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コラム:FROM HOLLYWOOD CAFE - 第273回

2016年6月7日更新 小西未来

第273回:生みの親はアメコミ映画をどう思う? 93歳のスタン・リーおじいちゃんを直撃!

シビル・ウォー キャプテン・アメリカ」を見ている時、ふいに気付いて驚いたことがある。同作に登場するアイアンマンやキャプテン・アメリカ、ソー、スパイダーマン、ブラック・パンサーといったスーパーヒーローたちのほとんどは、同一人物が生み出したキャラクターなのだ、と。「バットマン vs スーパーマン ジャスティスの誕生」ではおそらく世界でもっともよく知られた2大ヒーローが出ていたけれど、「スーパーマン」の作者ジェリー・シーゲルと、「バットマン」の作者ボブ・ケインはそれぞれ看板漫画を1本ずつしか持っていない。しかし、マーベルの重鎮スタン・リーは、「X-MEN」や「ファンタスティック・フォー」、「デアデビル」などを含め、500人以上ものスーパーヒーローをこの世に送り出しているのだ。

画像1 (C)2016 Marvel All rights reserved.

このたび、そのスタン・リーに取材する機会が巡ってきた。彼のことを知らなくても、マーベル映画に必ずカメオ出演するサングラス姿のおじいちゃんと言えばわかるかもしれない。前回インタビューしたのが、「スパイダーマン」の時だったから、約15年ぶりとなる。当時はまだアメコミ映画は数えるほどしかなかったが、今では1年に複数公開されるのが当たり前になった。この現象に本人も驚いているという。

「かつて自分が関わった作品たちが、まさかこんな形で映画化されるようになるとは夢にも思わなかったよ。私や当時の作家たちはみんな、コミックがそこそこ売れてくれることだけを願っていた。クビにならず、家賃を払い続けられるようにね」

チャールズ・ディケンズやマーク・トウェイン、アーサー・コナン・ドイルの「シャーロック・ホームズ」シリーズが大好きだった彼は、「スーパーマン」が大ヒットしたことがきっかけで、出版社にスーパーヒーローものを執筆するように頼まれたという。

「当時、コミックは子供向けと思われていたから、粗悪なものしかなかった。それで、私は大人向けに書くことにしたんだ。大人が使う語彙もあえて盛り込んだ。子供が理解できなくても、文脈から想像したり、辞書をひいたりしてくれると思ってね。とにかく自分が読みたいと思ったものを書いた。私はそれほど変わった人間じゃないから、他のみんなも気に入ってくれたんだ」

画像3 (C)2016 Marvel All rights reserved. [拡大画像]

さらに、「スーパーマン」がメトロポリス、「バットマン」がゴッサムシティと架空の都市を舞台にしていたのに対し、スタン・リーはニューヨークを物語の舞台に選んだ。執筆時の流行や社会問題を取り入れることで、読者にとってよりリアルな読書体験を提供したのだ。

彼は映画版をどう思っているのだろうか?

「ほとんどは良く出来ていると思う。『アイアンマン』はエッセンスを見事に掴んでいた。ロバート・ダウニー・Jr.を配役できたのは、幸運だったね。『スパイダーマン』の第1作も素晴らしかった。最近の『シビル・ウォー』も、スーパーヒーロー同士を戦わせるなんて、素晴らしいアイデアだ。ただ、正直に告白すると、作品数があまりにも多いんで、あいにく全部を覚えているわけじゃないんだ。自分がカメオ出演した場所だけは明瞭に覚えているんだが(笑)」

画像4 (C)2016 Marvel All rights reserved. [拡大画像]

スタン・リーは御年93歳。難聴と視界不良で映画やテレビ鑑賞が困難になっているというが、その語り口は滑らかでユーモアに溢れている。

まだ映画化されていない原作で、映像化をぜひ見てみたい作品を聞くと、「ドクター・ストレンジ」と「インヒューマンズ」という答えが返ってきた。「ドクター・ストレンジ(原題)」はベネディクト・カンバーバッチ主演で今年公開。「インヒューマンズ」も、映画化準備が進められている。

「この2本が映画化されたら、一通りすべてをクリアしたことになる。私が早く新しい原作を生み出さないと、ネタ切れになってしまうね(笑)」

[筆者紹介]

小西未来

小西未来(こにし・みらい)。1971年生まれ。ゴールデングローブ賞を選考するハリウッド外国人記者協会(HFPA)に所属する、米LA在住のフィルムメイカー/映画ジャーナリスト。「ガール・クレイジー」(ジェン・バンブリィ著)、「ウォールフラワー」(スティーブン・チョボウスキー著)、「ピクサー流マネジメント術 天才集団はいかにしてヒットを生み出してきたのか」(エド・キャットマル著)などの翻訳を担当。2015年に日本酒ドキュメンタリー「カンパイ!世界が恋する日本酒」を監督、16年7月に日本公開を控える。

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