
江口のりこさん、実に素晴らしい。
彼女特有の「ひねくれ」というクセが色んなフリになっており、
良い人だらけのこの作品を見事に成立させてくれたと思う。
そして父親の大きさを知り、「私が尼ロックになる」という決意。
不器用でひねくれ続けた彼女だからこそ、グッと来るものがあった。
中条あやみさんも良かった。
彼女の底抜けに明るく天真爛漫な振る舞いが周囲をいかに癒すか。
そしてその裏にある悲しい生い立ち。
何より、わずか1か月だった結婚生活を「大切に思う」気持ち。
ただ年齢設定には無理があったように思う。別に20歳じゃなくても
物語は成立したと思うんだけどなあ。
鶴瓶師匠もさすがでした。あと息子の太郎君も。
あと個人的に一番良かったのは婚約者役の中林大樹さん。
最後の最後、彼の恥ずかしそうな笑顔を見て完全に涙腺崩壊した。
やってくれたね。完全に「MVP」です。
ただ家族の在り方って本当にバラバラだし、それぞれが持つ家族観も
本当にバラバラだと思う。家族だからこその愛もあれば憎しみもある。
そういう意味では観る人を選ぶかも知れない。
皆が皆こういう美しさを受け入れられるわけでもないだろうからね。
おそらくこの映画のポイントはいかに素直に観るか、じゃないだろうか。
よって「素直な人」には強くお勧めしたい。
追伸
佐川満男さんのご冥福を心よりお祈り申し上げます。
最後まで素晴らしい演技をありがとうございました。
追記
どうしても書いておきたかった事を追加します。
時代の流れとともに個人の価値観がどんどん尊重されるようになり、
それによって声を上げやすくなったり、昔と比べて色々救われる人が
増えてきたんだろうと思う。
ただその一方で「配慮」という名のもとに、誰かに意見すること自体が
とても難しい時代になったとも言えるのではないだろうか。
いわゆる「お節介」などという表現では収まらず、もはや「押し付け」
と言われてしまう時代でもあるのだ。
でも僕は思うのだ。
人は決して「自力では変われない」のだと。
誰かからの応援だったり見守りだったり、時には批判だったり…。
それらが自分の中に入り込んできた時、何かしらの化学反応が起きる。
人が変わるって、そういう時なんじゃないのかと。
確かに押し付けるのは良くないと思う。
確かに相手を尊重すべきだと思う。
でも押し付けたって良いじゃないか。そこに「愛」さえあれば。
僕はずっとそう思っているのだ。
優子は自力では決して変われなかったはずだ。
父親や早希がこれでもかと一方的に優子へ押し付けてくる。
でもきっとその「鬱陶しさ」こそが彼女のひねくれを溶かしたのだ。
なぜ溶けたのか?そこには大きな大きな「愛」があるからだ。
早希は自身の悲しい過去から家族に対する強い憧れがあり、
それを実現すべく半ば強引に竜太郎と結婚した。
新たな家族となった優子へも自分の理想を押し付けたわけだが、
それでも早希には紛れもない本物の「愛」が確かにあった。
だからこそ優子の心は揺らぎ、そして雪解けへと繋がったんだろう。
愛のある押し付け上等じゃないか。
それで変われる人だって、救われる人だって必ず居ると思うのだ。
そもそも家族って本来は「そういうもの」じゃないのか。
ずっと孤独だった早希は安心して喧嘩できる相手も居なかった。
そんな彼女には優子との喧嘩すらも嬉しくて仕方ないのだ。
それを思うと涙が止まらなかった。
何と愛おしい人なんだと。
たぶん、そこに一番やられた気がする。
シバきまわしたろか!は良く聞きますが
シバき曲げたろか!の方がインパクト強いし、良くよく意味を考えたらシバかれた上に曲げられるわけで、めっちゃ怖いですね(笑)
関西出身俳優達の喋る関西弁ばかりでイライラせずに見れました(笑)
鶴瓶師匠が出てるのもあり、松竹芸能の大阪芸人さんが多数出演されてます。ていっ!(笑)
ラストに向け涙が止まらず、ずっとホロホロ泣いてました…あの頃のあの辺りの光景は脳裏に焼き付いて離れません。
一つだけ疑問は、あんな温和で愛に包まれた家庭で大事に育てられたであろう一人娘が、父親の体たらくな姿を反面教師として育ったとしても、どうしてあんなギスギスした性格に仕上がってしまったのでしょう…やれば出来る子やのに(笑)
なんでも楽しまな!
