全米映画ランキング : 2020年10月2日~2020年10月4日

「テネット」V5 ディズニー「ホーカス ポーカス」リバイバルが2位に

ニューヨークとロサンゼルスの劇場が再開しないまま10月に入った全米ボックスオフィス。先週末も全体的に低調な興行となり、興収約270万ドルの「TENET テネット」が首位を守り、V5を果たした。

同作の累計は全世界では3億ドルを超えたが、北米ではまだ約4500万ドル。このニューヨークとロサンゼルス抜きの北米興行が予想以上に厳しく、先頃、今年のサンクスギビング合わせの公開から、21年4月へと再度の公開延期が発表された「007 ノー・タイム・トゥ・ダイ」もNY&LAの劇場再開の見込みが立たなければ、「TENET テネット」の二の舞になると踏んで延期を決断したとも言われている。

初登場2位に入ったのは93年のカルトヒット作「ホーカス ポーカス」のリバイバル上映。ベット・ミドラー、サラ・ジェシカ・パーカー、キャシー・ナジミー扮する魔女3姉妹が現代(1990年代)に甦り、子どもたちとのバトルを繰り広げるファンタジーコメディ。今月末のハロウィーンに合わせ、配給のディズニーは2500館以上での公開に踏み切ったが、オープニング興収は約193万ドルにとどまった。

3位はX-MENシリーズのスピンオフ「ニュー・ミュータンツ」。約100万ドルの興収で累計はようやく2000万ドルを突破。4位はラッセル・クロウ主演「Unhinged」。約87万ドルの興収で累計は約1800万ドルに。

ジム・カビーゼル主演のR指定アクションドラマ「Infidel」は前週と変わらず5位。6位には公開40周年でリバイバル上映中の「スター・ウォーズ 帝国の逆襲」、7位にはセレーナ・ゴメス製作総指揮のロマコメ「The Broken Hearts Gallery」が入った。

そして、OP興収約25万ドルで8位デビューとなったのは、鬼才デビッド・クローネンバーグ監督の息子ブランドン・クローネンバーグ監督によるSFスリラー「Possessor Uncut」。脳移植の技術を駆使し他人の身体を操り暗殺の任務を遂行する女性エージェント・テイシアは、米国の大企業のCEOを暗殺する大きな仕事を請け負うが、実際に暗殺を行う「身体」の男性が反乱を起こしたことをきっかけに、精神的、肉体的に追い詰められていく……。主人公テイシアにはアンドレア・ライズボロー。共演にクリストファー・アボット、ジェニファー・ジェイソン・リー、ショーン・ビーン。レビューは上々で、2020年のカルト・ヒット作になる可能性も。

前週7位のドイツ/イタリア合作SFホラー「ストレンジ・ワールド 異世界への招待状」は2つ順位を下げて9位に。初登場10位には、ブルックリンの若いカップルがスマホやPCから離れた環境に身を置く<デジタル断ち>をするため、少しの間ニューヨーク州北部のバンガローを訪れたところ、謎の地球外生命体と遭遇する低予算のR指定SFコメディ「Save Yourselves! 」が滑り込んだ。

今週末はロバート・デ・ニーロ、ユマ・サーマン、クリストファー・ウォーケン、ジェーン・シーモア共演のファミリーコメディ「The War with Grandpa」などが公開される。

2020年10月6日更新 藤井竜太朗

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