萩田光雄 : ウィキペディア(Wikipedia)
萩田 光雄(はぎた みつお、1946年6月16日 - )は、日本の作曲家、編曲家、音楽プロデューサー。静岡県出身。血液型A型。
来歴
疎開先の福島県信夫郡信夫村(現在の福島市)で生まれた。戦後、そこから一家は東京に戻ろうとしたが、まだ焼け野原だったため、埼玉県浦和に引っ越す『ヒット曲の料理人 編曲家萩田光雄の時代』リットーミュージック、2018年6月11日、ISBN 484563208X、ISBN 978-4845632084、pp.10-25。。
両親はともに静岡の生まれで、家業は電子部品を作る会社の経営で、家は東京の大森にあった。
父は音楽には興味はなかったが、母は琴を弾き、11才年の離れた兄は、自分で電蓄を作り、ベートーヴェンやモーツァルトのレコードを聴いていた。上の姉はピアノを習っていたので、自宅にはピアノがあったが、幼少期の音楽体験はなかった「作家で聴く音楽」 萩田光雄 2020年3月22日閲覧。。
中学校に入りブラスバンドの応援で打楽器を担当し、その後正式部員となり3年に進級する際、先生から「(管楽器の)トランペットとホルンとチューバの欠員が出たので、どれかやってみないか」と言われ、チューバだけ音が出せたので、担当した。このとき、低音楽器のチューバを担当したことが後のアレンジに活きたという。
父の経営している会社に入るつもりだったので、慶應義塾志木高等学校を卒業後、慶應義塾大学工学部電気科を進学するも、在学中も音楽三昧だったので、途中で跡継ぎに進むことは考えなくなり、そのまま卒業する。大学在学中にはクラシカルギタークラブに在籍していた。
音楽の道に進もうと決めたのは22歳の頃に、ある音楽雑誌が主催する作曲コンクールに応募し、一等賞をもらったことがきっかけである。
その後、「オーケストラみたいなことがやりたいので専門知識を勉強しよう」と、24歳の時にヤマハ音楽振興会の作・編曲教室に入学した。修了後ヤマハに勤務し、ポピュラーソングコンテストの応募作品のミキシングなどの仕事をする。
1973年、高木麻早の「ひとりぼっちの部屋」で編曲家としてデビューした。1975年に布施明の「シクラメンのかほり」と、翌1976年に梓みちよの「メランコリー」で日本レコード大賞編曲賞を2年連続で受賞した。
1988年頃から1994年頃まで萩田光男(読み同じ)の表記で活動していた。
「薮田光雄」の誤字もしばしば見受けられる。
ディスコグラフィ
アルバム
- SECRET LOVE(東芝EMI、1976年)
- 2013年11月27日にタワーレコード限定で再発売された。
- 音の魔術師/作編曲家・萩田光雄の世界(ヴァリアス、2021年)
- 2021年11月24日に発売される、作編曲集
主な編曲作品
あ行
- 浅香唯
- Believe Again
- Melody
- 浅野ゆう子
- ハッスルジェット
- LOVE BEAT 3-3-7(編曲のみならず、作曲も担当)
- ムーンライト・タクシー(筒美京平、およびサディスティックスとの共同編曲)
- オー!ミステリー
- 梓みちよ
- メランコリー(第18回日本レコード大賞・編曲賞受賞。「第27回NHK紅白歌合戦」歌唱曲)
- あみん
- 待つわ(「第33回NHK紅白歌合戦」歌唱曲。なお、セルフカヴァーの『待つわ'07』も同じく萩田のアレンジ)
- 琥珀色の想い出
- 未来へのたすき(NHK「ラジオ深夜便」深夜便の歌(2008年7~9月))
- 亜蘭知子
- Wait Forever
- 荒木由美子
- 横須賀レイニーブルー
