パスカル・キニャール : ウィキペディア(Wikipedia)

パスカル・キニャール(Pascal Quignard、1948年4月23日 - )は、フランスの小説家である。

経歴

1948年、ウール県ヴェルヌイユで生まれた。父方は代々オルガン奏者の家系で、母方は文法学者の家系。

大学ではエマニュエル・レヴィナスのもとで哲学を学ぶ。1977年からガリマール社の出版選考に携わり、1994年に退社してからは執筆に専念。

16世紀の詩人モーリス・セーヴの研究者で、古典文学や音楽、美術についてのエッセイを執筆。小説「めぐり逢う朝」(’91年)はアラン・コルノー監督により映画化されヒットした。2000年に『ローマのテラス』にてアカデミー・フランセーズ賞、2002年「さまよえる影」でゴンクール賞を受賞、2017年アンドレ・ジッド賞を受賞した。

代々続くオルガン製作者の家系に生まれ、音楽にも親しむ。チェリストとして鳴らし、1990〜94年ミッテラン大統領の要請により、ベルサイユ・バロックオペラ音楽祭の運営委員長を務めた。

受賞歴

  • アカデミー・フランセーズ賞 2000年 (Terrasse à Rome(『ローマのテラス』)に対して)
  • ゴンクール賞 2002年(Les Ombres errantes(『さまよえる影』)に対して)

日本語訳された作品

  • 『めぐり逢う朝』 高橋啓訳 早川書房 1992
  • 『音楽のレッスン』 吉田加南子訳 河出書房新社 1993
  • 『ヴュルテンベルクのサロン』 高橋啓訳 早川書房 1993
  • 『シャンボールの階段』 高橋啓訳 早川書房 1994
  • 『アルブキウス』 高橋啓訳 青土社 1995
  • 『アメリカの贈りもの』ハヤカワ文庫、高橋啓訳 早川書房 1996
  • 『音楽への憎しみ』 高橋啓訳 青土社 1997
  • 『舌の先まで出かかった名前』 高橋啓訳 青土社 1998
  • 『辺境の館』 高橋啓訳 青土社 1999
  • 『アプロネニア・アウィティアの柘植の板』 高橋啓訳 青土社 2000
  • 『ローマのテラス』 高橋啓訳 青土社 2001
  • 『さまよえる影』 高橋啓訳 青土社 2003
  • 『アマリアの別荘』 高橋啓訳 青土社 2010
  • 『秘められた生』小川登美里 水声社 叢書フィクションの楽しみ 2013
パスカル・キニャール・コレクション(水声社)
  • 『さまよえる影たち』 小川美登里・桑田光平訳 2017 ISBN 978-4-80-100223-4
  • 『いにしえの光』 小川美登里訳 2016 ISBN 978-4-80-100221-0
  • 『落馬する人々』 小川美登里訳 2018 ISBN 978-4-8010-0225-8
  • 『約束のない絆』 博多かおる訳 2016 ISBN 978-4-80-100222-7
  • 『謎 キニャール物語集』 小川美登里訳 2017 ISBN 978-4-80-100224-1
  • 『涙』 博多かおる訳 2018 ISBN 978-4-8010-0226-5
  • 『静かな小舟』 小川美登里訳 2018 ISBN 978-4-80-100227-2
  • 『音楽の憎しみ』 博多かおる訳 2019 ISBN 978-4-8010-0228-9
  • 『はじまりの夜』 大池惣太郎訳 2020 ISBN 978-4-8010-0229-6
  • 『死に出会う思惟』 千葉文夫訳 2021 ISBN 978-4-8010-0230-2
  • 『ル・アーヴルから長崎へ』 小川美登里訳 2021 ISBN 978-4-8010-0559-4
  • 『ダンスの起源』 桑田光平・堀切克洋・パトリック・ドゥヴォス訳 2021 ISBN 978-4-8010-0231-9
  • 『深淵』 村中由美子訳 2022 ISBN 978-4-8010-0232-6

著書

  • L'être du balbutiement, 1969
  • Alexandra de Lycophron, 1971
  • La Parole de la Délie, 1974
  • Écho, 1975
  • Sang, 1976
  • Hiems, 1977
  • Sarx, 1977
  • Les Mots de la terre, de la peur et du sol, 1978
  • Inter aerias fagos, 1979
  • Sur le défaut de terre, 1979
  • Le Secret du domaine, 1980
  • Le Vœu de silence, 1985
  • Une Gêne technique à l'égard des fragments, 1986
  • Le Lecteur, 1976
  • Carus, 1979
  • Les Tablettes de buis d'Apronenia Avitia(『アプロネニア・アウィティアの柘植の板』), 1984
  • La leçon de musique(『音楽のレッスン』), 1987
  • Petits traités, 1990
  • Albucius(『アルブキウス』), 1990
  • Le Sexe et l'Effroi, 1994
  • Rhétorique spéculative, 1995
  • La Haine de la musique(『音楽への憎しみ』), 1996
  • La Frontière(『辺境の館』), 1998
  • Le Lecteur, 1976
  • Le Salon du Wurtemberg(『ヴュルテンベルクのサロン』), (Paris: Gallimard, 1986)
  • Les Escaliers de Chambord(『シャンボールの階段』), 1989
  • [[:en:Tous les matins du monde]](『めぐり逢う朝』), (Paris: Gallimard, 1991)
  • Vie secrète, 1998
  • Le Nom sur le bout de la langue(『舌の先まで出かかった名前』), 1993
  • L'Occupation américaine, 1994
  • Le sexe et l'effroi, 1994
  • Les septante, 1994
  • L'amour conjugal, 1994
  • Rhétorique spéculative, 1996
  • Vie secrète, 1998
  • Terrasse à Rome(『ローマのテラス』), 2000
  • Tondo, 2002
  • Le Dernier Royaume
    • I: Les ombres errantes(『さまよえる影』) (Paris: Gallimard, 2002)
    • II: Sur le jadis (Paris: Gallimard, 2002)
    • III: Abîme (Paris: Gallimard, 2002)
    • IV: Les paradisiaques, 2005
    • V: Sordidissimes, 2005
  • Villa Amalia(『アマリアの別荘』), 2006

参考文献

出典:フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 | 最終更新:2022/10/17 15:21 UTC (変更履歴
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