カゴのナカのキズナ

2022年製作/64分/G/日本

スタッフ・キャスト

監督
新井裕貴
脚本
藤原伊織
プロデューサー
福本裕介
桜あかり
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映画レビュー

4.5初監督の方の作品としては高評価(同時上映「女バド!」と同時に評価)

2023年9月10日
PCから投稿

今年309本目(合計959本目/今月(2023年9月度)19本目)。
(参考)前期214本目(合計865本目/今月(2023年6月度まで))

 ※ 監督は違いますが、「女バド!」(35分ほど)と本作品(65分ほど)の同時上映です。あわせて記述するとともに、上記の視聴回数には重複カウントしています。

 ※ 時間調整のため「シティハンター」を見てから向かったのですが、アニメ作品は特段の理由がない限りレビューしないため、ここでは省略します。とはいえ原作や過去作を知らない方でも理解のテンポの配慮があり、「次回に続く」的な要素があったのは良かったです。

 いずれの作品も初監督やそれに準じる方の作品で、この手の映画は、大阪市ではどうしても大手の映画館では放映されにくく、ミニシアターの中でも規模の小さい映画館…具体的にはシアターセブン等が担当することになりますが、どちらの作品も個々気になる点はあるものの、そこまで多くは引けない印象です。

 (女バド!について)

 コロナ事情元において、女子バドミントン部の試合・大会が中止となり、事実上高校の部活動が「無駄になってしまった」バドミントン部に焦点をあてつつ(この点でやや憲法論の集会の自由等の論点が入る)、今日(10日)の舞台挨拶にバドミントン指導の方が出られていたように、35分ほどの短編映画でありながら細かく描写されていたのは高評価でした。特にこの手の映画で、スポーツ「それ自体」を扱ったものでもないのに(テーマの主軸は、部活動とコロナ事情とのバランス、というもの)、バドミントン指導の方が舞台挨拶に出られていたのは好印象です。

 (カゴのナカのキズナについて)

 こちらは打って変わってサッカーもの。ある家庭料理店(居酒屋??)を営むお店に、3年か4年かくらいにふらりと帰ってきた夫に実は秘密があり、その夫と反発する娘との交流を、サッカーを通じて描く、「やや短編」(65分ほど)と言える映画です。

 こちらも、2023年からJ3所属の「FC大阪」(作成当時の2022年より前は、JFL所属)の全面協力もあったため、サッカーの部分については記述・描写が正確である点が評価できます(映画内で明示的に「FC大阪」という語句は出ます)。

 監督はお2人違いますが、どちらにも出演されている方が大半の映画という事情もあり、セット上映の扱いで、それはそれで理解でき、合計で90分+トークショー等実に50分ほどというものはとても高評価です。ミニシアターの「立ち位置」をどうとるかは微妙なものの、初監督やそれに準じる方がこうしたミニシアターから巣立ってやがて大きな映画館で見られるという「推しの監督・俳優さん」を見つけられる、というのは実際に実例があり(「ベイビーわるきゅーれ」ももともとはミニシアターでしか放映はされていなかった)、この監督の方もぜひ次作を、といったところです。

 一方で気になった点として下記があります。ただ、ここはどうとるか微妙です。

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 (減点0.3/「下部リーグなんていたってしょうがないでしょう?」について)

 この映画の公開は2022年であることから、この当時のFC大阪(当時はJFL。2015年から2022年までJFL。現J3)を指してこう言っているのですが、「2022年当時」において、Jリーグ(J1~J3)とJFLはそもそも「プロリーグ」と「プロアマ混合リーグ」の扱いであり、どちらが上・下というものではありません(ただし、2023年からJ3からJFLへの降格が始まるため、「2023年時点の観点では」やや事情が異なる)。

 この点、さらに突き詰めると、ではJ3はトップリーグではないのか(J3チームには天皇杯の予選免除がないため(例外除く))、あるいは再狭義に取るとJ1以外は下部リーグなのか(その場合、中間にあるJ2は扱いとして何なのかが謎になる)という点がまるで不明であり、やや「サッカーファン」の印象を悪くする部分はあります。ただ、積極的悪害を持った発言ではないものとも思え(そもそも、そうであればFC大阪の全面協力など得られない)、減点幅は限定的な部分があります。
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