- ミステリアス チャイルド
- 春の妖精(テレビ朝日系ドラマ『燃えろアタック』挿入歌)
- グッド・バイ・ジゴロ
- Lの悲劇
- 愛しかないのに
- 五十嵐浩晃
- 夏が終わるまえに
- 愛のために僕が出来ること
- 石川ひとみ
- 恋
- いしだあゆみ
- 六本木ララバイ
- バレンタイン・デー
- 黄昏どき
- 哀愁の部屋
- ウィンター・コンサート
- そしてベルが鳴る
- ひとり旅《以下、細野晴臣との共同編曲》
- ダンシング
- 真夜中のアマン
- ムーン・ライト
- バイ・バイ・ジェット
- 石野真子
- ジュリーがライバル
- 稲垣潤一
- ブルージン・ピエロ
- 1ダースの言い訳
- 心からオネスティー
- メリークリスマスが言えない
- セカンド・キス
- リワインド
- それぞれの渚《シングル曲ではないが、萩田が作曲・編曲を担当》
- あなたがすべて
- マラソンレース
- 彼女は、BLOOD TYPE B
- 短くも美しく燃えて
- 岩崎宏美
- 二重唱 (デュエット)
- 悲恋白書
- スローな愛がいいわ
- すみれ色の涙
- れんげ草の恋
- 檸檬
- 素敵な気持ち
- 真珠のピリオド
- 未完の肖像
- 決心
- HO
- 想い出がいっぱい
- 太田裕美
- 雨だれ
- たんぽぽ
- 夕焼け
- 木綿のハンカチーフ(「第27回NHK紅白歌合戦」歌唱曲)
- 赤いハイヒール
- 最後の一葉
- しあわせ未満
- 恋愛遊戯
- 恋人たちの100の偽り
- 失恋魔術師
- やあ!カモメ(TBSテレビドラマ「やあ!カモメ」主題歌)
- 南風 - SOUTH WIND -(「第31回NHK紅白歌合戦」歌唱曲)
- 黄昏海岸
- さらばシベリア鉄道
- 神様のいたずら
- 大場久美子
- エトセトラ(作曲、編曲)
- キラキラ星あげる(TBSテレビドラマ「コメットさん」主題歌)
- スプリング・サンバ
- フルーツ詩集(作曲、編曲)
- 岡田有希子
- ファースト・デイト
- 恋のダブルス
- 丘の上のハイスクール
- 憧れ
- Plastic Girl
- ソネット
- -Dreaming Girl- 恋、はじめまして
- 岡崎律子
- 悲しい自由
- 恋が、消えてゆく
- 青い砂時計
- 最愛
- 夕暮れの帰り道
- 岡村孝子
- 風は海から
- 今日も眠れない
- 迷路
- 電車
- TODAY
- 天使たちの時 〜Time of the Angels〜
- 笑顔にはかなわない
- Winter Story
- 明日の幸せ
- Time and again
- 天晴な青空
- 心のフレーム
- 春色のメロディー
- 銀色の少女
- IDENTITY
- 小川知子
- ひとつ屋根の下で(TBSテレビドラマ「家族」主題歌)
- 小川範子
- 涙をたばねて(小川範子のデビュー曲)
- 永遠のうたたね
- 尾崎紀世彦
- 故郷へ帰ろう
- 帰り来ぬ青春
- タワーリング・インフェルノ(愛のテーマ)
- 哀しみの追跡
- 象牙のナイフ
- 長距離急行
- サングリア-真昼の夢-
か行
- 柏原芳恵
- ちょっとなら媚薬
- Blue Honeymoon
- 夏模様
- 坂道
- カム・フラージュ
- 雪
- 春ごころ
- 二杯目からのはじまり
- 黄昏のダイアリー
- 青春譜
- 美少女党
- くちびるかんで純愛
- 夏の夜は一度ほほえむ
- Stranger
- シャワーの下で
- 愛を知るまで眠らせないで
- 河合奈保子
- 北駅のソリチュード
- ジェラス・トレイン
