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「うつ病で苦しむ他の人たちのために役立ちたい」マイク・ミルズ監督が語る

2013年10月20日 10:00

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日本のうつに迫ったマイク・ミルズ監督
日本のうつに迫ったマイク・ミルズ監督
(C)Sebastian Mayer

[映画.com ニュース]「サム・サッカー」「人生はビギナーズ」のマイク・ミルズ監督が「うつ」をテーマに、日本で密着取材を敢行したドキュメンタリー映画「マイク・ミルズのうつの話」が公開された。ミルズ監督が撮影を振り返った。

ミルズ監督は、「とても嬉しく、やっと念願が叶った思いです。日本で公開されない限り、この作品は僕の中で終わらなかったので」と念願の日本公開の喜びを語る。そして、「出演してくれた方々は、同じくうつ病で苦しむ他の人たちのために役立ちたい、という思いで協力してくれた、とても勇気ある人たちです。彼らはこの映画で日本のうつをめぐる状況が少しでも変わればと願っていたので、彼らのためにも日本で公開に至って本当に嬉しいです」と語る。

ミルズ監督は出演者の生活に空気のように寄り添い、優しい視線で密着している。出演者は日本人プロデューサー保田卓夫氏がネットを通じて募集したそうで、「実際にインタビューをさせてもらうことになった彼らと会っていくうちに自分の中で感情が湧き始めていた。撮影をしながら彼らと絆を深めていったというよりも、撮影前から彼らの気持ちが伝わってきて、絆を感じた」と、監督と出演者という関係以上の感情を経験したという。

通院や服薬が必要な人がいるなかでカメラを回すことには「人間関係を築くために特別何かを心がけることはしていない。ただ彼らの生活に興味を持ち共感し、決して批判をしなかった。撮影以外でもコミュニケーションの為に大きく時間をつかったわけではない」と話した。

本作は撮影2007年に撮影されたが、その後東日本大震災を経験した日本では変化があり、「震災うつ」という言葉も誕生。そのほか「プチうつ」「SNS疲れ」「新型うつ」など、以前よりも“うつ”ということが身近なってきている。そのような状況を監督に伝えると「僕は専門家ではないが、一つ言えることは落ち込んでもいい。落ち込んではいけないと否定してしまうと、悪化するのではないかな。自分の気持ちを正直に人に伝えていくことはどんな状況においても大切」と持論を述べた。

“人がどうやって決断しどのように生きていくのか”をテーマに描いた「人生はビギナーズ」と本作は兄弟のようなものだといい、自身の作品の大きなテーマとして「常に前向きなことをみつけようということは意識している。“悲しみ、混乱した状況を抜け出していく”ことが作品づくりの大きなテーマ」と語った。

マイク・ミルズのうつの話」は渋谷アップリンクほか全国順次公開。

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