フィン・ウィットロック : ウィキペディア(Wikipedia)
フィン・ウィットロック( Finn Wittrock ,1984年10月28日 - )は、アメリカ合衆国の俳優で脚本家である。
ウィットロックはいくつかのTVシリーズにゲスト出演して俳優のキャリアを始めた。映画出演は2004年の『Halloweentown High』のコーディー役が最初で、2010年の映画『Twelve』から、また映画に出演するようになった。ジュリアード音楽院を卒業した後は、TVシリーズ『All My Children 』に2009年からレギュラー出演をしている。
またステージ作品では、2011年にオフ・ブロードウェイで、トニー・クシュナーの『The Illusion』に出演して、2012年マイク・ニコルズ監督による、アーサー・ミラー作品『セールスマンの死』のハッピー役でブロードウェイにデビューをした。
2014年に、TV映画『ノーマル・ハート』でのアルバート役が認められて、FXシリーズ『アメリカン・ホラー・ストーリー:怪奇劇場』にダンディ・モット役で出演した。この役でウィットロックはプライムタイム・エミー賞にノミネートされた。
経歴
ウィットロックは、俳優のピーター・L・ウィットロック・シニアを父として、南カリフォルニア大学の作業療法教授のケイト・クレア・クローリーを母としてマサチューセッツ州レノックスで生まれた。家族はほかに弟のディランがいる。
父がシェイクスピア・アンド・カンパニー・シアターで働いていたので、小さな頃からシアターの中で育って、ステージでペイジ・ボーイやメッセンジャーの役目を果たしていた。ハイ・スクールは"LACHSA"に通って、演技のクラスで学び、演技と映画製作を行っていた。卒業後にジュリアード音楽院の入学許可を得たものの、しばらくはL.A.で、自分の俳優としての可能性を試すほうを選んで、この時は入校しなかった。
ウィットロックはL.A.でテレヴィジョンのいくつかのエピソードに出演した。そして、翌年のジュリアード音楽院への入学を希望して受け入れられた。ドラマ部門の『グループ37(2004年-2008年)』に所属して、いくつかのシアター作品に出演した。またウィットロックはジュリアード・ジャーナルへの貢献が認められて"Juilliard Journal Award"を受賞した。そして、ドラマ部門での"Stephanie Palmer McClelland Scholarship"の受賞者でもあった。2008年にBFAを取得してジュリアード音楽院を卒業した。
キャリア
ジュリアード音楽院を卒業して2008年に、ワシントンD.C.にあるシェイクスピア・シアター・カンパニー製作の『ロミオとジュリエット』でロミオを演じた。そして、バークシャー・シアター・フェスティヴァル製作の『キャンディダ』ではユージーン・マーチバンクス役で出演した。TVシリーズの『All My Children』ではデイモン・ミラー役で2009年から2011まで、長期に出演を続けた。また、2009年、オフ・ブロードウェイの『The Age of Iron』ではトロイルス役で出演し、2010年のティーン・ドラマの映画『Twelve』ではウォーレン役で出演した。
ウィットロックは、2011年にオフ・ブロードウェイで、劇作家トニー・クシュナーの作品『The Illusion』に出演した。ステージを見に来ていたマイク・ニコルズ監督は、プロデューサーのスコット・ルーディンのもとでオーディションを受けるようにすすめた。アーサー・ミラーの『セールスマンの死』のリヴァイヴァル上演でニコルズが監督予定のものであった。2012年に、ウィットロックはこの作品のハッピー役でブロードウェーにデビューをした。ウィリー役のフィリップ・シーモア・ホフマンやビフ役のアンドルー・ガーフィールドと共演したものであった。2012年『セールスマンの死』の上演で、監督のニコルズはトニー賞の演劇リヴァイヴァル作品賞を受賞し、ウィットロックはシアター・ワールド賞とクラレンス・ダーウェント・アウォーズの"Most Promising Male Performer"を受賞した。
2014年には、TV映画『ノーマル・ハート』でライアン・マーフィー監督の作品に出演した。また2014年はウィットロックが出演した、映画『ニューヨーク 冬物語』と『ノア 約束の舟』が公開された。そして、マーフィーの作品に次に出演したのが、FXアンソロジー・シリーズ『アメリカン・ホラー・ストーリー:怪奇劇場』でのダンディ・モット役であった。このダンディ・モット役で。プライムタイム・エミー賞、ファンゴリア・チェーンソー賞、そして放送映画批評家協会TV賞にノミネートされた。2014年に公開された、アンジェリーナ・ジョリー監督の『不屈の男 アンブロークン』では、ルイ役のジャック・オコーネルと共に第二次世界大戦でアメリカ空軍の爆撃手だったマック役で出演した。
2017年、ウィットロックはサム・ゴールド監督の『ガラスの動物園』でサリー・フィールドやジョー・マンテロと共にジム・オコーナーの役でブロードウェイに復帰した。この上演は3月23日にオープンして、7月2日に終了した。
私生活
ウィットロックは2014年10月18日に、長年のガールフレンドであったサラ・ロバーツと結婚した。ロバーツはジュリアード音楽院の卒業生であった。
出演作品
映画
公開年 | 邦題原題 | 役名 | 備考 |
---|---|---|---|
2004 | Halloweentown High | Cody | |
2010 | トゥエルヴTwelve | ウォーレンWarren | |
2014 | ニューヨーク 冬物語Winter's Tale | ゲイブリエル(ガブリエル)Gabriel | |
ノア 約束の舟Noah | 若年期のテューバル=ケイン(トバルカインまたは新共同訳聖書によるトバル・カイン)Young Tubal-cain | ||
不屈の男 アンブロークンUnbroken | フランシス・マクナマラ(愛称マック)Francis "Mac" McNamara | ||
2015 | My All American | Freddie Steinmark | |
The Submarine Kid | Spencer Koll | ||
マネー・ショート 華麗なる大逆転The Big Short | ジェイミー・シップリーJamie Shipley | ||
2016 | ラ・ラ・ランドLa La Land | グレッグGreg | |
2017 | Landline | Nate | |
A Midsummer Night's Dream | Demetrius | ||
2018 | Locating Silver Lake | Seth | (completed) |
意表をつくアホらしい作戦A Futile and Stupid Gesture | ティム・マシスンTim Matheson | ||