- ラヴェンダー・リップス
- 涙のハリウッド
- 北川大介
- 愛してる…激しく
- ブルーな街角
- 北岡夢子
- 憧憬
- 恋心
- 北原佐和子
- 土曜日のシンデレラ
- モナリザに誘惑
- 夢で逢えたら
- 砂に消えた涙
- 久保田早紀
- 異邦人 -シルクロードのテーマ-
- ほか
- クミコ
- さよならを 私から
- 黒沢年男
- 時には娼婦のように
- 桑江知子
- 私のハートはストップモーション
- ブルーブルーアイランド
- 永遠(エテルナ)の朝
- 小泉今日子
- 春風の誘惑
- 郷ひろみ
- 帰郷/お化けのロック
- 禁猟区
- マイレディー(「第30回NHK紅白歌合戦」歌唱曲)
- セクシー・ユー (モンロー・ウォーク)
- タブー(禁じられた愛)
- How many いい顔
- 若さのカタルシス
- 未完成
- 小坂恭子
- 恋の足跡
- 小林明子
- 恋におちて -Fall in love-
- 小林幸子
- 幸せ
- 越後に眠る
- 星に抱かれて
- 小柳ルミ子
- 夢追い列車
- 雨…
- スペインの雨
- 来夢来人
さ行
- 西城秀樹
- ブーメランストリート
- セクシーロックンローラー
- ブーツをぬいで朝食を
- アイムチャンピオン(『ブルースカイ ブルー』収録曲)
- 勇気があれば
- ミスティー・ブルー
- 33才
- ウルフ(アルバム『Feeling Free』収録曲)
- 酒井法子
- お願いダーリン
- 男のコになりたい
- 坂上香織
- レースのカーディガン
- 赤いポシェット
- 友達になりたい
- 蜜の月
- 海を見てる少女
- 夏休み
- 明日吹く風
- 風をあつめて
- ソバカスのある少女
- 榊原郁恵
- 太陽のバカンス
- イエスタディ ドリーマー
- 桜田淳子
- サンタモニカの風
- 清水由貴子
- 明日草
- Sherry
- Adesso e Fortuna 〜炎と永遠〜(OVA 『ロードス島戦記』 オープニング曲)
- 風のファンタジア(OVA 『ロードス島戦記』 エンディング曲)
- ジャッキー吉川とブルー・コメッツ
- 恋の星座
た行
な行
- 永井真理子
- 揺れているのは
- 中島みゆき
- 夜風の中から
- ひとり上手
- 雪
- バス通り
- 見返り美人
- 中森明菜
- 少女A
- セカンド・ラブ
- の神話
- トワイライト -夕暮れ便り-
- 禁区(「第34回NHK紅白歌合戦」歌唱曲)
- 飾りじゃないのよ涙は
- 他多数
- 中山美穂
- 「C」
- BE-BOP-HIGHSCHOOL
- 夏木マリ
- ウィング(「Gメン'75」エンディングテーマ)
- 西田あい
- My Story
- 帰郷 ~ いまでもクスノキの下で ~
- 西村知美
- 夢色のメッセージ
- シンフォニーの風
は行
- 橋幸夫
- 恋せよカトリーヌ
- 花咲ゆき美
- 哀愁本線
- 冬恋花
- 冬の蛍
- 海鳥哀歌
- 港わかれ雪
- 早見優
- Love Light
- 原真祐美
- Bye,Bye,September
- 藤井香愛
- その気もないくせに
- 純情レボリューション
- うらはら
- 藤谷美和子・大内義昭
- 愛が生まれた日(「第45回NHK紅白歌合戦」歌唱曲)
- 布施明
- シクラメンのかほり(「第17回日本レコード大賞」受賞・「第26回NHK紅白歌合戦」歌唱曲」)
- 傾いた道しるべ
- V6
- TAKE ME HIGHER(ストリングス・アレンジ)
- Project DMM
- ウルトラマン・ベストヒットメドレー!
