和田登 : ウィキペディア(Wikipedia)

和田 登(わだ のぼる、1936年1月1日 - 2025年2月4日)は、日本の作家・児童文学作家。信州児童文学会事務局長・編集委員。

来歴・人物

長野県長野市生まれ。信州大学教育学部卒業。

1956年大学時代の仲間で親友はまみつを、高橋忠治らと児童文学同人誌「とうげの旗」を創刊。1959年より公立小学校の教師を31年間務めるかたわら、1966年「虫」で第1回日本児童文学者協会短編賞を受賞し児童文学作家となる。1977年、松代大本営設営に駆り出された朝鮮人を描いた『悲しみの砦』で第1回塚原健二郎文学賞。2005年「武器では地球を救えない」で産経児童出版文化賞受賞。

反戦・反差別の立場からする児童文学のほか、人物伝、怪奇もの、児童向けSFなどを多く執筆、中山晋平の伝記を何度か書いている。1987年から挿絵の多くを和田春奈が描いている。

2011年4月1日より、寺島俊治の後任として黒姫童話館館長に就任(2017年3月31日付で退任)。

著書

  • 『昆虫人間の朝 童話集』(信濃教育会出版部) 1966
  • 『木の上のちっちゃな宇宙船』(岩崎書店) 1969、のち文研出版(なかよしえどうわ) 1977
  • 『ちいさこべのふえ』(岩崎書店) 1972
  • 『望月の駒』(信濃毎日新聞社、童話・信濃のむかし) 1974
  • 『きみょうなおくりもの』(北川幸比古編、文研出版、現代のぐうわ 1(SF編)) 1974
  • 『川中島の兵火』(信濃毎日新聞社) 1975、のち改題『川中島戦国百姓伝』(総和社) 2007
  • 『夜明けの少年』(アリス館牧新社) 1976.11
  • 『悲しみの砦』(岩崎書店) 1977.7、のちフォア文庫
  • 『てんりゅうの灯』(そしえて) 1979.12
  • 『からねこさま』(国土社、国土社の創作えほん) 1979.1
  • 『青い目の星座』(岩崎書店) 1980、のち改題『想い出のアン』 1984
※「想い出のアン」の題で映画化。
    • 『舞台再訪 映画 想い出のアン』(郷土出版社) 1986.7
  • 『つる三五郎』(講談社) 1980.2
  • 『十二歳の旅立ち』(講談社) 1981.2、のち青い鳥文庫
    • 『十二歳の岸辺で』(講談社) 1981、のち青い鳥文庫
  • 『魔女とめがね』(岩崎書店) 1981.9
  • 『じてんしゃにのったカマキリ』(PHP研究所、こころの幼年童話) 1981.11
  • 『白いことりがきたよ』(新日本出版社、新日本おはなし文庫) 1983.3
  • 『キムの十字架 松代大本営地下壕のかげに』(ほるぷ出版) 1983.8、のち明石書店
※劇場アニメ化
    • 『「キムの十字架」への旅』(信濃毎日新聞社) 1991.1
    • 『キムの十字架の発見 - 戦争と民族を書きつぐ旅』(かもがわ出版) 2010.11
  • 『ヤーフーがやってきた』(学校図書) 1983.1
  • 『ねこにもよろしくね』(新日本出版社) 1985.10
  • 『スンガリー川の姉妹』(ほるぷ出版) 1986.3
  • 『図録・松代大本営 幻の大本営の秘密を探る』(編著、郷土出版社) 1987.7
    • 『松代大本営』(岩波ブックレット) 1991.7
  • 『ピーターのばらの秘密』(講談社) 1988.8
  • 『アンネのばら咲くとき』(岩崎書店) 1989.2
  • 『一ねん二くみキンギョにへんしん!』(草炎社) 1991.10
  • 『カレーライスマーチ』(新日本出版社) 1992.4
  • 『先生のぼうしかりちゃった』(くもん出版) 1992.7
  • 『さようなら、妖精アッチー』(岩崎書店) 1992.12
  • 『超能力少年ジュンの秘密』(文渓堂) 1993.11
  • 『ほけん室のちーちゃん』(新日本出版社) 1993.2
    • 『ネコまんがのほけん室』(新日本出版社) 1995.5
  • 『旧満州開拓団の戦後 証言昭和史の断面』(岩波ブックレット) 1993.7
  • 『UFOにのってきた青い犬の秘密』(草炎社) 1993.2
  • 『アルプス発夕映えのギター』(PHP研究所) 1995.11
  • 『少年の森の物語』(佼成出版社) 1995.12
  • 『過去からとどいた手紙』(岩崎書店) 1995.12
  • 『クラスメイトは宇宙人?』(PHP研究所) 1996.12
  • 『吸血鬼がそこにいる』(PHP研究所) 1996.10
  • 『エンジェルがとんだ日』(原案:山田火砂子、学習研究社) 1996.9
※劇場アニメ作品のノベライズ
  • 『ぬけだした肖像画 青いリボンの少女の謎』(PHP研究所) 1997.3
  • 『恐怖の人形』(PHP研究所) 1997.10
  • 『ゆうれい家族』(PHP研究所) 1998.1
  • 『魔界の使者コウモリ男』(PHP研究所) 1998.4
  • 『ごめんね、ピーくん』(新日本出版社、風の文学館) 1999.12
  • 『悲しすぎる夏』(文溪堂) 2000.7
  • 『しあわせ配達犬ミルク』(PHP研究所、未知へのとびらシリーズ) 2000.1
  • 『ぼくらの心は国境を越えた 地雷ゼロへの願い』(岩崎書店) 2002.6
  • 『泣かないでマンドリン Summer challenge』(文溪堂) 2002.4
  • 『民話の森・童話の王国 信州ゆかりの作家と作品』(オフィスエム) 2002.3
  • 『悲しみを喜びに変えた信州人 希望駅への旅人たち』(信濃毎日新聞社) 2004.3
  • 『ベネチアの黒猫 暗号Pの壮大なお受験』(総和社) 2004.2
  • 『人間になりたかった猫 5分で読める41編のメルヘン』(総和社) 2006.1
  • 『踊りおどろか「憲法音頭」その消えた謎の戦後』(本の泉社) 2006.7
  • 『猫のラーメン屋 5分で読める41編のメルヘン』(総和社) 2007.6

