山田胡瓜 : ウィキペディア(Wikipedia)

山田 胡瓜(やまだ きゅうり)とは、日本の漫画家。漫画家となる前はIT分野の記者であった。

プロフィール

神奈川県出身アフタヌーン四季賞の受賞者情報より。子供の頃から絵を描くのが好きで漫画家を志望していた。読んでいた漫画雑誌は『月刊コロコロコミック』(小学館)や『コミックボンボン』(講談社)が多く、当時「黄金時代」と呼ばれた『週刊少年ジャンプ』(集英社)は読んでいなかった。ただし、ジャンプ作品でも『SLAM DUNK』や『ドラゴンボール』はクラスメイトから借りたり、コミックスを購入するなどして読んでいた。

中学、高校は運動部に所属しており、漫画執筆からは遠ざかっていたが、浦沢直樹江口寿史手塚治虫の『火の鳥』、宮崎駿の『風の谷のナウシカ』に影響を受ける。

早稲田大学へ進学するが漫研には所属せずに在学中に3作品くらいを執筆する。最初の作品を浦沢直樹が連載していたということで『ビッグコミックスピリッツ』(小学館)編集部へ持ち込みを行う。賞は獲得できなかったものの、担当編集が付くことになった。しかし、就職の時期となり、漫画家になることを保留。大学で開催された就職合同説明会でITmediaの人間から声をかけられたことで、ITについては何も知らなかったにもかかわらず、6年ほどをIT記者として過ごした。IT記者時代の経験が後に連載作となる『バイナリ畑でつかまえて』『AIの遺電子』の執筆に活きてくることになる。

IT記者の傍ら週末を利用して漫画執筆を再開し、『月刊アフタヌーン』(講談社)に持ち込み、2007年にアフタヌーン四季賞の佳作を受賞する。2012年には『勉強ロック』でアフタヌーン四季賞で四季大賞を受賞した。四季大賞受賞を機にITmediaを辞め、漫画家としての活動に比重を置くことになる。

2013年より『ITmedia PC USER』で連載する『バイナリ畑でつかまえて』は、2015年に販売されたコミックスのKindle版がAmazonコンピュータ・ITランキングで1位を獲得する。2015年11月から2017年8月まで『週刊少年チャンピオン』(秋田書店)に『AIの遺電子』を、2017年10月から『別冊少年チャンピオン』(同社刊)で続編の『AIの遺電子 RED QUEEN』、『AIの遺電子 Blue Age』を連載。2018年、『AIの遺電子』で第21回文化庁メディア芸術祭マンガ部門優秀賞を受賞する。

執筆方法

『AIの遺電子』連載開始直前に行われたPonanza開発者である山本一成の対談において、ペン画をアナログで描き、スキャナで取り込んだ後に、デジタルで仕上げ作業をすることを山田は語っている。以前は山田1人で執筆していたが、『AIの遺電子』を週刊連載するにあたってアシスタントを雇用することになった。互い在宅勤務であり、ネットワーク上の共有フォルダを介して執筆作業をしている。

作品リスト

漫画作品

  • 『バイナリ畑でつかまえて』
    • Kindle版 2015年9月6日(自主出版)
    • コミックス 2016年8月2日、アスペクト、
      • Ponanza開発者である山本一成との対談を収録。帯文は川上量生
  • 『AIの遺電子』
    • コミックス全8巻
      • うち1編「海の住人」は、アンソロジー『行き先は特異点(年刊日本SF傑作選)』(東京創元社、2017年7月、)にも再収録された。
  • 『AIの遺電子 RED QUEEN』
    • 『AIの遺電子』の続編
    • コミックス全5巻
  • 『AIの遺電子 Blue Age』
    • 『AIの遺電子』の続編
    • コミックス既刊8巻
  • 『真の安らぎはこの世になく -シン・仮面ライダー SHOCKER SIDE-』
    • 漫画脚本担当。原作:石ノ森章太郎、脚本:庵野秀明、監修:八手三郎、作画:藤村緋二。『週刊ヤングジャンプ』2023年4・5合併号 - 連載。

イラスト

  • 『ITエンジニア小説 鼠と竜のゲーム 高村ミスズ女史の事件簿』リーベルG(アイティメディア、2013年10月25日、電子書籍) - 表紙イラスト
  • Aile The Shota「No Frontier」(2023年) - ジャケット描きおろし

映画

  • シン・仮面ライダー(2023年)- 脚本協力

外部リンク

出典:フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 | 最終更新:2024/07/08 21:57 UTC (変更履歴
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