- ペドロ&カプリシャス
- カリブの夢
- 堀ちえみ
- リ・ボ・ン
- 堀江美都子
- 夕焼けのふたり
- アイツと私
ま行
- 松田聖子
- 哀しみのボート (岡本更輝 名義)
- 松原みき
- THE WINNER
- 松本伊代
- 恋のバイオリズム
- ビリーヴ
- MIO(現・MIQ)
- MEN OF DESTINY
- 三田寛子
- 駈けてきた処女(おとめ)
- 野菊いちりん
- 少年たちのように
- 南沙織
- 想い出通り
- 哀しい妖精(「第27回NHK紅白歌合戦」歌唱曲)
- 街角のラブソング(「第28回NHK紅白歌合戦」歌唱曲)
- 南野陽子
- さよならのめまい
- 風のマドリガル
- 接近 (アプローチ)
- 楽園のDoor
- 話しかけたかった
- パンドラの恋人
- 秋のIndication(作曲、編曲)
- はいからさんが通る
- 吐息でネット。
- あなたを愛したい(作曲、編曲)
- 秋からも、そばにいて
- 涙はどこへいったの
- トラブル・メーカー
- 他多数
や行以降
- やしきたかじん
- 未練〜STILL〜
- 安田成美
- 風の谷のナウシカ
- 泰葉
- 水色のワンピース
- 山口百恵
- 白い約束
- 愛に走って
- 横須賀ストーリー(「第27回NHK紅白歌合戦」紅組トップ歌唱曲)
- 初恋草紙
- 夢先案内人
- イミテイション・ゴールド(「第28回NHK紅白歌合戦」歌唱曲)
- 秋桜
- 乙女座 宮
- プレイバックPart2(「第29回NHK紅白歌合戦」紅組トリ歌唱曲)
- 絶体絶命
- 美・サイレント
- 愛の嵐
- 愛染橋
- ロックンロール・ウィドウ
- さよならの向う側
- 一恵
- 歌い継がれてゆく歌のように by 百恵白書
- I Came From 横須賀 by 百恵白書
- ザ・リリーズ
- 水色のときめき
- 好きよキャプテン
- いじわる時計
- 初恋にさよなら
- 妖精たち
- 小さな恋のメロディ
- 冬日記
- オレンジマーマレード
- 夕焼けメモリー
- 渡辺典子
- 少年ケニヤ(東映アニメ映画「少年ケニヤ」)
- 晴れ、ときどき殺人(東映映画「晴れ、ときどき殺人」主題歌)
主な作曲作品
- 大場久美子
- エトセトラ
- フルーツ詩集
- 桜田淳子
- サンタモニカの風
- しばたはつみ
- 化石の荒野
- 中森明菜
- 明菜から……。
- 南野陽子
- 秋のIndication
- あなたを愛したい
- 本田美奈子
- 祈り
- ザ・リリーズ
- 初恋にさよなら
音楽担当作品
映画
- 化石の荒野(1982年)
- みゆき(1983年)
- はいからさんが通る(1987年)
アニメ
- 綿の国星(1984年)
- 巨神ゴーグ(1984年)
- ロードス島戦記 OVA(1990年)
- 機動戦士ガンダム0083 STARDUST MEMORY(1991年)
- 桜通信(1997年)
関連書籍
- 『林哲司全仕事』音楽之友社、2001年、pp.189-192(萩田のインタビューを掲載) ISBN 4-276-23715-7
- 『ニッポンの編曲家 歌謡曲/ニューミュージック時代を支えたアレンジャーたち』DU BOOKS/川瀬泰雄・吉田格・梶田昌史・田渕浩久 著(2016年)ISBN 978-4-907583-79-8
- 『ヒット曲の料理人 編曲家萩田光雄の時代』Rittor Music、2018年6月11日、ISBN 484563208X、ISBN 978-4845632084
外部リンク
- フェイス音楽出版サイト/萩田 光雄
- 「作家で聴く音楽」 萩田光雄
- 萩田光雄 編曲家 | 毎日新聞出版
- アレンジャーの本質は「音楽の料理人」であると述べた萩田光雄の出世作「木綿のハンカチーフ」|TAP the BOOK|TAP the POP
- あみんの素朴な”うたごごろ”が光る「待つわ」を大ヒット曲に仕上げたアレンジャーの萩田光雄|TAP the SONG|TAP the POP
- 久保田早紀の「異邦人」を見事なアレンジで大ヒット曲に仕上げた編曲家とプロデューサーの力技|TAP the SONG|TAP the POP
出典
出典:フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 | 最終更新:2024/11/17 10:54 UTC (変更履歴)
Text is available under Creative Commons Attribution-ShareAlike and/or GNU Free Documentation License.