「恐竜公園」シリーズ

  • 『恐竜公園 UFO着陸事件』(PHP研究所、PHP創作シリーズ) 1993.10
  • 『恐竜公園 なぞの幽霊事件』(PHP研究所) 1994.7
  • 『恐竜公園 ナイババ超能力の指輪事件』(PHP研究所) 1995.7
  • 『恐竜公園 ふしぎな誘拐事件』(PHP研究所) 1995.3
  • 『恐竜公園 (秘)予言ノート事件』(PHP研究所) 1996.2
  • 『恐竜公園 花子さん怪事件』(PHP研究所) 1997.1

「信州むかし語り」

  • 『妖怪変化の話』 (しなのき書房、信州むかし語り 1) 2011.1
  • 『動物たちの話』 (しなのき書房、信州むかし語り 3) 2011.9
  • 『ふしぎな話』 (しなのき書房、信州むかし語り 5) 2012.4

伝記

  • 『星空のバイオリン 夢の音色をおいつづけた小沢僖久二』(PHP研究所) 1982.3
  • 『望郷 中国残留孤児の父・山本慈昭』 (イラスト・こさか しげる、くもん出版、くもんのノンフィクション・愛のシリーズ) ) 1987.9
※第34回青少年読書感想文全国コンクール 課題図書
    • 『望郷の鐘 中国残留孤児の父・山本慈昭』(イラスト・和田 春奈、しなのき書房) 2013.8
※「山本慈昭 望郷の鐘 満蒙開拓団の落日」の題で映画化。
  • 『恐竜公園たんじょう物語 情熱とロマンの人・小島武彦』(PHP研究所) 1992.12
  • 『スキーに生きる 猪谷六合雄と千春の長い旅』(ほるぷ出版) 1992.11
  • 『中山晋平』(郷土出版社、信濃の伝記シリーズ) 1993.4
  • 『いつもUFOのことを考えていた UFOライブラリー・荒井欣一さん訪問記』(文渓堂) 1994.6
  • 『「スーホの白い馬」への旅 世界は友達・エスペランチスト山本辰太郎』(PHP研究所) 1994.7
  • 『栄光へのシュプール 猪谷千春物語』(岩崎書店、アニメ童話) 1997.8
※劇場アニメ化
  • 『まばたきの天使 わたしの水野源三』(日本基督教団出版局) 1998.6
  • 『石井のおとうさんありがとう 石井十次の生涯』(総和社) 2004.7
※映画のノベライズ
  • 『武器では地球を救えない エスペラント語をつくったザメンホフの物語』(文溪堂) 2004.12
  • 『いのち短し恋せよ少女 小説中山晋平』(総和社) 2005.10
  • 『唄の旅人 中山晋平』(岩波書店) 2010.2

関連項目

  • 日本の小説家一覧
  • 児童文学作家一覧

外部リンク

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