テレサ・ライト : ウィキペディア(Wikipedia)

テレサ・ライトTeresa Wright, 本名: Muriel Teresa Wright, 1918年10月27日 - 2005年3月6日)は、アメリカ合衆国ニューヨーク出身の女優。

来歴

ハーレムで生まれ、ニュージャージー州で育つ。高校在学中から劇団に参加し、卒業後に舞台に立つようになる。

演技派として知られ、映画初出演となった1941年の『偽りの花園』で早くもアカデミー助演女優賞にノミネートされ、翌1942年の『ミニヴァー夫人』でアカデミー助演女優賞を受賞した。また、同年製作されたメジャーリーグベースボール(MLB)の名選手ルー・ゲーリッグの半生を描いた野球映画『打撃王』でもゲーリッグ(ゲイリー・クーパー)の妻エレノア夫人役を熱演してデビュー作から3作品連続でアカデミー賞(アカデミー主演女優賞)にノミネートされている。

1956年10月15日、『二人の可愛い逃亡者』の日本ロケ(京都・奈良)のため訪日。約2ヵ月間滞在し、12月22日に離日。

1942年に結婚するが、1952年に離婚。2005年に心臓発作により亡くなる。

1998年に、56年前に製作された映画『打撃王』に出演した縁で始球式に呼ばれたが、彼女はそれまでに一度も野球の試合を観戦したこともないことを明かした。しかし、27歳の孫息子ヨナ・スミスを伴って始球式のためにヤンキー・スタジアムを訪れ、ニューヨーク・ヤンキースのファンや選手、監督、オーナーらに温かく迎えられてからは熱烈なヤンキースファンとなり、野球の試合を観戦することにはまり、息子テリーと一緒にしばしば球場を訪れるようにもなった。その翌年、80歳になったライトはデレク・ジーターバーニー・ウィリアムスのような才能ある選手のプレーを観て大きな喜びを得ていると語っている。そして、について学び始め、1941年の死亡当時はどれほどの偉大な存在だったか理解していなかったルー・ゲーリッグについて「ロールモデル」(模範的人物)として尊敬の念を抱くようになり、彼のお別れのスピーチの一部も暗唱することが出来るようになった。

2005年7月5日、亡くなってから4ヵ月後に開催されたヤンキースので行われた点呼では、『打撃王』での健気な賢夫人役の熱演で映画を大ヒットに導いた彼女の功績に敬意を表し、他のヤンキースの偉大な元名選手らとともにその名前が読み上げられた。

主な出演作品

公開年邦題原題役名備考
1941 偽りの花園The Little Foxes アレクサンドラ アカデミー助演女優賞ノミネート
1942 ミニヴァー夫人Mrs. Miniver キャロル アカデミー助演女優賞受賞
打撃王The Pride of the Yankees エレノア・トゥイッチェル アカデミー主演女優賞ノミネート
1943 疑惑の影Shadow of a Doubt 若いチャーリー
1944 クーパーの花婿物語Casanova Brown イザベル
1946 我等の生涯の最良の年The Best Years of Our Lives ペギー・スティーブンソン
1947 追跡Pursued Thor
1948 魅惑Enchantment Lark Ingoldsby
1950 男たちThe Men エレン
1952生きるためのものSomething to Live For エドナ・ミラー
征服者California Conquest ジュリー・ローレンス
11年目の疑惑The Steel Trap ローリー・オズボーン
1953 暗黒の鉄格子Count the Hours エレン・バーデン
1954 血ぬられし爪あと/影なき殺人ピューマTrack of the Cat グレイス・ブリッジス
1957 二人の可愛い逃亡者Escapade in Japan メアリー・サンダース
1969 マイケル・ダグラス/ヒーローHail, Hero! サンサン・ディクソン
1969 ハッピーエンド/幸せの彼方にThe Happy Ending スペンサー夫人
1972 地下室の侵入者/抑圧された十代Crawlspace アリス・グレイヴス テレビ映画
1974 恐怖のエレベーター/高層ビルパニックThe Elevator エディス・レイノルズ テレビ映画
1976 大洪水Flood! アリス・カトラー テレビ映画
1977 ローズランドRoseland メイ
1980 ある日どこかでSomewhere in Time ローラ・ロバーツ
1988 情熱の代償The Good Mother 祖母
1991 愛は国境を越えてLethal Innocence マイラ テレビ映画
1997 レインメーカーThe Rainmaker ミス・バーディー

受賞歴

アカデミー賞

受賞
1943年 アカデミー助演女優賞:『ミニヴァー夫人』
ノミネート
1942年 アカデミー助演女優賞:『偽りの花園』
1943年 アカデミー主演女優賞:『打撃王』

参考文献

外部リンク

出典:フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 | 最終更新:2024/04/29 05:21 UTC (変更履歴
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