市原佐都子 : ウィキペディア(Wikipedia)

市原 佐都子(いちはら さとこ、1988年9月27日 - )は、日本の演出家、脚本家、劇作家、小説家、俳優、城崎国際アートセンター芸術監督 。大阪府生まれ、福岡県北九州市出身。劇団「Q」代表。

来歴

3歳からクラシックバレエを習う。当初は舞台女優志望で、AO入試でバレエの授業がある東筑紫学園高等学校に入学。北九州芸術劇場の演劇ワークショップなどに参加した。

その後上京し、桜美林大学文学部総合文化学群演劇専修に入学、在学中は主に役者として活動し、鐘下辰男坂口芳貞など様々な演出家の作品に出演。2010年に卒業研究として初の作・演出作品『虫虫Q』を発表。

2011年劇団「Q」を旗揚げ、『虫虫Q』を元にした戯曲『虫』で第11回AAF戯曲賞優秀賞受賞。2017年に『毛美子不毛話』で第61回岸田國士戯曲賞候補 。2020年に『バッコスの信女-ホルスタインの雌』で第64回岸田國士戯曲賞受賞。

2021年より城崎国際アートセンター芸術監督に就任。

2024年、第68回岸田國士戯曲賞より選考委員を務める。

作風

現代日本ではタブー視されがちな人間の行動や身体にまつわる生理を題材とし、社会のマジョリティを覆っている男性中心的・人間中心的な倫理観や道徳観念に対して、その違和感を女性の視点から独自の言語センスと身体感覚で捉え、ラジカルな視点で観客に問いかける作品を特徴とする。

主な作品

舞台

  • 2010年︰『虫虫Q』(卒業研究公演)
  • 2011年:『油脂越し』(Q第1回公演)
  • 2012年
    • 『プール』(Q第2回公演)
    • 『地下鉄』(Q第3回公演)
    • 『虫』(Q第4回公演)
  • 2013年
    • 『いのちのちQ』
    • 『しーすーQ』(芸劇eyes番外編・第2弾「God save the Queen」)
    • 『いのちのちQⅡ』(フェスティバル/トーキョー公募プログラム選出)
  • 2014年
    • 『最近の私は最強の私』『油脂越しq』
    • 『迷迷Q』
    • 『楽屋 - 流れるものはやがてなつかしき』
  • 2015年︰『玉子物語』
  • 2016年
    • 『ふくらはぎにおQをすえる〜シャルピー編〜』蒼いものかvol.3
    • 『毛美子不毛話』
  • 2017年
    • 『地底妖精』(こq名義、高田冬彦とのコラボレーション)
    • 『妖精の問題』
  • 2018年
    • 『私とセーラームーンの地下鉄旅行』(韓国香港日本共同制作)
    • 『地底妖精』
  • 2019年:『バッコスの信女-ホルスタインの雌』(あいちトリエンナーレ2019パフォーミングアーツプログラム招聘)
  • 2021年︰『Madama Butterfly』(ノイマルクト劇場と共同制作)
  • 2022年︰『妖精の問題デラックス』(ロームシアター京都「レパートリーの創造」シリーズ)
  • 2023年︰『弱法師』(世界演劇祭2023にて世界初演され、豊岡演劇祭2023でも上演)
  • 2025年︰『キティ』(ロームシアター京都「レパートリーの創造」シリーズ)

著書

  • 『マミトの天使』(早川書房、2019年6月)(「虫」「マミトの天使」「地底妖精」)−– 小説集
  • 『バッコスの信女―ホルスタインの雌』(白水社、2020年4月)–– 戯曲集

受賞歴

  • 2011年 - 第11回AAF戯曲賞優秀賞(『虫』)
  • 2020年 - 第64回岸田國士戯曲賞(『バッコスの信女-ホルスタインの雌』)

関連項目

  • 日本の小説家一覧

外部リンク

出典:フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 | 最終更新:2025/09/30 05:53 UTC (変更履歴
Text is available under Creative Commons Attribution-ShareAlike and/or GNU Free Documentation License.

「市原佐都子」の人物情報へ