シャーリー・マクレーン : ウィキペディア(Wikipedia)

シャーリー・マクレーンShirley MacLaine、本名:Shirley MacLean Beaty、1934年4月24日 - )は、アメリカ合衆国出身の女優である。また自身の神秘体験を描いた著作を多数発表し、ニューエイジの旗手の一人としても知られた。バージニア州リッチモンド出身。俳優のウォーレン・ベイティは弟、サチ・パーカーは娘。

来歴

バレエ学校で学び、16歳でブロードウェイにダンサーとしてデビュー。映画デビューは1955年のアルフレッド・ヒッチコック監督作品『ハリーの災難』。翌年(1956年)の『八十日間世界一周』では主演を務め、作品は第29回アカデミー賞で作品賞を受賞。更に1958年のヴィンセント・ミネリ監督作品『走り来る人々』でも主演を務め、今度は自身が主演女優賞にノミネートされた。

1960年のビリー・ワイルダー監督作品『アパートの鍵貸します』ではジャック・レモンと共演。作品は第33回アカデミー賞で作品賞を受賞し、自身も再び主演女優賞にノミネートされ、ヴェネツィア国際映画祭では女優賞を受賞した。また、1963年の『あなただけ今晩は』でも3度目となる主演女優賞候補となり、ゴールデングローブ賞では上記の2作で主演女優賞を受賞していたものの、アカデミー賞受賞は逃した。

1983年、『愛と追憶の日々』で5度目となるノミネートにして初のアカデミー主演女優賞を受賞。受賞スピーチでは、1950年代から複数回ノミネートされていたのにも関わらず受賞に年月が掛かったため、「私が貰って当然だ」と言い放ち、会場を沸かせた。

人物

ニューエイジニューエイジは日本では精神世界、スピリチュアルと呼ばれる分野に受け継がれている。の旗手としても注目された。近代神智学の影響が濃い心霊治療家エドガー・ケイシーの思想や、仏教思想を初めとする東洋文化、霊や宇宙人と交信するというチャネリングなど、ニューエイジを構成する思想に傾倒し広く紹介した。娘であるサチ・パーカーの名前は小森和子によって"blessed child"を意味する日本名「幸子」にちなんで名づけられた。1983年に刊行され世界的なベストセラーとなった『アウト・オン・ア・リム』などの自著で、自身の体外離脱や神秘体験を語っている。

エドガー・ケイシーが唱えた輪廻転生説輪廻転生(再生)は近代神智学で唱えられている。を支持し、自身の前生はアトランティス大陸の人間で、3500年前のアトランティスの戦士であったラムサと兄弟であったという羽仁礼 著 『超常現象大事典―永久保存版』 成甲書房、2001年。ラムサはニューエイジのチャネラーであるが交信する霊で、シャーリー・マクレーンは『ダンシング・イン・ザ・ライト』でナイトを高く評価しており、一時期支持していたナイトのチャネリングの練習を目撃したという声もあり、インチキとする意見もある。樺旦純 著 『人はなぜ「占い」や「超能力」に魅かれるのか』 PHP研究所、2002年

1959年、日本を襲った伊勢湾台風の際には、義援金を基に日本の福祉団体を通して東海地区の小学校にピアノを寄付した逸話が残るS.マクレーンさん寄贈ピアノ、中学生が自由研究で発見 朝日新聞 2016年10月6日。『青い目の蝶々さん』では日本の谷洋子と共演している

ギャラリー

File:Shirley_MacLaine_in_The_Trouble_With_Harry_trailer.jpg|『ハリーの災難』(1955年) File:The apartment trailer 1.JPG|『アパートの鍵貸します』(1960年) File:Shirley MacLaine 1960 ETH-BIB Com C09-126-002.jpg|スイスにて(1960年) File:Kinema-Junpo-1963-February-Special-6.jpg|『噂の二人』(1961年) File:Shirley_MacLaine_-_1976.jpg|1976年

