ロジャー・ディーキンス : ウィキペディア(Wikipedia)
ロジャー・アレクサンダー・ディーキンス(Roger Alexander Deakins, CBE、1949年5月24日 - )は、イギリスの映画撮影監督。
経歴
バースのアート・カレッジBath School of Art and Designでグラフィック・デザインを学んでいたが、写真へ転向、National Film and Television Schoolで学ぶ。その後カメラマンやアシスタントとしてドキュメンタリー作品の撮影現場で働く。1975年から劇映画の撮影を手がけるようになり、1990年にはじめてアメリカ映画の撮影に携わる。特に1991年の『バートン・フィンク』以来、『バーン・アフター・リーディング』、『インサイド・ルーウィン・デイヴィス 名もなき男の歌』、『バスターのバラード』以外すべてのコーエン兄弟作品の撮影を手がけており、他にもサム・メンデス、ドゥニ・ヴィルヌーヴなどの監督作品に参加することが多い。
1994年に『ショーシャンクの空に』でアカデミー撮影賞に初ノミネートされて以降、「13回無冠のままノミネート」というジョージ・フォルシーと並ぶ記録を作り上げ、2007年の第80回アカデミー賞では、『ノーカントリー』と『ジェシー・ジェームズの暗殺』の2作品でダブルノミネートされるという、第45回アカデミー賞でロバート・サーティースが成し遂げて以来35年ぶりの快挙を果たしたが、やはり受賞には至らなかった。しかし、14回目のノミネートとなった、2017年の『ブレードランナー 2049』で遂に念願の初受賞を果たし、その僅か2年後には『1917 命をかけた伝令』で2回目となるオスカー受賞を果たした。また、本作で5度目となる英国アカデミー賞 撮影賞を受賞し、同部門における歴代最多受賞の記録を樹立した
長年フィルムによる撮影を行ってきたが、2011年の『TIME/タイム』からデジタルシネマに移行している。
主な作品
- 撮影監督作品
★ … アカデミー撮影賞受賞作品、 ☆ … 同ノミネート作品
- 1984 Nineteen Eighty-Four (1984年)
- シド・アンド・ナンシー Sid and Nancy (1986年)
- 白い炎の女 White Mischief (1987年)
- ストーミー・マンディ Stormy Monday (1988年)
- 愛と野望のナイル Mountains of the Moon (1990年)
- ロング・ウォーク・ホーム The Long Walk Home (1990年)
- バートン・フィンク Barton Fink (1991年)
- 殺人課 Homicide (1991年)
- パッション・フィッシュ Passion Fish (1992年)
- サンダーハート Thunderheart (1992年)
- 秘密の花園 The Secret Garden (1993年)
- 未来は今 The Hudsucker Proxy (1994年)
- ショーシャンクの空に The Shawshank Redemption (1994年) ☆
- デッドマン・ウォーキング Dead Man Walking (1995年)
- ファーゴ Fargo (1996年) ☆
- 戦火の勇気 Courage Under Fire (1996年)
- クンドゥン Kundun (1997年) ☆
- ビッグ・リボウスキ The Big Lebowski (1998年)
- マーシャル・ロー The Siege (1998年)
- ザ・ハリケーン The Hurricane (1999年)
- 地上より何処かで Anywhere But Here (1999年)
- オー・ブラザー! O Brother, Where Art Thou? (2000年) ☆
- バーバー The Man Who Wasn't There (2001年) ☆
- ビューティフル・マインド A Beautiful Mind (2001年)
- ディボース・ショウ Intolerable Cruelty (2003年)
- 砂と霧の家 House of Sand and Fog (2003年)
- レディ・キラーズ The Ladykillers (2004年)
- ヴィレッジ The Village (2004年)
- ジャーヘッド Jarhead (2005年)
- ジェシー・ジェームズの暗殺 The Assassination of Jesse James by the Coward Robert Ford (2007年) ☆
- ノーカントリー No Country for Old Men (2007年) ☆
- ダウト〜あるカトリック学校で〜 Doubt (2008年)
- レボリューショナリー・ロード/燃え尽きるまで Revolutionary Road (2008年)
- 愛を読むひと The Reader (2008年) ☆ ※クリス・メンゲスと連名
- シリアスマン A Serious Man (2009年)
- トゥルー・グリット True Grit (2010年) ☆
- カンパニー・メン The Company Men (2011年)
- TIME/タイム In Time (2011年)
- 007 スカイフォール Skyfall (2012年) ☆
- プリズナーズ Prisoners (2013年) ☆
- 不屈の男 アンブロークン Unbroken (2014年) ☆
- ボーダーライン Sicario (2015年) ☆
- ヘイル、シーザー! Hail, Caesar! (2016年)
- ブレードランナー 2049 Blade Runner 2049 (2017年) ★
- ザ・ゴールドフィンチ The Goldfinch (2019年)
- 1917 命をかけた伝令 1917 (2019年)★
- エンパイア・オブ・ライト Empire of Light (2022年)
- ヴィジュアル・コンサルタント作品
- WALL・E WALL-E (2008年)
史上最高の映画ベスト10
2013年に彼が選んだ「史上最高の映画ベスト10」を記した手書きのメモが公開された。
- 1位『ワイルドバンチ』(サム・ペキンパー監督)
- 2位『炎628』(エレム・クリモフ監督)
- 3位『甘い生活』(フェデリコ・フェリーニ監督)
- 4位『博士の異常な愛情』(スタンリー・キューブリック監督)
- 5位『サムライ』(ジャン=ピエール・メルヴィル監督)
- 6位『影の軍隊』(ジャン=ピエール・メルヴィル監督)
- 7位『ウエスタン』(セルジオ・レオーネ監督)
- 8位『若者のすべて』(ルキノ・ヴィスコンティ監督)
- 9位『さすらいの二人』(ミケランジェロ・アントニオーニ監督)
- 10位『パリ、テキサス』(ヴィム・ベンダース監督)
参考文献
外部リンク
出典:フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 | 最終更新:2024/12/17 14:02 UTC (変更履歴)
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