ジョナサン・ベイリー : ウィキペディア(Wikipedia)

ジョナサン・ベイリー(Jonathan Bailey, 1988年4月25日 - )は、イギリス出身の俳優。代表作には、『ブリジャートン家』のアンソニー・ブリジャートン役や、『フェロー・トラベラーズ』のティム・ラフリン役などがある。

生い立ち

1988年4月25日、イギリス・オックスフォードシャー州で生まれる。母キャロルは聴覚士であり、父スチュアートはローズ・ハニー社の元マネージング・ディレクター兼会長。3人の姉がいる。

5歳のとき、祖母に連れられてロンドンで上演されたミュージカル『オリバー!』を観劇し、俳優を志すようになった。小学校の学芸会『ノアの方舟』では、雨粒役を演じた。

地元の英国国教会系小学校に通った後、オラトリー校に進学し、同時にバレエのレッスンを受けていた。マグダレン・カレッジ・スクールを卒業後、オープン大学で学位を取得した。

キャリア

俳優活動の始まりは、7歳の時にロンドンのバービカン・シアターで上演された1995年のロイヤル・シェイクスピア・カンパニー(RSC)による『クリスマス・キャロル』で、ティム坊やと少年時代のエベネーザ・スクルージを交互に演じた。オーディションでは『オリバー!』の楽曲「Where Is Love?」を歌った。

翌年には、ヴィクトリア朝を舞台にしたテレビドラマ『ブラムウェル』でテレビデビューを果たした。

1996年のRSC公演『天井桟敷の人々』でリトル・バティストを演じた。8歳の頃には、レ・ミゼラブルのウエスト・エンド公演でガブローシュ役を務めている。さらに、ヘクサゴン劇場で上演されたパントマイム『ピーター・パン』では、マイケル・ダーリングを演じた。

2001年には、RSCの『ジョン王』でアーサー王子を演じた。2004年には、イーディス・ネズビットの同名ファンタジー小説を映画化した『ジム・ヘンソンの不思議の国の物語』で映画デビューを果たした。

2006年には、Aレベル試験の最終日に、ロンドンで上演された『ビューティフル・シング』のリバイバル公演の稽古を開始し、アンドリュー・ガーフィールドの後を継いで主演を務めた。『デイリー・テレグラフ』は、この公演について「ベイリーは記憶に残る輝きを放った」と評している。

その後は、イギリスのテレビドラマ『ドクターズ』や『ザ・ビル』などにゲスト出演した。

2009年には、大学1年生の若者たちを描いたBBCのシットコム『Off the Hook』でテレビ初主演を果たした。

自身の俳優としての強みを「予期せぬ出来事が起きた際に即興で対応できる力」であると述べている。

私生活

サイクリングを趣味とし、マラソンやトライアスロンにも参加しているほか、パドルボードや登山を好む。2018年にはネパールのエベレスト・ベースキャンプを踏破。2024年には、自身が後援者を務めるLGBTQ+ユース支援団体「Just Like Us」のため、を完走した。

2024年には、世界中のクィアコミュニティの人々が自由に、そしてありのままの自分らしく生きられるよう支援することを目的とした慈善団体「The Shameless Fund」を立ち上げ、セレブリティやブランドとの協働を通じて資金調達を行っている。初のコラボレーションは、ファッションブランドロエベの「Drink Your Milk」コレクションであった。

2025年9月には、3年間多忙に俳優業に取り組んできたことを理由に、2026年から俳優活動を一時休止し「The Shameless Fund」に注力することを発表した。

出演作品

映画

公開年 題名 役名 備考
2004 『ジム・ヘンソンの不思議の国の物語』 シリル
2007 『Permanent Vacation』 マックス・バリー
『聖トリニアンズ女学院』 カスパー
『』 宮廷人
2013 『NT Live: Othello』 カッシオ 舞台収録
2014 『戦場からのラブレター』 ジェフリー・サーロウ
2016 『The Young Messiah』 ヘロデ
2017 『喜望峰の風に乗せて』 イアン・ウィーラー
2021 『Best Birthday Ever』 声の出演
2024 『ウィキッド ふたりの魔女』 フィエロ
『Up the Catalogue』 ジェレミー
2025 『ジュラシック・ワールド/復活の大地』 ヘンリー・ルーミス博士
『ウィキッド 永遠の約束』 フィエロ ポストプロダクション

