劇場公開日 2024年4月12日

「これぞフランスの自由への讃歌」リンダはチキンがたべたい! ONIさんの映画レビュー(感想・評価)

3.5これぞフランスの自由への讃歌

2024年5月6日
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鑑賞方法:映画館

そもそもポスターの配色が素晴らしくて観たくなったフランスのアニメ。まったく労力は違うだろうが、少し高畑勲のかぐや姫を思い出したりしながら見た。
しかし、さすがジャックタチの国、ジャンヴィゴの国、ルノワールの国、地下鉄のザジの国、というワンダーに溢れた世界での団地に暮らす女の子のパパのパプリカチキンが食いたい騒動。

観ていて楽しいのがやっぱりアンコントロールの世界。リンダもリンダの母もヤバいし、そもそもが世界がストライキで団地の人々もみんな好き勝手に生きてる感があっていい。冒頭の学校の授業でもフランス革命といかに国民が自由を手に入れたかを説明してるので、これは明確なテーマなんだと思う。
で、騒動のきっかけがお母さん間違ってた、ごめん、からはじまるのが素敵。
そしてみなでチキンを食うぞと団地はカオスになるのだけど、人の痛みなどわかりあえる世界が描かれている… やっぱりちょっとじゃりん子チエ的な理想郷を観てる気がする

ONI