サラ・パレツキー : ウィキペディア(Wikipedia)

サラ・パレツキーSara Paretsky、1947年6月8日サラ パレツキーとは - コトバンク - )は、アメリカ合衆国の作家。推理小説、探偵小説を得意とする。代表作にシカゴを舞台に女性私立探偵 V・I・ウォーショースキーの活躍を描くデビュー作『サマータイム・ブルース』("Indemnity Only"、1982年)、『センチメンタル・シカゴ』("Killing Orders"、1985年)などのヴィク・シリーズがある。

パレツキーはアイオワ州エームズ生まれ、カンザス州で育つ。カンザス大学で政治学を学んだのち、シカゴ大学で博士号を取得する。その後はイリノイ州シカゴに居住し活動を続けている。

V・I・ウォーショースキー

サラ・パレツキーの創作した女探偵 V・I・ウォーショースキー (V. I. Warshawski) 。Vはヴィクトリアの略だが、作品中では親しい人以外には教えず、「 V・I」で通す。愛称としては、女性的でない「ヴィク」を本人は好み、父の古い同僚の警部だけ「ヴィッキー」と呼ぶ【サマータイム・ブルーズ」訳者あとがき。元弁護士との設定。

ウォーショースキーの幅広い人物像について、簡単にカテゴライズすると次のようになる。

  • ブラック・ラベル(スコッチウイスキー)を好む。
  • 調査のいと口をつかむため住宅に侵入することもある。
  • 格闘技に優れストリートファイトもこなす。
  • その一方で、身なりにも気を使っている。
  • 母親の希望で習っていたオペラ音楽を要所要所で口ずさむ。
  • 離婚経験者「サマータイム・ブルース」で、独身。男性とのプライベートな交際も時に楽しむ。

ウォーショースキーは、持ち前の気性の激しさ、直情径行なところ、独立心の旺盛さから幾たびとなく危険な目にあうが、 凶悪犯、詐欺師あるいは男性至上主義者といった面々に結局打ち勝つといったところが読者の共感を呼んだ。

パレツキーの描く探偵小説の筋書きは、次のように典型的なスリラーの形式を踏襲している。

  1. 小説の冒頭部では、ある犯罪(しばしば、大企業に関係する。)を隠匿するために殺人事件が起きる。
  2. その後も、殺人事件が連続して起きる。
  3. ウォーショースキーは、殺人者とクライマックスで対峙し辛くもその魔の手から逃れる。

ストーリーの多様性に欠けるきらいもあるが、パレツキーの描く登場人物の生活や生業の描写の精緻さがこれを補っている。 また、舞台であるシカゴの描き方も、やシカゴ・カブスのシーズン中の苦戦など、その地域の風物にあふれている。

1991年、ジェフ・カニュー監督、キャスリーン・ターナー主演で映画化(邦題「私がウォシャウスキー」)。1996年にはNHKで、松坂慶子主演、丸山昇一脚本により「女にも七人の敵」の題で翻案テレビドラマ化されている。

受賞歴

  • 1988年 英国推理作家協会賞(CWA賞) シルバーダガー賞 『ダウンタウン・シスター』
  • 2002年 CWA賞 ダイヤモンド・ダガー賞
  • 2004年 CWA賞 ゴールドダガー賞 『ブラック・リスト』

著書

V・I・ウォーショースキー シリーズ
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|- !#||邦題||原題||刊行年USA||刊行年月Japan||訳者||出版社Japan||ISBN Japan |- |1||サマータイム・ブルース||Indemnity Only||1982年||1985年6月|| rowspan="22" |山本やよい||rowspan="6"|ハヤカワ・ミステリ文庫|| |- |2||レイクサイド・ストーリー||Deadlock||1984年||1986年3月|| |- |3||センチメンタル・シカゴ||Killing Orders||1985年||1986年9月|| |- |4||レディ・ハートブレイク||Bitter Medicine||1987年||1988年7月|| |- |5||ダウンタウン・シスター||Blood Shot||1988年||1989年9月|| |- |6||バーニング・シーズン||Burn Marks||1990年||1991年4月|| |- |7||ガーディアン・エンジェル||Guardian Angel||1992年||1992年9月||rowspan="2"|ハヤカワ・ノヴェルズ|| |- |8||バースデイ・ブルー||Tunnel Vision||1994年||1994年10月|| |- |9||ヴィク・ストーリーズ(短編集)||Windy City Blues||1995年||1994年9月|||ハヤカワ・ミステリ文庫|| |- |10||ハード・タイム||Hard Time||1999年||2000年12月||rowspan="4"|ハヤカワ・ノヴェルズ|| |- |11||ビター・メモリー||Total Recall||2001年||2002年12月|| |- |12||ブラック・リスト||Blacklist||2003年||2004年9月|| |- |13||ウィンディ・ストリート||Fire Sale||2005年||2006年6月|| |- |14||ミッドナイト・ララバイ||Hardball||2009年||2010年9月|| rowspan="9" |ハヤカワ・ミステリ文庫|| |- |15||ウィンター・ビート||Body Work||2010年||2011年9月|| |- |16||ナイト・ストーム||Breakdown||2012年||2012年9月|| |- |17||セプテンバー・ラプソディ||Critical Mass||2013年||2015年1月|| |- |18||カウンター・ポイント||Brush Back||2015年||2016年12月|| |- |19||フォールアウト||Fallout||2017年||2017年12月|| |- |20||クロス・ボーダー||Shell Game||2018年||2021年9月|| |- |21||ペインフル・ピアノ||Dead Land||2020年||2022年11月|| |- |22||コールド・リバー||Overboard||2022年 |2024年2月 | |- |23||||Pay Dirt||2024年 |}

その他の作品
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|- !#||邦題||原題||刊行年USA||刊行年月Japan||訳者||出版社Japan||ISBN Japan |- |1||ゴースト・カントリー||Ghost Country||1998年||1998年8月||rowspan="3"|山本やよい|||ハヤカワ・ノヴェルズ|| |- |2||沈黙の時代に書くということ―ポスト9・11を生きる作家の選択||Writing in an Age of Silence||2007年||2010年9月|||早川書房|| |- |3||ブラッディ・カンザス||Bleeding Kansas||2008年||2009年1月|||ハヤカワ・ノヴェルズ|| |- |}

外部リンク

  • 公式ウェブサイト

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