人情味に溢れるいい作品だった。
…人情味と書いてふと思う。いつ以来に使う単語なんだろうか?山田洋次監督の作品に使ったろうか?覚えていない。
江口さんがべらぼうに凄い。
家族の中にいる時、時折中2に見える。いやどう見てもおばさんだ。中2なわけないんだけど、彼女の内面がそうさせてるとしか思えず、化物かと思う。
彼女の話し方に全く気負いを感じない。関西弁のフランクさもあるのだろうけど…それにしても異次元の性能だ。
人生は辛い事の連続で…今作も様々な不幸が訪れる。なのだが折れない。潰されない。
登場人物達は皆、健気で強い。
能天気な父親が直向きにするポジティブシンキングには、物事は捉え方次第だと学ばされる。
20歳のシングルマザーもへこたれない。彼女が置かれる環境は結構現実離れしていて、結婚相手に自分より遥かに年上の子供がいる。その女性を相手どって初対面から「優子ちゃん」と呼び放つ。
そして、その関係性を何が起こっても曲げない。私はあなたのお母さんになるってスタンスを崩さない。
この居心地の悪いであろう同居生活も、いつしかなだらかになっていく。
不思議なんだけど、関西人ならばそうなっていく現状に頷けてしまう。関西特有のユーモアがそうさせる。日々の中に根付く「笑い」がそうさせていく。
降りかかる不幸に塞ぎ込むではなく、むしろ、負けない。その方程式が体内に染み付いてるような感触があった。
自分もそんな関西人のDNAを持ってて良かったと思う。
台風の中、つい笑ってしまう心理がよく分かる。何が起ころうとどうにかするし、何とかなる。もう乗り越えた先が分かってるから、台風などはただのイベントなのだ。
どうにも出来ない災害は起こる。117…途方にくれる。さすがに笑い飛ばせはしない。その区別くらいはあるが、もう28年も前の事なんだと気付かされる。
まるで、昨年の事のようにも思うのだ。
人生はやはり選択の連続で…エンディングである1年後が微笑ましくていじらしくて涙が止まらなかった。
この手の物語はやはりハッピーエンドがいい。
登場人物達はエンディングを迎えるわけではないのだけれど、笑いを失っていない未来に救われる。
娘は父親の後を継ぎ、およそ40年は離れているであろう弟をあやす。言動なんかは生写しのようだ。
後妻は副社長となり、工場を盛り立てる。
破談になりかけた縁談は、彼氏が工場に就職した事で継続されそうである。
なんとも優しいエンディングではないか。
のっぴきならない出来事が次々起こっているはずなのに、閉塞感を感じなかったのは関西特有の土性骨の強さなんだろうと思う。
あまろっくを眺めながら、義母を胸に抱き「これからは私が家族のあまろっくになる」と言い放つ優子の目がカッコ良かった。
あの眼差しに捨てたものと拾い上げたものの全てが詰まってたように思う。
それにつけても皆様、関西弁がお上手で…それだけでもなくツッコミの間とかも達者だった。
おかしなシュチュエーションなのだ。笑うようなシーンでも空気感でもないはずなのに、ツッコミが入る。いれずにおれない何かがある。
そんな関西人の生態も微笑ましく思えてしまう作品だった。
防波堤であるあまろっく。
冒頭の説明にもあったように、異なる水位の場所を繋げる役目もあるという。
父親が言う「俺はあまろっく」人と人との感情の差もなだらかにするようで、そんな意味も含まれていたのかなとふと思う。
家族とは? というデリケートなテーマを扱っていますが、重苦しいだけの展開にはせずコミカル要素もふんだんに盛り込んだ人間ドラマの秀作です。
最初は「鶴瓶さんが出ている作品」程度の認識しか無くて
鑑賞予定もなかったのですが、作品紹介を読んでいる内に
どうにも ” 観なければ ” な気になってしまいまして。
( ※ 私的に良くある話 ・_・; )
気になった作品ならば、観れる時には観ておきましょう。
という訳で鑑賞です。
さて。
舞台は兵庫県尼崎市。
