非情学園ワル
劇場公開日:1973年3月31日
解説
“ワル”と呼ばれ、学校で番を張る少年の妥協を許さぬ故の苛酷な青春と、更生させるべく努力する教師たち、また学校を追い出そうと策略する教師たち、対立する不良学生との抗争を描く。真樹日佐夫・作、影丸譲也・画の劇画「ワル」の映画化。脚本は「不良番長 骨までしゃぶれ」の松本功と山本英明、監督は新人三堀篤、撮影は「昭和残侠伝 破れ傘」の飯村雅彦がそれぞれ担当。
1973年製作/83分/日本
配給:東映
劇場公開日:1973年3月31日
ストーリー
上級生を痛めつけ、先生に逆らい、学校からは煙たがられている氷室洋二は鷹の台高校の“ワル”と呼ばれる番長である。氷室は三年に進級し、新たなクラス編成が行われることになった。田所校長は宇津木雄吉と美杉麗子に氷室を退学さすべく密命を与え氷室のクラス・三年H組を担任させた。三年H組には氷室の不良仲間、大関、成川、黒須たちがクラスを仕切っていた。ある日、宇津木は氷室の父・洋之進が開いている剣道場で、氷室が門弟を痛めているのを目撃。宇津木は剣によって氷室を屈服させようと決心し、道場に入門した。しかし、数週間、熱心に剣の修業をした宇津木だったが、氷室に敗れてしまった。そんな宇津木を見ていた美杉は、氷室を酒に誘って誘惑するが、氷室に芝居を見破られ、さらにやくざにからまれてしまい氷室ともども乱闘事件に捲きこまれた。乱闘事件は学校中に広まり、美杉は退職せざるを得なかった。宇津木、美杉の氷室攻略を失敗とみた田所校長は区教育委員長の大日向謙策に相談を持ちかける。そこで、大日向は都内の高校を数度退学処分されている息子・昇を入学させ、氷室と対決させるように仕組んだ。昇は生徒会長に立候補し、見事当選、次々と氷室に対して罰則を与えた。しかし、氷室は何故か、その罰則を素直に受け入れるのだった。ある日、同級生の白石が氷室との一度の交わりで妊娠し、校舎の屋上から飛び降り自殺をした。氷室は生徒たちの非難を無視して、非道の数々をつづけていった。見るに見かねた田所校長は、ついに昇に氷室を暴力で屈服させるように頼んだ。昇は空手、氷室は剣道。しかし、勝負は一瞬のうちに決まった。氷室の木刀は昇の脳天にたたきつけていた。田所校長は即、氷室を退学処分にしようとするが、氷室は田所校長の数々の氷室攻略の密談をテープにとってあったのだ。そのテープは校内に流されてしまった……。田所校長は退学処分を撤回せねばならなかった……。