ジャンカルロ・ジャンニーニ : ウィキペディア(Wikipedia)
ジャンカルロ・ジャンニーニ(Giancarlo Giannini, 1942年8月1日 - )は、イタリア出身の俳優である。
生い立ち
リグーリア州のラ・スペツィアでうまれ、ナポリで育った。
キャリア
ローマの国立演劇アカデミーで演技を学び、舞台俳優としてキャリアをスタートさせた。
1973年に『愛とアナーキーの映画』でカンヌ国際映画祭 男優賞を受賞し、1974年に『流されて…』に主演、1977年には『セブン・ビューティーズ』でアカデミー主演男優賞にノミネートされるなど、一連のリナ・ウェルトミューラー監督作品で世界的に知られるようになった。
1960年代後半からアメリカ資本の作品にも出演していたが、1980年代からアメリカ映画への出演が増加、1989年公開の『ニューヨーク・ストーリー』、1995年公開の『雲の中で散歩』、1997年公開の『ミミック』などに出演、特に2001年に出演した『ハンニバル 』のパッツィ刑事役は彼の存在を強烈に印象づけた。テレビと映画を合わせた出演作品は100本を超える。
2014年9月、初の自伝『Sono ancora un bambino (ma nessuno può sgridarmi)』を上梓。携わってきた作品や監督・共演者についてのエピソードのほか、故郷リグーリアへの愛や自身の生い立ちと家族、夭折した長男への思い、料理と発明への情熱などを綴っている 。
声優
イタリアでは外国語映画をイタリア語に吹き替えて上映することが多いため、アル・パチーノ、ジャック・ニコルソンらの吹き替えで非常によく知られているほか、フランコ・ゼフィレッリ監督の『ロミオとジュリエット』のレナード・ホワイティング、ヴァレリオ・ズルリーニ監督『タタール人の砂漠』のジャック・ペランの吹き替えが有名である。またルキーノ・ヴィスコンティ監督『ルートヴィヒ』のヘルムート・バーガーの声も彼の吹き替えによるものである。
脚本/監督
1987年には脚本も手掛けた主演作『Ternosecco』で監督デビューをした。
2010年には『I Looked In Obituaries』で23年ぶりに監督と主演を務めている。
私生活
次男のアドリアーノ・ジャンニーニも俳優になり『流されて…』のリメイク『スウェプト・アウェイ』で父親の演じた役を演じた。
18歳で演劇の道に進むまで電子工学を学んでおり、趣味はそれを活かした発明。
『流されて…』等のウェルトミューラー監督作で共演し、2013年に死去した女優とは「きょうだいの様な仲」だったと述べている"[[:it: Domenica Live]]",[[:it: Canale 5]]:2014年11月16日放送。
主な出演作品
公開年 | 邦題原題 | 役名 | 備考 |
---|---|---|---|
1968 | アンツィオ大作戦Lo sbarco di Anzio | ||
1969 | 姉妹 Le Sorelle | ダリオ | |
サンタ・ビットリアの秘密The Secret of Santa Vittoria | ファビオ | ||
1970 | ジェラシーDramma della gelosia (tutti i particolari in cronaca) | ネロ | |
1971 | タランチュラLa tarantola dal ventre nero | テリーニ | |
1972 | 高校教師La prima notte di quiete | ジョルジオ・モスカ(スパイダー) | |
1973 | あゝ情熱Paolo il caldo | パオロ | |
愛とアナーキーの映画Film d'amore e d'anarchia, ovvero 'stamattina alle 10 in via dei Fiori nella nota casa di tolleranza... | アントニオ・ソフィアンティーニ | カンヌ国際映画祭 男優賞 受賞 | |
セッソ・マット Sessomatto | ドメニコ(第一話)/ チェザレット(第二話)/ エンリコ(第三話)/レッロ(第四話)/ ジャンシーロ(第五話)/ ドナー(第六話)/ミケーレ・マッコ(第七話)/ サトゥルニーノ(第八話)/ ビアンキ博士(第九話) | ||
1974 | 哀しみの伯爵夫人 Fatti di gente perbene | ||
流されて…Travolti da un insolito destino nell'azzurro mare d'agosto | |||
1975 | セブン・ビューティーズ Pasqualino Settebellezze | 兼製作 | |
イノセントL'Innocente | トゥリオ・エルミル | ||
1978 | 愛の彷徨Fatto di sangue fra due uomini per causa di una vedova - si sospettano moventi politici | ニック | |
1979 | アニタと子猫と…Viaggio con Anita | グイド | |
人生は素晴らしいLa Vita è bella | アントニオ | ||
1981 | リリー・マルレーン Lili Marleen | ||
1984 | 愛しのレベッカ American Dreamer | ヴィクター | |
1985 | ザ・ギャンブラー Fever Pitch | チャーリー | |
1986 | 愛と復讐のヒロインSins | マルチェロ | テレビ・ミニシリーズ |
法王の旅 Saving Grace | |||
1987 | マンマ・ミーア人生I picari | ガスマン | |
1988 | スナックバー・ブダペスト Snack Bar Budapest | ||
1989 | ニューヨーク・ストーリー New York Stories | クラウディオ | |
ブラッド・レッド/復讐の銃弾Blood Red | セバスティアン | ||
エネミー・ウォーTempo di uccidere | |||
1992 | モンテカルロ殺人事件Once Upon a Crime... | ボナール警部 | |
1995 | 雲の中で散歩 A Walk in the Clouds | アルバート・アラゴン | |
1996 | ロルカ、暗殺の丘 The Disappearance of Garcia Lorca | タクシー運転手 | |
1997 | ミミック Mimic | マニー | |
1998 | 星降る夜のリストランテ La Cena | 教授 | |
2000 | デューン/砂の惑星 Dune | 皇帝シャダム4世 | テレビ・ミニシリーズ |
2001 | CQ CQ | エンゾ | |
ハンニバル Hannibal | リナルド・パッツィ刑事 | ||
2002 | 法王の銀行家 ロベルト・カルヴィ暗殺事件I banchieri di Dio | フラヴィオ・カルボーニ | |
キング・オブ・ザ・ヴァンパイアDracula | エンリコ・ヴァレンツォ博士 | ||
ダークネスDarkness | アルベルト | ||
2003 | 美しきイタリア、私の家My House in Umbria | ||
2004 | マイ・ボディガード Man on Fire | ミゲル・マンサーノ | |
2006 | 007 カジノ・ロワイヤル Casino Royale | レネ・マティス | |
2007 | ミラノ・コネクションMilano Palermo - Il ritorno | ||
2008 | 007 慰めの報酬 Quantum of Solace | レネ・マティス | |
2017 | Tulipani, Love, Honour and a Bicycle | Catarella | 日本未公開 |
2018 | The Catcher Was a Spy | エドアルド・アマルディ |
参照
外部リンク
出典:フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 | 最終更新:2024/03/27 01:59 UTC (変更履歴)
Text is available under Creative Commons Attribution-ShareAlike and/or GNU Free Documentation License.