小さな町工場を営なむ父の元に、一人娘が帰ってきた。
娘の表情は渋い。理由は簡単。務めていた会社を
リストラされたからだ。 う~ん。
家の玄関に着いた。
戸を開ける …と 満面の笑みの父の姿。
そして手書きの横断幕。
『 祝 リストラ おめでとう 』 ← 記憶曖昧 ・_・;
憮然とする娘に父。
「人生で起こることは何でも楽しまな」
笑顔の父。憮然とする娘。
そして現在。
父:近松竜太郎(笑福亭鶴瓶) 65才。社長。独身。
娘:近松優子 (江口のりこ) 39才。無職。ひきこもり・_・;
相変わらずの父と娘。…のハズだった。
ある日。食事の最中。
優子に話しかけた最後にオマケのように付け加える父。
「--で、今度再婚します」
「… えっ?」
一瞬固まる優子。
” 本気? 冗談? 何なの? ”
冗談ではなく、父が再婚相手を連れてきてしまう。 わー
” 家族揃っての夕食が夢だったんです ”
そう言う若い女性。
嫁:近松早希 (中条あやみ) 20才。市役所勤務(?)
自分よりも遥かに年下の ” 母 ” が現れた。
どうする? ⇒ 現実から逃避する。
屋台(おでん屋)のおやじ相手にクダを巻く優子。
おやじと言っても小学校の同級生。同い年だ。
割と遠慮なく、辛辣な意見をぶつけてくる。
” どちらかというと、優子の方が邪魔者では? ”
改めて突きつけられる現実に、ゆらゆら揺れる優子。
果たしてこの3人の家族の行く末は?
というお話です。
コミカルな場面をふんだんに盛り込みながら
3人それぞれの想いをキチンと描き切ったとの印象。
しっかりとした人間ドラマでもありました。 ・_・はい。
観て良かった。
満足です。
◇あれこれ
■大事なコトはどさくさ紛れ
大事な事を、関係ない話題の最後におまけのように
付け足して伝える父と娘。・_・;
再婚することを早口で娘に伝えた近松竜太郎。
結婚して海外に行くと早希に伝えた近松優子。
…うん。 親子だ。間違い無い。
■屋台で乾杯
おでん屋を営むのは優子の小学校からの同級生。
人との関わり方がヘタで、孤立しがちな優子のことを
憎からず想っていたのかな …と想っていたのですが
優子にお見合いの話にも、妬く素振りも特になく …あら
優子にとって「溜め込んだもの」を吐き出せる場所が必要で
それがこの屋台なら、この先も提供し続けてあげよう。
そんな風に考えたのかなぁ。
こういう男、キライじゃないです。
■あと30年は働いてな
と、竜太郎に頼られたベテラン工員が高橋鉄蔵さん。
” 俺をいくつやと思てんねん。八十過ぎとんのやで "
” 同い年くらいと思っとったわ ” と竜太郎。
80+30=110。 うーん。
それに、竜太郎さん。年齢設定が65です。
65+30=95。 う~ん。
人生100年の時代。(らしいです)
そこまで元気に働ける程に健康なら、それは幸せなのかも
…とは思いますが。 …う~ん。
※と、ここまで書いた後で何気なく公式サイトを見に行った
ところ、高橋鉄蔵を演じられた佐川満男さんの訃報が。えっ
先行上映の開始日に亡くなられたとか…。何ともはや…。
お悔やみ申し上げます。
◇最後に
尼崎ロック。=あまろっく。
尼崎の街を洪水から護る最後の砦 だそうです。
劇中で幾度も
” オレはこの家のあまロックや ”
” 普段はどんと構えて動かんものや ”
などと口にしていた竜太郎。
台風の接近で家が水に流されるかも… 大ピンチ。
一晩明けたら全く被害無し。 わぉ。
あまろっくは本当に、最後の砦だった。
それは、とりもなおさず竜太郎の事も肯定しているような
そんな事を感じるエンディングでした。
近松家の未来に乾杯。 ・_・
☆映画の感想は人さまざまかとは思いますが、このように感じた映画ファンもいるということで。
元気が出る映画
高評価だったので鑑賞。
「食べて寝れば大抵のことは大丈夫になる」
「人生に起こることは全部楽しまな」
