井上正 : ウィキペディア(Wikipedia)
井上 正(いのうえ ただし、1929年(昭和4年)1月12日-2014年(平成26年)6月14日2014年7月5日付信濃毎日新聞35面)は、日本の美術史家。佛教大学教授、京都造形芸術大学教授を歴任。専門は日本彫刻史。
人物
長野県飯田市出身。奈良時代の僧行基の巡錫伝承を持つ寺院の仏像を丹念に調査し、上代日本の彫刻史に根本的な見直しを迫る「霊木化現仏」の概念を提唱。それまで9世紀作とみなされてきた木彫仏の制作年代を、50 - 100年引き上げる学説を提示した。
経歴
- 1953年(昭和28年)東京大学文学部美学美術史学科卒業
- 1956年(昭和31年)同大学院特別研究生を経て同大学助手
- 1963年(昭和38年)文化財保護委員会事務局美術工芸課文部技官
- 1967年(昭和42年)京都国立博物館研究員
- 1979年(昭和54年)同学芸課長
- 1987年(昭和62年)奈良大学教授
- 1988年(昭和63年)飯田市美術博物館館長を兼任( - 2006年(平成18年))
- 1995年(平成7年)佛教大学文学部教授
- 2000年(平成12年)京都造形芸術大学教授
主な著書・編著
- 『古佛 彫像のイコノロジー』(法藏館、1986年、新装版2013年)
- 『岩波日本の美術の流れ(2) 7-9世紀の美術 伝来と開花』(岩波書店、1991年)
- 『続 古佛 古密教彫像巡歴』(法藏館、2012年)
- 『奈良の寺12 興福寺東金堂の諸像』(岩波書店、1975年)。辻本米三郎と共著
- 『日本の美術6 檀像』(至文堂「日本の美術シリーズ 253号」、1987年)。図版解説の編著
- 『図説日本の仏教(6) 神仏習合と修験』(新潮社、1989年)。論考「神仏習合の精神と造形」
- 『人間の美術4 平城の爛熟 奈良時代』(学習研究社、1990年、新装版2003年)。梅原猛と共著
- 『民衆生活の日本史 「木」』 (思文閣出版、1994年)。論考「霊木に出現する仏~列島に根付いた神仏習合」
関連項目
- 長野県出身の人物一覧#学者
出典:フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 | 最終更新:2024/07/26 08:05 UTC (変更履歴)
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