立野信之 : ウィキペディア(Wikipedia)
立野 信之(たての のぶゆき、1903年10月17日 -1971年10月25日)は日本の小説家。
千葉県生まれ。旧制関東中学校中退。
略歴
旧制関東中学校を経て、20歳で市原郡五井町役場に就職するも、2年後に連隊に入営。除隊後の1928年、軍隊経験を元に書いた「標的になった彼奴」にてデビューする。当初はプロレタリア文学に傾倒しており反戦的な作品を発表していたが、1930年、治安維持法違反で検挙、翌年獄中で転向を表明した。終戦後の1952年、彼の代表作となる二・二六事件を題材にしたノンフィクション小説「叛乱」を発表。文壇活動としては日本ペンクラブの運営に深く関わり、幹事長、副会長などを歴任している。
代表作である「叛乱」は1953年に新国劇が舞台化し、1954年には新東宝が映画化、1964年には東映が「銃殺」のタイトルで映画化した。また、1956年出版の「明治大帝」が1962年に舞台化されている。
受賞歴
- 1953年、「叛乱」で第28回直木賞受賞。
著書
- 『軍隊病 兵士と農民に関する短篇集』戦旗社(日本プロレタリア作家叢書)1929
- 『情報』新鋭文学叢書 改造社 1930 のちゆまに書房から復刊
- 『新芸術論システム プロレタリア文学論』小林多喜二共著 天人社、1931 のちゆまに書房から復刊
- 『流れ』ナウカ社 1936
- 『流れ・現代長篇小説全集 第14巻 立野信之集』三笠書房 1937
- 『後方の土』改造社 1939
- 『時局読本 第2輯』佐野豊太郎 1939
- 『望楼』中央公論社(新作長篇叢書)1940
- 『黄土地帯』高山書院 1941
- 『爆竹』文林堂双魚房 1941
- 『菊薫る』青磁社 1942
- 『肉親の倫理』昭森社 1942
- 『連翹』桃蹊書房 1942
- 『明日の花』昭和出版社 1943
- 『北京の嵐 義和団変乱記』博文館 1944
- 『小説旅順 百五十五日間の死闘と一兵卒の生涯』金星堂 1944
- 『鴎』世界社 1947 (文芸叢書)
- 『いのちの構図』実業之日本社 1948
- 『公爵近衛文麿』大日本雄弁会講談社 1950
- 『太陽はまた昇る 公爵近衛文麿』六興出版社 1951
- 『叛乱』六興出版社 1952 のち角川文庫、春陽文庫、学研M文庫
- 『醒めて見る夢』白灯社 1953
- 『落陽』六興出版部 1954 のち春陽文庫
- 『黒い花』新潮社 1955 (小説文庫) のちぺりかん社から復刊
- 『東京裁判』角川書店・角川小説新書 1955
- 『明治大帝』全7巻 毎日新聞社 1956 - 59
- 『赤と黒』新潮社 1959
- 『壊滅』新潮社 1961
- 『青春物語 その時代と人間像』河出書房新社 1962
- 『昭和軍閥』講談社 1963
- 『日本占領』講談社 1964
- 『首相官邸』講談社 1966
- 『茫々の記 宮崎滔天と孫文』東都書房 1966
関連項目
- 二・二六事件
- 飯香岡八幡宮(文学碑がある)
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