良い言葉ですね。勿論長く生きていれば“とてつもなくどうしようもなく辛い出来事”だって起こるかもしれないですが、そこまで救いようのない状況は本当に稀だと思うので、
いつでもポジティブでいられるか分かりませんが、でもせめてこの2つの言葉は覚えておこうと思います。
父親の二十歳の再婚相手が何故ここまで「家族の団欒」にこだわるのか、その事情を知った時、とても切なかったです。
自分がこの二十歳の女の子ならどう生きていただろう、もしこの主人公のほうの立場だったら「二十歳の義理の母親」のことをどう思うだろう、どう対処するんだろうとそれぞれ考えながら見ていました。
そして全く予想出来なかったのは、「一緒にアブダビには行けません」と断られた彼のその後の行動。
主人公が真剣に将来を考えた末、父の再婚相手の「自分の娘と言ってもいいほど年の離れた若い義理の母親」と「その子ども=自分とは40近く離れた異母兄弟」を守る尼ロックになろうと決めた主人公と、
その彼女の真剣な想いをあんなふうに受け止めた彼。彼の行動に最後の最後、驚かされました。
見て良かったです!!
関西人がやるとこうなる
人情モノ?うーん、家族モノかな?江口のり子と中条あやみが血が繋がってなくても変則な家族になっていく話。「こんにちは、母さん」を関西を舞台で作ったらこうなるかな。
笑福亭鶴瓶は別格。というか本人そのままで出てきた感じです。
鶴瓶演じる竜太郎が死んでからがこの話の本筋になるけど、とにかく笑わせられ、笑って、笑って、ホロッと泣かせる。
阪神大震災も話に関わってくるけど、心をぎゅっとつかむ台詞がそこに出てきます。それって東日本大震災や他の震災でも言えることを言ってます。是非とも関西以外の人にも観てもらいたい。
人生に起こる事は何でも楽しまな‼️
この作品は特異な設定で家族の真の姿と、家族の本当の温かさを実感させてくれる名作‼️こんなに心が温まるというか、幸せな気分にさせてくれる作品を久しぶりに映画館で観た気がする‼️39歳でリストラされた独身の娘・優子は、実家に帰りニートのような生活を送って早8年、父・竜太郎が再婚すると言って連れてきた相手は20歳の早希だった・・・‼️やはりこの作品のキモは、3人の役者たち‼️中条あやみさんは不幸な幼少時代から家族団欒に憧れ、明るくて楽しい竜太郎と結婚したいと猛アタック、その娘である優子とも家族の絆を持とうと、一生懸命頑張る早希を明るく好演し、好感度バツグン‼️こんなイイ役者だったんだとビックリした‼️江口のりこさんも、父との関係もめんどくさくプライドが高い故に心を閉ざしていたのに、早希や見合い相手の南雲広樹との交流で変化していく様子をイヤミなく演じていてサスガ‼️そして竜太郎役の鶴瓶さん‼️中盤で亡くなるんですけど、回想シーンとかでも出てくるので、全編に渡って鶴瓶さんの存在感、温もりが感じられる‼️竜太郎・優子・早希の漫才のようなやりとり‼️ストレスが溜まると優子がちょくちょく通うらしい、幼なじみが経営する屋台でのやりとり‼️普段、ぐうたらしてる竜太郎が阪神淡路大震災で一生懸命救助活動する姿‼️竜太郎と早希の馴れ初め(早希が竜太郎を無理矢理押し倒すシーン)‼️竜太郎亡き後も早希が近松家に残り、優子の義母として、工場も受け継ぎ、竜太郎の子供を出産する決意を見せるシーン‼️優子と南雲のうどん屋でのやりとりからの愛情の芽生え‼️一度は実家と工場を売る決意をし、南雲の赴任先である海外へ行くことにした優子が、竜太郎と早希の思いに触れ、早希の娘として、生まれてくる赤ん坊の姉として生きていくことを選ぶ‼️そしてラスト、忙しそうに働く工場内での南雲広樹の鮮やかなサプライズ‼️もうホントに一つ一つのエピソードが胸に沁み、嬉しさと温かさで幸せな気分にしてくれる素晴らしい作品です‼️尼ロックや尼崎城、メリケンパーク、明倫橋、灘丸山公園、北堀運河遊歩道(であい橋)みたいな尼崎の名所も美しく撮られていて、ロケ地巡りに行ってみたくなりますね‼️「俺はわが家の尼ロックや」「人生に起こる事は何でも楽しまな!」みたいに、何気に名台詞も連発されてます‼️私も家族にとってというか、誰かにとっての尼ロックにならなくては‼️
