柳沢きみお : ウィキペディア(Wikipedia)

柳沢 きみお(やなぎさわ きみお、本名:柳澤 公夫〈読み方は同じ〉、1948年9月26日 - )は、日本の漫画家。新潟県五泉市出身。代表作に『翔んだカップル』『特命係長 只野仁』など。

来歴

新潟県五泉市の資産家の家庭に生まれ、小学校の低学年の頃より漫画家を目指す。新潟県立村松高等学校卒業、和光大学人文学部芸術学科を中退。1970年に「週刊少年ジャンプ」第51号(12月14日号)掲載『ズンバラビン』でデビュー。とりいかずよしのアシスタントを務めたのち、1972年、『負けるな紀三郎』で第4回手塚賞佳作を受賞(「週刊少年ジャンプ」1973年第1号(1月1日号)掲載、ここまで柳沢公夫名義)。 翌1973年より1975年まで「週刊少年ジャンプ」で『女だらけ』を、1975年12月より1976年4月まで『温泉ボーイ』を連載。

その後はフリーランスになり、『温泉ボーイ』が終了した翌月の1976年5月から「週刊少年チャンピオン」で『月とスッポン』を連載開始。さらに1977年から『すくらんぶるエッグ』(「週刊少年キング」)と『ミニぱと』(「月刊少年チャンピオン」)を連載。ここまではとりいかずよしの延長線上にある、美少女と冴えない少年の青春ギャグ漫画が基本的な作風だったが、1978年からリアルな青春描写を取り入れた『翔んだカップル』(「週刊少年マガジン」)を連載開始。映画化、テレビドラマ化もされる大ヒットとなり、ラブコメ漫画家として人気を得る。ピーク時は週刊少年誌3誌と月刊少年誌1誌で連載を持った。

『翔んだカップル』以降は絵柄が大きく変化し、青年誌や男性週刊誌を中心に活動。『妻をめとらば』『男の自画像』『DINO』『100%』などがヒットする。1990年より連載のエッセイ的漫画『大市民』シリーズは複数の雑誌をまたいだロングランとなった。1998年には「週刊現代」で『特命係長 只野仁』を連載。映画・ドラマ化された。

2011年には自身の漫画家人生を振り返る自伝『なんだかなァ人生』を出版。

青年誌へ移ってからは、中年世代のミッドライフ・クライシスを描きつつもエンタテインメントに徹した作風だが、嗜好としては情念や哀愁を伴うペーソスやユーモアを重視している。そのため、同業者ではつげ義春ジョージ秋山小林まことの三人を評価し、敬意を表している。

2022年、漫画家生活50周年記念として『柳沢きみお大全集』の電子書籍が配信開始。

作品リスト

単行本

  • これで兄妹
  • 女だらけ
  • 温泉ボーイ
  • 月とスッポン
  • 正平記
  • ミニぱと
  • 薔薇美少女
  • すくらんぶるエッグ
  • 翔んだカップル・シリーズ
  • Good Girl
  • 朱に赤
  • 羽なしティンカー・ベル
  • あ!MYみかん
  • スターズ
  • 瑠璃色ゼネレーション
  • 100%
  • 妻をめとらば
  • 大市民・シリーズ
  • 寝物語
  • 愛人
  • SEWING
  • 青き炎
  • DINO
  • 男の自画像
  • 俺にもくれ
  • おいしい水
  • SHOP自分
  • 自分が好き
  • 東京BJ
  • 未望人
  • 形式結婚
  • 極悪貧乏人
  • 夜に蠢く
  • 流行唄
  • 特命係長 只野仁
  • 特命女子アナ 並野容子
  • 市民ポリス69
  • 悪の華
    • 闇華(続・悪の華)
  • 大好き愛せない
  • スーパーレディ
  • 魔天使 小夜子

エッセイ集

  • マンガの方法論 おれ流 柳沢的マンガの創り方(2010年、朝日新聞出版) ISBN 9784022140524
  • なんだかなァ人生(2011年、新潮社) ISBN 4103316713

CM

  • NTT-BJ・タウンページTVCM『病院・医院編』(2010年) - 石原良純とのコラボアニメCM

師匠

  • とりいかずよし

アシスタント

外部リンク

出典:フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 | 最終更新:2024/03/13 00:03 UTC (変更履歴
Text is available under Creative Commons Attribution-ShareAlike and/or GNU Free Documentation License.

「柳沢きみお」の人物情報へ