ジャック・オーディアール : ウィキペディア(Wikipedia)
ジャック・オーディアール (Jacques Audiard, 1952年4月30日 - ) は、フランスの映画監督、脚本家。
来歴
1952年4月30日、パリで生まれる。父親は脚本家のミシェル・オーディアール、叔父はプロデューサーという映画一家で育つ。ソルボンヌ大学で文学と哲学を専攻した後、編集技師として映画界に携わるようになる。
1981年から脚本家として活動。その後、1994年にマチュー・カソヴィッツとジャン=ルイ・トランティニャン主演の『天使が隣で眠る夜』で映画監督としてデビュー。本作で第20回セザール賞の第1回監督作品賞、ジョルジュ・サドゥール賞を受賞。
1996年には再びカソヴィッツとトランティニャンを主演に迎え、ジャン=フランソワ・ドニオーの小説を映画化した『つつましき詐欺師』を発表。第49回カンヌ国際映画祭のコンペティション部門に出品され、脚本賞を受賞した。
2001年の『リード・マイ・リップス』は第27回セザール賞で9部門にノミネートされ、脚本賞と音響賞を受賞。主演のエマニュエル・ドゥヴォスはこの年世界中で大ヒットした『アメリ』に主演したオドレイ・トトゥを抑えて同賞の主演女優賞を獲得した。
2005年にはアメリカ映画『マッド・フィンガーズ』(1978年)を翻案した『真夜中のピアニスト』を発表。第55回ベルリン国際映画祭のコンペティション部門で上映され、アレクサンドル・デスプラが音楽賞を受賞。また、第31回セザール賞では作品賞、監督賞など8部門で受賞。その他に第59回英国アカデミー賞の外国語映画賞を受賞するなど、数多くの賞を受けた。
2009年、タハール・ラヒムを主演に迎え、刑務所を舞台とした『預言者』を発表。第62回カンヌ国際映画祭でグランプリを受賞。ロンドン映画祭でも最優秀作品賞を受賞した。第35回セザール賞では同賞の最多記録に並ぶ13部門にノミネートされ、作品賞、監督賞を含む9部門を受賞。第82回アカデミー賞では外国語映画賞にノミネートされたが受賞は逃した。その他、同年のルイ・デリュック賞も受賞している。
2012年、マリオン・コティヤールを主演に『君と歩く世界』を発表。第65回カンヌ国際映画祭のコンペティション部門への出品の他、ロンドン国際映画祭では2度目となる最優秀作品賞を受賞。第38回セザール賞では9部門にノミネートされたが、脚色賞など4部門での受賞に留まった。
2015年、タミル人の移民を描いた『ディーパンの闘い』が第68回カンヌ国際映画祭のコンペティション部門に出品され、悲願のパルム・ドールを受賞した。また授賞の際のスピーチで、過去コンペティション部門に『預言者』『君と歩く世界』が出品されたが、いずれもミヒャエル・ハネケ監督がパルム・ドールを受賞していたことから、「ミヒャエル、今年、映画を作らないでいてくれてありがとう」と語った。
2018年、ジョン・C・ライリー、ホアキン・フェニックス、ジェイク・ギレンホールを主演に迎えた西部劇『ゴールデン・リバー』が第75回ヴェネツィア国際映画祭に自身の作品としては初めて出品され、銀獅子賞を受賞した。
また、映画の他にノワール・デジールなどのミュージック・ビデオも手がけている。
作品
監督
- 天使が隣で眠る夜 Regarde les hommes tomber (1994年)
- つつましき詐欺師 Un héros très discret (1996年)
- Norme française (1998年) 短編
- リード・マイ・リップス Sur mes lèvres (2001年)
- 真夜中のピアニスト De battre mon coeur s'est arrêté (2005年)
- 預言者 Un prophète (2009年)
- 君と歩く世界 De rouille et d'os (2012年)
- ディーパンの闘い Dheepan (2015年)
- ゴールデン・リバー The Sisters Brothers(2018年)
- Paris, 13th District (2021年)
脚本
- プロフェッショナル Le Professionnel (1981年)
- 死への逃避行 Mortelle randonnée (1983年)
- Réveillon chez Bob (1984年)
- Sac de noeuds (1985年)
- キリング・タイム Poussière d'ange (1987年)
- Saxo (1987年)
- Fréquence meurtre (1988年)
- バクステール/ぼくを可愛がってください。さもないと何かが起こります。 Baxter (1989年)
- Australia (1989年)
- Swing troubadour (1991年)
- バルジョーでいこう! Confessions d'un Barjo (1992年)
- エステサロン/ヴィーナス・ビューティ Vénus beauté (institut) (1999年)
注釈
出典
外部リンク
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