【”人生に起こることは何でも楽しまな!と父は言った。”家族の絆とは何かをクスリと笑えるシーンと沁みるシーンと織り交ぜて見事に描き出した作品である。江口のりこさんの”不機嫌”演技の魅力全開作でもある。】
■優秀が故にリストラに遭った優子(江口のりこ)が、父竜太郎(若い時:松尾諭、今:笑福亭鶴瓶)の暮らす尼崎の実家に帰って来る。そこで待っていたのは”祝、リストラ!”の布を掲げ満面の笑顔の父であった。
ある日、父が再婚を宣言し、早希(中条文美)がやって来るが、ナント年齢が20歳!
優子は、家族団欒を求める早希を邪魔くさいと思いながら、彼女の家族団欒を求める理由を知り、徐々に絆されて行く・・。
◆感想
・待ちに待った、邦画の暖かいホームドラマの誕生である。何故なら、私の好みだから。
・根は優しいのに不機嫌な顔で演技させたらNo1の江口のりこさんの存在感が、圧倒的に良い。
ボサボサの頭。やる気の無い態度。不機嫌そうな顔。けれども、やる事はキッチリやるし、子供達にも勉強を教えてあげる。
■可笑しかった所は多数あれど・・。
・個人的には、優子が苛苛した時に部屋で一人行う、運針する姿である。
ー 教師(高畑淳子)がキビシイ顔で”精神統一!”と言いながら教室内を歩く中、懸命に運針する小学生の優子を含めた生徒達。とても可笑しい。-
・優子と早希の掛け合い漫才のような会話。
ー 早希が完全に勝っているし、会話の中から立ち上る二人の人間としての優しさが良いんだよね。二人とも相手の事を徐々に理解し、距離が縮まって行く姿が嬉しい。
優子の見合い話でも、早希が優子の代わりにエリートサラリーマン南雲(中林大樹)に“_食事行きます!”と答えちゃうし。-
■沁みたシーンは数々あれど・・。
・父が普段は尼ロックの如く何もしないのに、阪神淡路大震災の時に、不眠不休で救助活動をする姿。
このシーンは涙が出たなあ。緊急時にこそ、その人の人間性が問われるのだろうなあ。
ー 故に、早希のような若き美人さんも、美しき早逝した前妻(中村ゆり:変わらず、お美しい。)も竜太郎に惹かれたのだろうなあ。ー
・早希が家族団欒を求める理由を語るシーン。
- 父親が、娘に手を上げるなど言語同断である!母親に対しても、脳内で激しく憤る。-
・早希が竜太郎が亡くなった後も嫁として残ると宣言し、お腹に竜太郎との子がいると分かったシーン。
- 若いのに早希の覚悟は立派だし、優子も早希の事を改めて見直したのではないかな。-
・そして、優子が早希や父が遺した工場の事を考えて、同じ京大卒の心優しきエリートサラリーマン南雲のプロポーズを断る事を決断するシーン。
ー 因みに優子が南雲に惹かれていくうどん屋のシーンなどもとても良い。南雲さん、良き男である。-
<ラストもとても良い。南雲が海外赴任に行ったかと思いきや・・。
工場の皆がとても良い顔をしているんだよね。
勿論、優子も早希と亡き竜太郎の宝物の赤ちゃんを笑顔で抱っこしている。
そして、優子の笑顔を観た時に、それまで堪えていた私の涙腺も崩壊したのである。
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今作は、人間の善性溢れる温かいホームドラマである。
多くの方に、このオリジナル脚本作品を観て貰いたいものである。>
私の涙腺にアマロック効かず。。。
家族ホンワカものかなと普段ならスルーするところを友人たちの勧めを信じて鑑賞。結果、めちゃめちゃ泣けた。想像していたよりも深く長いストーリー、ご都合主義も数々あれど、関西弁のつるべ打ち(ここわかって)に押し流されるマタゾウ。涙腺のアマロックを超えてボロボロに落涙、今年初めての5点を献上。
