アントニオ・ターバー : ウィキペディア(Wikipedia)
アントニオ・ターバー(Antonio Tarver、1968年11月21日 - )は、アメリカ合衆国の元プロボクサー。フロリダ州オーランド出身。「Magic Man」の異名を持つ。元WBAスーパー・WBC・IBF世界ライトヘビー級王者。
来歴
1996年アトランタオリンピックボクシングライトヘビー級に出場し、銅メダルを獲得した(準決勝でワシリー・ジロフに判定負けを喫した)。
1997年2月18日、プロデビュー。
2000年6月23日、全勝のままエリック・ハーディングとIBF世界ライトヘビー級挑戦者決定戦を行うも、プロ初黒星となる12回0-3(111-116×2)の判定負けを喫し、IBF王座への挑戦権の獲得に失敗した。
2002年1月25日、NABF北米・USBA全米ライトヘビー級王者のレジー・ジョンソンとNABF北米・USBA全米同級タイトルマッチを行い、12回2-1(114-113、115-112、112-115)の判定勝ちを収め、NABF王座の獲得に成功、USBA王座の獲得にも成功した。
2002年7月20日、インディアナポリスのコンセコ・フィールドハウスでエリック・ハーディングと対戦し、5回43秒TKO勝ちを収め、2年ぶりの再戦で雪辱を果たした。
2003年4月26日、WBC・IBF世界ライトヘビー級王者ロイ・ジョーンズ・ジュニアの王座返上に伴いモンテル・グリフィンとWBC・IBF世界同級王座決定戦を行い、12回3-0(120-106×3)の判定勝ちを収めWBC・IBF王座の獲得に成功した。IBF王座は防衛戦を行わずに返上した。
2003年11月8日、マンダレイ・ベイ・ホテル&カジノでロイ・ジョーンズ・ジュニアとWBC世界ライトヘビー級タイトルマッチおよびWBA世界同級スーパー王座・IBO世界同級王座決定戦を行うも、12回0-2(114-114、111-117、112-116)の判定負けを喫しWBC王座から陥落、WBAスーパー王座とIBO王座の獲得にも失敗した。
2004年5月15日、マンダレイ・ベイ・ホテル&カジノでWBAスーパー・WBC・IBO世界ライトヘビー級統一王者ロイ・ジョーンズ・ジュニアとダイレクトリマッチによる再戦となるWBAスーパー・WBC・IBO世界同級タイトルマッチおよびIBA世界同級王座決定戦並びにWBF世界同級王座決定戦を行い、2回1分41秒TKO勝ちを収めWBC王座の返り咲きとWBAスーパー王座、IBO王座、IBA王座並びにWBF王座獲得に成功した。2カ月後の同年7月にWBAスーパー王座を返上し、その後グレンコフ・ジョンソンとの対戦を優先しWBC王座は剥奪された。
2004年12月18日、ステイプルズ・センターでグレンコフ・ジョンソンとIBO世界ライトヘビー級タイトルマッチを行うも、12回1-2(116-112、113-115×2)の判定負けを喫し、IBO王座から陥落した。
2005年6月18日、フェデックス・フォーラムでIBO世界ライトヘビー級王者のグレンコフ・ジョンソンとダイレクトリマッチによる再戦となるIBO世界同級タイトルマッチを行い、12回3-0(116-112×2、115-113)の判定勝ちを収めIBO王座の返り咲きに成功、雪辱を果たした。
2005年10月1日、タンパベイ・タイムズ・フォーラムでロイ・ジョーンズ・ジュニアとラバーマッチとなるIBO世界ライトヘビー級タイトルマッチ並びにNBA世界同級王座決定戦を行い、12回3-0(117-111、116-112×2)の判定勝ちを収め、IBO王座の初防衛に成功しNBA王座の獲得に成功した。
2006年6月10日、ボードウォーク・ホールでバーナード・ホプキンスとIBO世界ライトヘビー級タイトルマッチを行うも、12回0-3(109-118、109-118、109-118)の判定負けを喫し、王座から陥落したホプキンス、最終の美?飾る ボクシング総合ポータル「Box-on!」 2006年6月13日。映画『ロッキー・ザ・ファイナル』出演のためヘビー級の体を作り、直後ライトヘビー級に落としたため体調を崩したといわれている。
アメリカで2006年12月に公開された映画『ロッキー・ザ・ファイナル』で世界ヘビー級王者の役を演じた。
2007年6月9日、ハートフォードのコネチカットコンベンションセンターでエルビル・ムリキとIBO世界ライトヘビー級王座決定戦を行い、12回2-0(116-112、115-113、114-114)の判定勝ちを収め3度目となるIBO王座獲得に成功した。
2008年4月12日、タンパベイ・タイムズ・フォーラムでIBF世界ライトヘビー級王者のクリントン・ウッズとIBF・IBO世界同級タイトルマッチを行い、12回3-0(119-109、117-111、116-112)の判定勝ちを収めIBF王座の獲得とIBO王座の2度目の防衛に成功した。
2008年10月11日、パームスでチャド・ドーソンとIBF・IBO世界ライトヘビー級タイトルマッチを行うも、12回0-3(109-118、110-117×2)の判定負けを喫しIBF王座初防衛とIBO王座3度目の防衛に失敗、両王座から陥落したドウソン、ターバーに圧勝 IBF世界L・ヘビー級戦 ボクシング総合ポータル「Box-on!」 2008年10月13日。
2009年5月9日、ハードロック・ホテル&カジノでIBF・IBO世界ライトヘビー級王者のチャド・ドーソンとIBF・IBO世界同級タイトルマッチを行うも、12回0-3(111-117×2、112-116)の判定負けを喫し両王座の返り咲きに失敗した。