主な出演作品

公開年邦題原題役名備考
1955 ハリーの災難The Trouble With Harry ジェニファー・ロジャース
画家とモデルArtists and Models ベッシー
1956 八十日間世界一周Around the World in Eighty Days アウダ姫
1958 縄張りThe Sheepman デル・ペイトン
花嫁売り込み作戦The Matchmaker イレーネ
走り来る人々Some Came Running ジニー・ムーアヘッド
1959 恋の売込み作戦Ask Any Girl メグ ベルリン国際映画祭 銀熊賞 (女優賞) 受賞英国アカデミー賞 女優賞(国外) 受賞
果てしなき夢Career シャロン・ケンジントン
1960 カンカンCan-Can シモーヌ
アパートの鍵貸しますThe Apartment フラン ヴェネチア国際映画祭 女優賞 受賞ゴールデングローブ賞 主演女優賞 (ミュージカル・コメディ部門) 受賞英国アカデミー賞 女優賞(国外) 受賞
オーシャンと十一人の仲間 Ocean's Eleven 酔った女性 クレジットなし
1961 凡ては夜に始まる All in a Night's Work ケイティ・ロビンズ
噂の二人The Children's Hour マーサ・ドビー
1962 青い目の蝶々さん My Geisha ルーシー・デル/ヨーコ・モリ
すれちがいの街角Two for the Seesaw
1963 あなただけ今晩はIrma la Douce イルマ ゴールデングローブ賞 主演女優賞 (ミュージカル・コメディ部門) 受賞
1964 何という生き方! What a Way to Go! ルイーザ・メイ・フォスター
黄色いロールス・ロイスThe Yellow Rolls-Royce メエ・ジェンキンス
1966 泥棒貴族Gambit ニコール
1967 女と女と女たち Woman Times Seven Paulette/Maria Teresa/Linda/Edith/Eve Minou/Marie/Jeanne
1968 おかしな夫婦・大逆転!? The Bliss of Mrs. Blossom ハリエット
スイート・チャリティ Sweet Charity チャリティ・ホープ・ヴァレンタイン
1970 真昼の死闘Two Mules for Sister Sara サラ
1971 Desperate Characters ソフィー・ベントウッド ベルリン国際映画祭 銀熊賞 (女優賞) 受賞
1977 愛と喝采の日々 The Turning Point ディーディー
1979 チャンス Being There イブ・ランド
1980 ラヴィング・カップルLoving Couples イヴリン・ルーカス・カービー
LOVEシーズン A Change of Seasons Karyn Evans
1983 愛と追憶の日々Terms of Endearment オーロラ・グリーンウェイ アカデミー主演女優賞 受賞ゴールデングローブ賞 主演女優賞 (ドラマ部門) 受賞
1984 キャノンボール2 The Cannonball RunⅡ ヴェロニカ
1987 アウト・オン・ア・リム/自分探しの旅Out on a Limb シャーリー・マクレーン 原作/脚本/主演全2話のテレビミニシリーズ旧題『アウト・オン・ア・リム/愛さえも越えて
1988 マダム・スザーツカ Madame Sousatzka マダム・スザーツカ ヴェネチア国際映画祭 女優賞 受賞ゴールデングローブ賞 主演女優賞 (ドラマ部門) 受賞
1989 マグノリアの花たち Steel Magnolias ウィーザ
1990 ミラクル/バックリーの魔女たちWaiting for the Light ゼナ
ハリウッドにくちづけ Postcards from the Edge ドリス・マン
1992 迷子の大人たちUsed People パール
1993 潮風とベーコンサンドとヘミングウェイWrestling Ernest Hemingway ヘレン
1994 不機嫌な赤いバラ Guarding Tess テス
1995 セルロイド・クローゼット The Celluloid Closet ドキュメンタリー
1996 くちづけはタンゴの後で Mrs. Winterbourne グレース・ウィンターボーン
夕べの星 The Evening Star オーロラ・グリーンウェイ
1999 ヴァージン・ブレイドJoan of Arc Madame de Beaurevoir テレビ映画
ぼくが天使になった日 Bruno ヘレン 監督/出演
2001 だって女優ですもの! These Old Broads ケイト・ウエストボーン テレビ映画
2005 奥さまは魔女Bewitched アイリス
イン・ハー・シューズ In Her Shoes エラ・ハーシュ
迷い婚 -全ての迷える女性たちへ- Rumor has it… キャサリン・リシュリュー
2007 あの日の指輪を待つきみへ Closing the Ring エセル・アン
2008 ココ・シャネル Coco Chanel ココ・シャネル テレビ映画
赤毛のアン 新たな始まりAnne of Green Gables: A New Beginning アメリア・トーマス
2010 バレンタインデー Valentine's Day エステル
2011 バーニー/みんなが愛した殺人者Bernie マージョリー・"マージ"・ニュージェント
2012 ダウントン・アビーDownton Abbey マーサ・レヴィンソン テレビドラマシリーズ
2013 LIFE!The Secret Life of Walter Mitty ミティーの母親
2014トレヴィの泉で二度目の恋をElsa & Fredエルサ・ヘイズ
2016素敵な遺産相続Wild Oatsエヴァ
2017あなたの旅立ち、綴りますThe Last Wordハリエット・ローラー製作総指揮/主演
2018リトル・マーメイド 人魚姫と魔法の秘密The Little Mermaidエル/祖母
2019ノエルNoelleエルフ・ポリー
2022American Dreamerアストリッド

舞台

特記 脚注
1953 Me and Juliet ダンス・アンサンブル ブロードウェイ、マジェスティック・シアター
1954 パジャマゲームThe Pajama Game ダンサー/グラディス ブロードウェイ、シュバート・シアター
1976 Shirley MacLaine 本人 ブロードウェイ、パレス・シアター
1984 Shirley MacLaine on Broadway 本人 ブロードウェイ、ガーシュウェイン・シアター