舞台

作品 演出 劇場
1995年 『クリスマス・キャロル』 少年スクルージ / タイニー・ティム(代役) イアン・ジャッジ バービカン劇場(ロイヤル・シェイクスピア・カンパニー)
1996年 『Les Enfants du Paradis』 少年バティスト サイモン・キャロウ バービカン劇場(RSC)
1997年–1998年 『レ・ミゼラブル』 ガヴローシュ ジョン・ケアード ロンドン・パレス劇場
2001年–2002年 『ジョン王』 アーサー王子 グレゴリー・ドラン バービカン劇場(RSC)
2006年 『ビューティフル・シング』 ジェイミー トビー・フロウ サウンド・シアター
2007年 『Pretend You Have Big Buildings』 レオン ジョー・コンブズ、サラ・フランコム ロイヤル・エクスチェンジ劇場
2008年 『The Mother Ship』 エリオット ベン・ペイン バーミンガム・レップ劇場
2008年 『真珠の耳飾りの少女』 ピーター ジョー・ダウリング ケンブリッジ・アーツ・シアター / シアター・ロイヤル・ヘイマーケット
2009年 『The House of Special Purpose』 アレクシ ハワード・デイヴィス チチェスター・フェスティバル劇場
2011年、2012年 『South Downs』 ダフィールド ジェレミー・ヘリン チチェスター・フェスティバル劇場 / ハロルド・ピンター劇場
2013年 『The Golden Story』 ロミオ ニコラス・ハイトナー バッキンガム宮殿
2013年 『オセロー』 カッシオ ニコラス・ハイトナー ナショナル・シアター
2013年 『ナショナル・シアター・ライヴ:50周年記念公演』 ヴァレンタイン ニコラス・ハイトナー ナショナル・シアター
2013年 『アメリカン・サイコ』 ティム・プライス ルパート・グールド アルメイダ劇場
2016年 『ラスト・ファイブ・イヤーズ』 ジェイミー・ウェラーシュタイン ジェイソン・ロバート・ブラウン セント・ジェームズ劇場
2017年 『リア王』 エドガー ジョナサン・マーフィー チチェスター・フェスティバル劇場
2017年 『Certain Young Men』 アンドリュー ピーター・ギル ナショナル・シアター
2018年 『The York Realist』 ジョン ロバート・ヘイスティ ドンマー・ウェアハウス / クルーシブル劇場
2018年–2019年 『カンパニー』 ジェイミー マリアンヌ・エリオット ギールグッド劇場
2022年 『Cock』 ジョン アンバサダーズ劇場
2025年 『リチャード二世』 リチャード二世 ニコラス・ハイトナー ブリッジ・シアター

テレビ

作品 役名 備考
1997 『Bramwell』 ウィリアム・キルショー シリーズ3 第6話
『Bright Hair』 ベン・デヴェニッシュ テレビ映画
1998 『アリス・スルー・ザ・ルッキンググラス』 少年時代のルイス テレビ映画
2001 『Baddiel's Syndrome』 ジョシュ 主演
2003 『フェラーリ』 アルフレード・フェラーリ テレビ映画
2004 『Playing a Part: The Story of Claude Cahun』 マン・レイ ドキュメンタリー映画
2005 『ザ・ゴールデン・アワー』 スティーヴン・マーティン 第4話
『Walk Away and I Stumble』 ジャスティン テレビ映画
2007 『ドクターズ』 ジョンノ・ミッチャム 第: "See You in the Morning"
2008 『The Bill』 クリス・ヴィリアーズ 第: "The Hit"
2009 『オフ・ザ・フック』 ダニー・ゴードン 主演
2010 『ルイス』 タイタス・モートメーニュ 第: "The Dead of Winter"
2011 『キャンパス』 フラットパック 主演
2011–2012 『レオナルド』 レオナルド・ダ・ヴィンチ 主演
2012 『Pramface』 グリン 第: "Edinburgh... in Scotland"
『Me and Mrs Jones』 アルフィー 主演
2012–2013 『Groove High』 トム・メイソン 主演
2013 『Some Girls』 カウンセラーのニック シリーズ2 第1話
『Fifty Years on Stage』 ヴァレンタイン・カヴァリー TV映画・「アルカディア」パート
2013–2015 『ブロードチャーチ〜殺意の町〜』 オリー・スティーヴンス 16話出演
2014 『ドクター・フー』 サイ シリーズ8 第5話「Time Heist」
2014–2017 『W1A』 ジャック・パターソン シリーズ1準レギュラーシリーズ2–3主演
2016 『クラッシング』 サム 主演
『フーテン&ザ レディ〜秘宝をめぐる冒険』 エドワード 6話出演
2017 『チューイング・ガム』 アッシュ シリーズ2 第2話「Replacements」
2018 『ジャック・ライアン』 ランス・ミラー 2話出演
2020–現在 『ブリジャートン家』 アンソニー・ブリジャートン卿 主演
2022 『』 本人 ゲスト審査員(シリーズ1 第:「West End Wendys」)
2023 『フェロー・トラベラーズ』 ティム・ラフリン 主演・ミニシリーズ
2024 『The Traitors: The Movie』 ハリー コミック・リリーフ向け特別番組
『ハートストッパー』 ジャック・マドックス シーズン3 第6話「Body」
『Defying Gravity: The Curtain Rises on Wicked』 本人 『ウィキッド』舞台裏特番

外部リンク

出典:フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 | 最終更新:2025/10/08 11:06 UTC (変更履歴
Text is available under Creative Commons Attribution-ShareAlike and/or GNU Free Documentation License.

「ジョナサン・ベイリー」の人物情報へ