劇場公開日 2023年12月1日

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「SF映画の常識を逆手に取ったアイデア《日常的SF》」隣人X 疑惑の彼女 琥珀糖さんの映画レビュー(感想・評価)

3.0SF映画の常識を逆手に取ったアイデア《日常的SF》

2024年3月3日
PCから投稿
鑑賞方法:VOD

隣人エックスというネーミングが上手いです。
宇宙人でも、地球外生命体でも、エイリアンでもない、
ただの隣人。
そして多分、無害。

SF映画のお約束がほとんどありません。
1、地球人と同じ外見=Xは人間に義体化する。
2、同じ言語を話す=万能の能力者?
3、戸籍(ID)を普通に持っている
4、地球人には一切の危害も加えない。

最初に但し書きがあります。
☆惑星Xで紛争が起きた。
☆☆アメリカ政府は惑星難民Xとして、受け入れた

しかし翻って日本では!!!

一般国民と見分けのつかないXに対して、
《危害は一切加えない》
これを本当に信じて良いのか?
まず個としてXを見つける。
Xを探して特定して

それをニュース・ソースとして週刊誌の売り上げアップに繋げようと、
多くの出版社が血眼になる、
「週刊北都」は一丸となってXのインタビューを取るため、
予測される範囲で疑わしい人間に張り込みを開始する。
その特命チームに志願した落ちこぼれ記者が、笹(林遣都)である。
彼が張り込む相手はコンビニアルバイトの柏木良子(上野樹里)

正直言って毛色の変わっただけの《ラブストーリー》です。
予算も少ない。
ロケ地もない。
金なしで、アイデアひとつ・・・って映画。
コスパは最高です。
最初の一時間はほぼ退屈。
ラスト近くなって急転直下でストリーがやっと動き出します。

結論から言って、ハートウォーミングな良いお話しでした。

言葉を聞くのではなくて、心を読むのよ!!
とか、
当たり前に、愛する人を信じて大事にする。

見分けの全く付かない【宇宙人ネタ】で一冊の本を書き、
それが映画になる。
嘘のような笑いの少ない真面目な映画でした

隣人が宇宙人だなんて、
信じられますか?
あなたは?

琥珀糖
R41さんのコメント
2024年3月23日

この作品は発想が素晴らしいですね。
それでいて、日本人の本質を突いている。
最後に来た許しが、この作品のテーマだと思うと心が救われる気がしました。

R41