日本語吹き替え

小原乃梨子が多くの作品で務めていた。

近年は沢田敏子谷育子などが吹き替えを務めている。

書籍

  • アウト・オン・ア・リム ― 愛さえも越えて(1986年2月)地湧社、山川紘矢・亜希子 訳
アウト・オン・ア・リム(1999年4月、文庫版)角川書店
(1983)
  • ダンシング・イン・ザ・ライト ― 永遠の私をさがして(1987年2月)地湧社、山川紘矢・亜希子 訳
ダンシング・イン・ザ・ライト(1999年6月、文庫版)角川書店
Dancing in the Light (1986)
  • オール・イン・ザ・プレイング ― 私への目覚め(1988年2月)地湧社、山川紘矢・亜希子 訳
オール・イン・ザ・プレイング(1999年7月、文庫版)角川書店
It's All in the Playing (1987)
  • 風を追いかけて(1989年2月)地湧社、山川紘矢・亜希子 訳
Don't Fall Off the Mountain (1970)
  • ゴーイング・ウイズィン ― チャクラと瞑想(1990年1月)地湧社、山川紘矢・亜希子 訳
ゴーイング・ウィズイン(1999年8月、文庫版)角川書店
Going Within: A Guide to Inner Transformation (1990)
  • ダンス・ホワイル・ユー・キャン ― いまを輝かせて(1992年4月)地湧社、山川紘矢・亜希子 訳
ダンス・ホワイル・ユー・キャン(1999年9月、文庫版)角川書店
Dance While You Can (1991)
  • マイ・ラッキー・スターズ ― わがハリウッド人生の共演者たち(1997年8月)早川書房、岩瀬 孝雄 訳
My Lucky Stars: A Hollywood Memoir (1995)
  • カミーノ ― 魂の旅路(2001年6月)飛鳥新社、山川紘矢・亜希子 訳
The Camino: A Journey of the Spirit (2000)
  • 愛犬テリーに教わったこと ― シャーリーと小さな先生の物語(2004年11月)飛鳥新社、山川紘矢・亜希子 訳
Out on a Leash: Exploring the Nature of Reality and Love (2003)

邦訳未刊行

  • McGovern: The Man and His Beliefs (1972)
  • You Can Get There from Here (1975)
  • Sage-ing While Age-ing (2007)
  • I'm Over All That: And Other Confessions (2011)
  • What If...: A lifetime of questions, speculations, reasonable guesses, and a few things I know for sure (2013)
  • Above the Line: My 'Wild Oats' Adventure (2016)

受賞歴

アカデミー賞

受賞
1984年 アカデミー主演女優賞:『愛と追憶の日々』
ノミネート
1959年 アカデミー主演女優賞:『走り来る人々』
1961年 アカデミー主演女優賞:『アパートの鍵貸します』
1964年 アカデミー主演女優賞:『あなただけ今晩は』
1976年 アカデミー長編ドキュメンタリー映画賞:『[[:en:The Other Half of the Sky: A China Memoir|The Other Half of the Sky: A China Memoir]]』
1978年 アカデミー主演女優賞:『愛と喝采の日々』

ゴールデングローブ賞

受賞
1955年 有望若手女優賞
1959年 最も活動的な女優賞
1961年 主演女優賞 (ミュージカル・コメディ部門):『アパートの鍵貸します』
1964年 主演女優賞 (ミュージカル・コメディ部門):『あなただけ今晩は』
1984年 主演女優賞 (ドラマ部門):『愛と追憶の日々』
1989年 主演女優賞 (ドラマ部門)『マダム・スザーツカ』
1998年 セシル・B・デミル賞
ノミネート
1959年 主演女優賞 (ドラマ部門):『走り来る人々』
1960年 主演女優賞 (ミュージカル・コメディ部門):『恋の売込み作戦』
1962年 主演女優賞 (ドラマ部門):『噂の二人』
1967年 主演女優賞 (ミュージカル・コメディ部門):『泥棒貴族』
1968年 主演女優賞 (ミュージカル・コメディ部門):『女と女と女たち』
1970年 主演女優賞 (ミュージカル・コメディ部門):『スイート・チャリティ』
1980年 主演女優賞 (ミュージカル・コメディ部門):『チャンス』
1988年 女優賞 (ミニシリーズ・テレビ映画部門):『Out on a Limb』
1991年 助演女優賞:『ハリウッドにくちづけ』
1993年 主演女優賞 (ミュージカル・コメディ部門):『迷子の大人たち』
1995年 主演女優賞 (ミュージカル・コメディ部門):『不機嫌な赤いバラ』
2003年 女優賞 (ミニシリーズ・テレビ映画部門):『[[:en:Hell on Heels: The Battle of Mary Kay|Hell on Heels: The Battle of Mary Kay]]』
2006年 助演女優賞:『イン・ハー・シューズ』
2009年 女優賞 (ミニシリーズ・テレビ映画部門):『ココ・シャネル』

ニューヨーク映画批評家協会賞

受賞
1984年 主演女優賞:『愛と追憶の日々』

ヴェネツィア国際映画祭

受賞
1960年 女優賞:『アパートの鍵貸します』
1988年 女優賞:『マダム・スザーツカ』

関連項目

外部リンク

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