2010年10月15日、オクラホマ州オタワ郡のバッファロー・ラン・カジノでナギー・アギレラと対戦し、 3-0(98-92×3)の判定勝ちを収めた。
2011年7月20日、シドニーのシドニー・エンターテイメント・センターでIBO世界ライトヘビー級王者ダニー・グリーンと対戦し、グリーンの9回終了時棄権によるTKO勝ちを収め、IBO王座の4度目の獲得に成功した。
2012年6月2日、カリフォルニア州 ホーム・デポ・センター・テニスコートでラティーフ・カヨデとIBO世界ライトヘビー級タイトルマッチを行い、12回1-1(113-115、115-113、114-114)の判定で引き分けで初防衛となる筈だったのだが、試合後に行われたカリフォルニア州アスレチックコミッション(CSAC)の薬物検査でターバーの体内からアナボリックステロイドの一種であるドロスタノロンが検出され、ターバーは1年間の出場停止とファイトマネー100万ドルから罰金2500ドル(20万円)を科せられ、試合の結果は無効試合へ変更となった。
2013年11月26日、ドーピングによる出場停止処分明けとなる約1年6ヶ月ぶりの復帰戦をヘビー級で行い4回TKO勝利を収める。
2014年3月、ラスベガスのカジノに2億円あまりの借金返済が滞ったとして逮捕される。
2014年9月29日、ジョナソン・バンクスと対戦予定であったが、ターバーが練習中に親指を骨折して試合中止になる。
2014年12月11日、カリフォルニア州で骨折により延期となっていたジョナサン・バンクスと対戦し、7回KO勝利。
2015年6月、元恋人の女性から子供の養育費を支払うよう訴えられていた裁判で、ターバーに2012年から累積している未払いの養育費669,000ドルを支払うよう判決が下された。
2015年8月14日、ニュージャージー州のプルデンシャル・センターでスティーブ・カニンガムとヘビー級12回戦を行い、12回1-1(113-115、115-113、114-114)の引き分けに終わるフック11回KO負けでV14失敗 WBOクルーザー級戦 Boxing News(ボクシングニュース) 2015年8月15日土曜日。しかしターバーから試合前の8月11日に行われたドーピング検査で禁止薬物のテストステロンと5aアンドロスタンジオールの代謝物の陽性反応が、試合当日に行われたドーピング検査でも5aアンドロスタンジオールと5bアンドロスタンジオールの代謝物が検出されていたことが9月18日になって判明した。
2016年1月29日、ターバーが累積している未払いの養育費750,000ドルを支払わなかったため、裁判所はターバーが所有する2010年製ベンツML350(時価19,000ドル相当)やアトランタオリンピックで獲得した銅メダルなどを差し押さえる決定を下した。
2016年2月12日、ニュージャージー州アスレチック管理委員会からスティーブ・カニンガム戦のドーピング違反の件で、ターバーに6ヶ月間の試合出場停止と25万ドル(約2800万円)のファイトマネーから5万ドル(約560万円)の罰金が科せられた。試合日から処分まで約6ヶ月間を要す異例の遅い処分決定となった。
2018年8月、家庭内暴力で逮捕された。ターバーの18歳の義理の息子のアジヤ・テイラーからの通報により、ターバーの自宅に警官が出向いたところ、テイラーが口から血を流していたので事情を聞くと、その日の朝にワッフルハウスで一緒に食事をするが、テイラーが食事代を所持していなかったことにターバーが怒って口論になり、自宅に戻ると体当たりをされて顔を殴られ、ガレージに鍵をかけて閉じ込められたと話したため、ターバーにも事情を聞くが顔を殴ったことを否定して、口からの出血は口論の最中に「つまずいて、転んだ」ときのものと弁明したが、警官はターバーの言い分を信用せず逮捕したとのこと。
2021年4月17日、人気YouTuberジェイク・ポール対元UFCベン・アスクレンの前座で元UFC世界ヘビー級王者フランク・ミアとの対戦が決定するも、50歳以上の選手は過去10年間で10回以上試合を行っていなければならないというジョージア州アスレチックコミッションの規定に抵触し、試合出場が許可されなかった。
戦績
- プロ:39戦 31勝(22KO)6敗 1分 1無効試合
獲得タイトル
- NABF北米ライトヘビー級王座
- USBA全米ライトヘビー級王座
- WBC世界ライトヘビー級王座(1期目:防衛0、2期目:防衛0=剥奪)
- IBF世界ライトヘビー級王座(1期目:防衛0=返上、2期目:防衛0)
- WBA世界ライトヘビー級スーパー王座(防衛0=返上)
- IBO世界ライトヘビー級王座
- IBA世界ライトヘビー級王座
- WBF世界ライトヘビー級王座
- NBA世界ライトヘビー級王座
- IBO世界クルーザー級王座
- NABA北米ヘビー級暫定王座
出演
- ロッキー・ザ・ファイナル(2006年)
関連項目
- 男子ボクサー一覧
- 世界ボクシング協会(WBA)世界王者一覧
- 世界ボクシング評議会(WBC)世界王者一覧
- 国際ボクシング連盟(IBF)世界王者一覧
- 国際ボクシング機構(IBO)世界王者一覧
- 統一世界王者
外部リンク
- ANTONIO TARVER - Premier Boxing Champions
出典:フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 | 最終更新:2025/10/07 15:18 UTC (変更履歴)
Text is available under Creative Commons Attribution-ShareAlike and/or GNU Free Documentation License.