あえてマイナス要素を上げさせてもらうと、中条あやみが美しすぎるのと20歳という設定が若すぎる。30歳設定でもう少し普通の顔でも全然通用する話だし、たとえはめられてしまった(笑)としても20歳では竜さんも思いとどまるんじゃないかなあ。あとアブダビ君も男前高スペックすぎて、この二人は外の世界に引き合いが無かったことがちょっと納得いかず。江口のりこはいくら何でも後ろ向きな期間が長すぎる(8年間!)。
と、そんないつものないものねだりを踏み越えての落涙ということで。みな前向きで明るい、ファンタジックともいえる尼崎でした。それにしても中村ゆりは今回もまた美しい。海外にもぜひ展開いただきたい一作でした。
あやみがアマロック
鶴瓶より中条あやみの方がアマロックではないか。父と娘をつなぎ、娘の夫を見付け、工場を守ろうとした。こんなに若くてきれいで、しっかり者の女性を世の男性が放っておくはずない。そこだけはファンタジー。あと思ったけど、ジョギング中に心臓発作するなら、あやみに迫られたときに腹上死(性交死)してもおかしくなかった。
ひと咲き まち咲き あまがさき
通常スクリーンで鑑賞。
私は生まれてこの方(約30年)、ずっと尼崎に住んでいる生粋の尼っ子であります。尼崎閘門(尼ロック)については小学4年生の時、社会科の時間に学習した記憶があります。
小4の社会科は1年間を通して尼崎市の産業や地域の特色、歴史などについて学ぶ時間でした(今もそうなのかな?)。
劇中で言及される室戸台風やジェーン台風の時の被害についても勉強しましたし、尼崎市役所の敷地内には、押し寄せた高波の水位を示したモニュメントが建っています。
最近、ドラマのロケ地で使われることの多くなった尼崎ですが、ついに「ご当地映画」と言える作品が出来ました。映画が大好きな尼っ子として、大変嬉しく、感慨深いです。
下町ならではの人情味がちゃんと描かれていて心地良い。何かと悪いニュースで話題となりがちな尼崎ですが、いいところもあるんだよと全国にアピール出来る最高の機会だな、と…
馴染みのある場所が映画の中に出て来るって、なんだか嬉しくなります。会社のすぐ近所でロケしていたなんて全然知らなかったです。中条あやみとニアミスしていたとは(笑)。
崖っぷち娘と父の再婚相手の心の交流が笑いあり涙ありで、なかなか手堅いドラマに仕上がっていて面白かったです。
中条あやみがキュートで、内心悶絶しまくりでした。「家族団欒や!」「自慢の旦那さんや!」とか、セリフの言い回しがとにかくかわいすぎますし、表情も良かったです。
父親の死因がよく分かりませんでした。もしかしたら誰か困っている人を助けようとしていたのかな、と想像します。
家族について思いを馳せ、考えさせられる。
「人生で起きることはなんでも楽しまな」。いい言葉。まさに金言です。尼っ子(30歳)の心にぶっ刺さりました。
[余談]
鋼材の下敷きになるシーンについて。鉄鋼関係で働く者として、工場ではあんな風に鋼材を保管しないのではないかなと思いました。ラックに横に寝かせて置いたりとか、もし立て掛ける場合ならチェーン等で転び防止の措置をしているはず。長年続けている工場のように見受けられるので、創業当初からあのような置き方をしていたならば今まで事故が起きなかったのは奇跡なんじゃないかな、と…(もしくは起きていた?)。展開的に事故を起こさないといけないのは理解出来るものの、杜撰な管理の果てに起きた事故になっているのが残念です。
江口のりこさん演じる近松優子の物語です
笑福亭鶴瓶さんと中条あやみさんの年の差婚、舞台が尼崎ということに興味をひかれ見てきました。予告編も面白そうだったので。
結論をいうと、映画の核となるストーリーは江口のりこさん演じる近松優子(鶴瓶さん演じる近松竜太郎の娘)の心の成長を描いた作品となっており、後半は不覚にも涙してしまいました。
