西村望 : ウィキペディア(Wikipedia)
西村 望(にしむら ぼう、1926年(大正15年)1月10日 - 2022年8月22日『文藝家協会ニュース』)は、日本の小説家。名前の本名での読みは「のぞむ」。
弟は小説家の西村寿行である。
来歴
香川県香川郡雌雄島村大字男木(男木島、現・香川県高松市男木町)にて出生。
大連市乙種工業高等学校を卒業後、南満州鉄道で社員として勤務した。多方面でマスコミ関係を活躍、四国の観光ガイドなどの著書を出した後、1978年に『鬼畜』で52歳にして小説家として遅咲きデビューを果たした。1980年『薄化粧』、1981年『丑三つの村』、1988年『刃差しの街』で3度直木賞候補になるも受賞にはならなかったが、『丑三つの村』はヒット作となった。
1986年に『犬死にせしもの』が井筒和幸により映画化された。
また1992年には『火の蛾』を元にした「死んでもいい」が石井隆監督で映画化されている。
当初は現代ものの犯罪小説を書いていたが、のち時代ものの捕物を書くようになった。
作品
観光ガイド
- 『四国 観光百科』(山と溪谷社(アルパインガイド) 1966年 - )
- 『山陽・瀬戸内海 列車とマイカー 気まぐれ途中下車』(一水社(かもめ新書) 1967年)
- 『カラー四国』(山と溪谷社(山溪カラーガイド 1968年)
- 『四国遍路 八十八カ所霊場めぐり』(保育社(カラーブックス) 1968年)
- 『四国・小豆島・淡路島』(山と溪谷社(アルパインガイド) 1970年 - )
- 『霊の国家 二二六事件遺墨集』(編著、日本国憂会 1970年2月)
- 『私の野鳥記』(山と溪谷社・新書 1972年)
- 『瀬戸内海と山陽』(山と溪谷社(山溪カラーガイド) 1972年)
小説
- 『鬼畜 阿弥陀仏よや、おいおい』(立風書房 1978年5月 のち徳間文庫)
- 『水の縄』(立風書房 1978年10月 のち徳間文庫)
- 『蜃気楼』(立風書房 1979年5月 のち徳間文庫)
- 『火の蛾』(立風書房 1980年3月 のち徳間文庫)
- 『薄化粧』(立風書房 1980年8月 のち文春文庫、徳間文庫)
- 『丑三つの村』(毎日新聞社 1981年7月 のち徳間文庫)
- 『無宿人の墨縄』(講談社 1981年11月 のち講談社文庫)
- 『誰かが裁く』(トクマ・ノベルズ 1981年10月 のち徳間文庫)
- 『いちろべが憎い』(立風書房 1982年8月 のち徳間文庫)
- 『犬死にせしものの墓碑銘』(トクマ・ノベルズ 1982年9月 のち『犬死にせしもの』に改題、徳間文庫)
- 『消えない焔』(毎日新聞社 1983年11月 のち徳間文庫)
- 『野性との訣れ』(東京ブレインズ 1983年10月 のち徳間文庫)
- 『地鳴りの家』(講談社ノベルス 1983年2月 のち講談社文庫)
- 『風の辻』(講談社 1983年5月 のち『風の墓』に改題、講談社文庫)
- 『潜める蠍』(トクマ・ノベルズ 1983年6月 のち徳間文庫)
- 『幻の指』(立風書房 1984年6月 のち徳間文庫)
- 『もう日は暮れた』(立風書房 1984年10月 のち徳間文庫)
- 『弦のない弓』(徳間書店 1984年1月 のち徳間文庫)
- 『獣よ業火に吼えろ』(広済堂出版(blue books) 1985年3月 のち広済堂文庫)
- 『邪悪の華』(広済堂文庫 1985年7月)
- 『風の墓』(徳間書店 1985年5月 のち徳間文庫)
- 『虫の記』(立風書房 1985年8月 のち徳間文庫)
- 『夜の陽炎』(広済堂文庫 1986年5月)
- 『爪』(毎日新聞社 1986年7月 のち徳間文庫)
- 『幻灯』(徳間書店 1986年8月 のち文庫)
- 『流亡』(サンケイ出版 1987年1月 のち光文社文庫)
- 『柳絮の村』(広済堂出版 1987年7月 のち天山文庫、徳間文庫)
- 『夜の記憶』(広済堂文庫 1987年9月)
- 『西村望の四国遍路の旅』(徳間書店 1987年10月)
- 『風の別れ』(光文社文庫 1988年12月)
- 『死者からの年賀状』(立風ノベルス 1988年9月 のち『供述書』に改題、天山文庫)
- 『闇の風』(天山文庫 1988年11月)
- 『風分けて時次郎』(徳間書店 1988年1月 のち徳間文庫)
- 『奈落の華』(天山文庫 1988年2月)
- 『刃差しの街』(立風書房 1988年4月 のち光文社文庫)
- 『終着駅』(光文社文庫 1988年4月)
- 『遥かなる風煙』(実業之日本社 1988年4月 のち徳間文庫)
- 『火食鳥は飛んだ』(扶桑社 1988年3月 のち『密謀』に改題、光文社文庫)
- 『風よ迷路を吹き抜けよ』(光文社文庫 1988年9月)
