劇場公開日 2024年4月19日

「煌びやかな平安絵巻の中の呪術廻戦」陰陽師0 bunmei21さんの映画レビュー(感想・評価)

3.5煌びやかな平安絵巻の中の呪術廻戦

2024年4月21日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

単純

興奮

夢枕獏の原作で、以前、野村萬斎が安倍晴明を演じて映画化された『陰陽師』。佐藤嗣麻子監督が、全く新しい視点で、『ゴジラ-1.0』で世界に名を轟かせた『白組』を率いて、リニューアルさせた新作。本作では、安倍晴明がまだ陰陽師となる前の学生(がくしょう)時代を、意識の世界と現実の世界の2つの世界観を通したオリジナル・ストーリーで、描いている。

今年は、大河ドラマの『光る君へ』も貴族の世の平安時代が舞台で、その煌びやかな映像が話題となった。その中で本作は、VFXを『白組』が担当しただけあり、貴族の生活の煌びやかさや華やかさはもちろん、邪悪な魔物や迫力あるアクション・シーンを、大河ドラマとは比べ物にならないほどの圧倒的な映像美で映し出してくる。特に、源博雅と徽子女王とのラブ・シーンの煌びやかさは、ため息が出る程だ。

天才陰陽師とも言われた若き日の安倍晴明だが、陰陽師としの昇格には全く興味を示さない風変りな青年。ある日、晴明は、源博雅から愛する徽子女王を悩ます怪奇現象を解決するように依頼される。その正体を見破った晴明は、博雅からの信頼を得て、互いを認め合うようになる。そんな折、陰陽師を目指す仲間の変死体が発見される。それを機に、晴明は平安京の内部に蔓延る、幹部による陰謀に巻き込まれ、囚われ身となっていく。一方で、徽子女王も妖の類に拉致されてしまい、晴明と博雅は、呪術を駆使して立ち向かっていく。

主演は、『キングダム』でも主演を果たし、今や日本映画界のトップスターに昇りつめた山崎賢人。本作では『キングダム』の信とは真逆な、冷静、沈着で、物静かな晴明を演じている。実際の安倍晴明は、それほどのイケメンではなかったようですが…。その相方の源博雅には、染谷将太。この2人の凸凹コンビの掛け合いが、なかなか面白く、アドリブも盛り込まれて馴染んでいた。そして、奈緒が、博雅が慕う徽子女王を演じているが、染谷と奈緒のラブ・シーンの背景は美しいが、ちょっと2人の取り合せは違うかな…と感じた。

全体的には、『平安絵巻アクション・ムービー』と言ったところで、『白組』が描く煌びやかで美しい舞台や背景は流石だ。しかし、『ゴジラ-1.0』のVFXがあまりに強烈で、印象的だったため、アクション・シーンでは、今ひとつリアルさに欠け、インパクトが弱く感じた。もっと、呪術による派手な戦闘シーンをたくさん盛り込んでも良かったように思う。

今回、タイトルに『0』が付き、陰陽師になる前の晴明を描いているが、山崎賢人が主演の『キングダム』が、次の作品で一区切りの様なので、今度は、本作がシリーズがされることを期待したい。

bunmei21
bunmei21さんのコメント
2024年4月29日

みかずきさん(^^)
コメントありがとうございます😊
拙いレビューに、共感してくださり、嬉しいです。

もう少し、妖怪が龍だけというのは、勿体ない感じがしました。もう少し、魑魅魍魎の世界観を醸し出して欲しかったかな。

次作に期待しましょう。

bunmei21
みかずきさんのコメント
2024年4月29日

同感です。

本作に0というタイトルが付いていますが、
本作が本編の前日譜であることを示しています。
山崎賢人と染谷将太のコンビネーションがGoodなので、
前日譜一作では勿体ないです。
本編もこのコンビで作って欲しいです。シリーズ化して欲しいです。

キングダムも予告編では次作が最終章とのことなので。

では、また共感作で。

ー以上ー

みかずき