「あまろっく」という言葉は初めて聞いたのですが映画のタイトルだけではなく実際に意味が有り、冒頭部分にも描かれていますが勉強になりました。尼崎市には海抜0メートル地帯があり、昔は台風時などに市内に海水が流れ込む災害があったのを今では尼崎閘門(あまがさきこうもん)が守っているのですが、この尼崎閘門の通称が尼ロックらしいのです。そしてこの映画の重要なキーワードとなっています。
ストーリーは子供時代の優子から始まり、やがて成長し、京大でボート部と華々しい経歴で社会人となり仕事も社内表彰されるくらいバリバリできるのに周囲との協調性に欠けるという理由でリストラされ、挫折してしまう。。。
そして父の竜太郎のもとに転がり込んで来るのだが、竜太郎はそんな優子を温かく迎え入れる。ニート状態のまま毎日ダラダラと暮らす優子に、竜太郎はある日再婚話をするのだが優子はたいした興味も示さずオッケーする。まさか二十歳の自分より年下の美女を連れてくるとは露知らず。。。
中条あやみ演じる早希が意外としっかり者で優子に負けず言い返したり、自分を煙たがる優子から決して逃げず母として愛情を持って接しようとするところがえらいなと感心させられました。
そんな新婚の2人と優子の奇妙な同居生活が竜太郎の突然の死によって終わりを告げる。
えっ、鶴瓶さん途中退場なんだ!とビックリしましたが、その後も回想シーンで頻繁に登場するのでご安心を。
これから話どうなるんだろうという私の心配をものともせず、見合い写真で優子を気に入ったイケメン男の登場、そして早希の妊娠の発覚、近松工場のベテラン職人の大怪我といろんな問題が発生していく中で、早希と優子はぶつかりながらも絆が深まり本物の家族になっていく。。。
そして幼い頃から家でぐうたらしてる風にしか見えなかった父の本当の思いを知った優子はある決心をする。。。
江口のりこさんが非常に良かったです。すみませんちょっと舐めてましたが、この映画で見直しました。中条あやみさんも意外と骨のある女性の役を見事に演じておりました。鶴瓶さんはいうまでもなく、親子共演の駿河太郎さんも優子の幼馴染みの屋台の主人役、良かったです。あと若かりし頃の竜太郎を演じられた松尾諭さんもいい味だしてましたね~。
「人生に起こることはなんでも楽しまな!」
この竜太郎さんの言葉が印象に残ります。
人生に行き詰まってる人がちょっと前向きになれる良質の映画でした。オススメです。
最後にこの映画でベテラン職人を演じられた佐川満男さんのご冥福を心よりお祈りいたします。
想定外に泣けました
たまたま尼崎に馴染みがあったので
軽ーい気持ちで見に行ったら、、、
ストーリーがあまりにも心にスッと入ってきて、
気づいたら泣いてました。笑
前半は、江口のりこさん演じる優子に、
こういう人いるよなぁ、、、学校とか会社とかの集団生活だと生きづらいよなぁと、自然と感情移入して苦しかったです。笑
そして鶴瓶さん演じるお父ちゃんの、明るすぎる励ましや
再婚相手のさき(中条あやみさん)のいきなりすぎるお母さん感に、優子同様、辟易としていました…。
ですが、お父ちゃんが亡くなったあたりから、
さきの生い立ちや、
"家族団欒が一番の幸せ"という曲がらない信念を追いかける姿に感動しました🥺
亡くなったお父ちゃんも、阪神淡路大震災の、
人が人を助け合うという、
人として1番大切なことを身をもって体現している姿に心を打たれました。
人間はやっぱり助け合わなきゃ☺️ということと、
何が起こっても楽しむのが人生!
っていうメッセージがまっすぐ入ってきました🌟
人生色々あるけど、難しいことは置いといて、
すごく前向きになれる映画でした!
見に行ってよかった!!また近々おかわりしにいきます✌️
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