- 『砂嵐』(徳間書店 1989年1月 のち徳間文庫)
- 『無人駅』(光文社文庫 1989年9月)
- 『狐の嫁入り』(広済堂文庫 1989年6月)
- 『海の凧』(光文社 1990年4月 のち『密航船』に改題、光文社文庫)
- 『悪行 犯罪ドキュメンタリー・ノベル』(祥伝社(ノン・ポシェット) 1990年2月)
- 『狐火』(徳間書店 1990年7月 のち徳間文庫)
- 『犯』(飯干晃一と共著 天山出版 1990年8月)
- 『標灯』(広済堂出版(blue books) 1990年1月 のち広済堂文庫)
- 『闇の河』(天山文庫 1990年11月 のち『毒牙』に改題、祥伝社(ノン・ポシェット))
- 『最終列車』(光文社文庫 1991年8月)
- 『冬の蛍烏賊』(勁文社 1991年8月 のちケイブンシャ文庫)
- 『夏の虫』(立風書房 1991年2月 のちケイブンシャ文庫)
- 『北に向く風』(広済堂出版(blue books) のち『逃亡』に改題、広済堂文庫)
- 『一椀の水のゆえに 妻敵討ち綺談』(徳間書店 1991年11月 のち『妻敵討ち綺談』に改題、徳間文庫)
- 『蟻地獄 犯罪ドキュメンタリー・ノベル』(祥伝社(ノン・ポシェット) 1992年3月)
- 『煉獄無宿 明治悪党伝』(広済堂出版 1992年5月 のち『風吹き鴉』に改題、広済堂文庫)
- 『密猟船』(光文社文庫 1992年6月)
- 『風待草』(立風書房 1993年7月)
- 『還らぬ鴉 直心影流孤殺剣』(講談社 1993年2月)
- 『目明し文吉』(徳間文庫 1993年9月)
- 『修羅の孤島』(広済堂出版(blue books) 1993年4月)
- 『夜に哭く風』(コスモノベルス 1993年10月)
- 『人斬り新兵衛』(徳間書店 1993年4月 のち徳間文庫)
- 『外道』(祥伝社(ノン・ポシェット) 1993年4月)
- 『壊れた筏』(勁文社ノベルス 1994年10月)
- 『おんな経』(徳間書店 1994年1月 のち『女の電車』に改題、徳間文庫)
- 『事情ありき』(徳間文庫 1994年3月)
- 『鬼行』(祥伝社(ノン・ポシェット) 1994年6月)
- 『元禄十五年の亡霊』(徳間書店 1994年12月 のち『元禄四谷怪談』に改題、徳間文庫)
- 『義士の群れ』(忠臣蔵銘々伝 巻の1、2) (広済堂出版 1995年 - 1997年 のち広済堂文庫)
- 『猟色』(祥伝社(ノン・ポシェット) 1995年3月)
- 『黄泉の国は比良坂まで (徳間文庫 1995年9月)
- 『悪食』(祥伝社(ノン・ポシェット) 1995年7月)
- 『裏稼ぎ 莨屋文蔵御用帳』(光文社文庫 1996年11月)
- 『後家鞘 莨屋文蔵御用帳』(光文社文庫 1997年8月)
- 『贋妻敵 莨屋文蔵御用帳』(光文社文庫 1999年1月)
- 『蜥蜴市 莨屋文蔵御用帳』(光文社文庫 2001年6月)
- 『茶立虫 莨屋文蔵御用帳』(光文社文庫 2002年11月)
- 『魔戯』(祥伝社(ノン・ポシェット) 1996年12月)
- 『性悪』(祥伝社(ノン・ポシェット) 1996年2月)
- 『御用銀隠密』(徳間書店 1996年1月 のち『隠密鴉』に改題、徳間文庫)
- 『永らうべきや』(徳間文庫 1997年9月)
- 『崖っぷち』(祥伝社(ノン・ポシェット) 1998年6月)
- 『密通不義 江戸犯姦録』(祥伝社文庫 1999年9月)
- 『姦にて候 妻敵討ち綺談』(徳間文庫 1999年10月)
- 『溺色』(徳間文庫 2000年6月)
- 『血戦! 遺恨・鍵屋ノ辻』(徳間文庫 2000年9月)
- 『姦計』(祥伝社文庫 2000年3月)
- 『八州廻り御用録』(祥伝社文庫 2001年3月)
- 『草の根分けても』(徳間文庫 2002年10月)
- 『風の宿 川ばた同心御用扣』(光文社文庫 2003年4月)
- 『置いてけ堀 川ばた同心御用扣 2』(光文社文庫 2004年9月)
- 『左文字の馬 川ばた同心御用扣 3』(光文社文庫 2005年4月)
- 『梟の宿 川ばた同心御用扣 4』(光文社文庫 2006年1月)
- 『江戸の黒椿 川ばた同心御用扣 5』(光文社文庫 2008年1月)
- 『唐人笛 川ばた同心御用扣 6』(光文社文庫 2009年12月)
- 『辻の宿 川ばた同心御用扣 7』光文社文庫 2011
- 『逃げた以蔵』(祥伝社文庫 2003年4月)
- 『風の大菩薩峠 文政わけあり道中』(学研M文庫 2003年9月)
関連項目
- 日本の小説家一覧
- 時代小説・歴史小説作家一覧
外部リンク
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