ビール・ストリートの恋人たちIf Beale Street Could Talk | ヘイワードHayward | ||
Green Olds | Oscar | ||
Write When You Get Work | Jonny Collins | ||
2019 | ラストブラックマン・イン・サンフランシスコThe Last Black Man in San Francisco | クレイトン・ニューサムClayton Newsom | |
ジュディ 虹の彼方にJudy | ミッキー・ディーンズMickey Deans | ||
2021 | ロング・ウィークエンドLong Weekend | バートBart | |
星の消えた空にA Mouthful of Air | イーサン・デイヴィスEthan Davis | ||
2022 | 底知れぬ愛の闇Deep Water | ドム | Hulu(アメリカ)およびAmazon Prime Video(アメリカ以外)で配信 |
TVドラマとTVシリーズ
放映年 | 邦題原題 | 役名 | 備考 |
---|---|---|---|
2003 | コールドケース 迷宮事件簿Cold Case | エリック・ウィットリーYoung Eric Whitley | 第1シーズン第1話「テニスラケット」 |
2003 | ER緊急救命室ER | トーマス・ヨーダーThomas Yoder | 第10シーズン第9話「去りし者」 |
2004 | CSI: Miami ]] | チャド・ヴァン・ホーンChad Van Horn | 第3シーズン第4話「汚染の輪」 |
2009–2011 | All My Children | Damon Miller | 計112話出演 |
2011 | Torchwood: Miracle Day ]] | Danny | Episode: Rendition |
2012 | ハリーズ・ロー 裏通り法律事務所Harry's Law | ジミー・コーマックJimmy Cormack | 第2シーズン第12話「命の切り札」 |
2012 | クリミナル・マインド FBI行動分析課Criminal Minds | ハーヴェイ・モレルHarvey Morell | 第7シーズン第11話「天才 vs. 天才」 |
2013 | Law & Order: Special Victims Unit ]] | キャメロン・タイラーCameron Tyler | 第15シーズン第5話「二度目の悲劇」 |
2013 | Masters of Sex | Dale | 計4話出演 |
2014 | ノーマル・ハートThe Normal Heart | アルバートAlbert | TV映画 |
2014–2015 | American Horror Story: Freak Show ]] | ダンディ・モットDandy Mott | 計12話出演 |
2015 | Deadbeat | Max | Episode: The Polaroid Flasher |
2015–2016 | American Horror Story: Hotel]] | トリスタン・ダフィーTristan Duffy | 計6話出演 |
2015 | American Horror Story: Hotel]] | ルドルフ・ヴァレンティノRudolph Valentino | 計3話出演 |
2016 | [[:en:American Horror Story: Roanoke>American Horror Story: Roanoke]] | ケイン・ポークCain Polk | 2 Episodes |
2018 | [[:en:The Assassination of Gianni Versace: American Crime Story>The Assassination of Gianni Versace: American Crime Story]] | ジェフリー・トレイル(愛称ジェフ)Jeffrey Trail | 3 episodes |
2020 | ラチェッドRatched | Netflixオリジナルシリーズ | |
ステージ
上演年 | 題名 | 役名 | 備考 |
---|---|---|---|
2008 | キャンディダCandida | ユージーン・マーチバンクスEugene Marchbanks | Berkshire Theatre Festival |
2008 | ロミオとジュリエットRomeo and Juliet | ロミオRomeo | Shakespeare Theatre Company |
2009 | The Age of Iron | Troilus | Classic Stage Company |
2011 | The Illusion | CalistoClindorTheogenes | Signature Theatre Company |
2012 | セールスマンの死Death of a Salesman | ハロルド・ローマン(愛称ハッピー) Harold "Happy" Loman | Ethel Barrymore Theatre |
2012 | The Deep Blue | Jamie | Williamstown Theatre Festival |
2012 | 青春の甘き小鳥Sweet Bird of Youth | チャンス・ウェインChance Wayne | (1962年映画題名:渇いた太陽)The Goodman Theatre |
2013 | The Guardsman | The Actor | The Kennedy Center |
2016 | オセロOthello | キャシオMichael Cassio | New York Theatre Workshop |
2017 | ガラスの動物園The Glass Menagerie | ジム・オコーナーJim O'Connor | Belasco Theatre |
受賞とノミネーション
年度 | 賞 | 部門 | 作品名 | 結果 |
---|---|---|---|---|
2012 | シアター・ワールド賞 | Theatre World Award | セールスマンの死Death of a Salesman | |
クラレンス・ダーウェント・アウォーズ | Most Promising Male Performer | |||
2015 | クリティクス・チョイス・テレビジョン・アワード | Best Supporting Actor in a Movie/Miniseries | アメリカン・ホラー・ストーリー:怪奇劇場[[:en:American Horror Story: Freak Show|American Horror Story: Freak Show]] | |
ファンゴリア・チェーンソー賞 | Favorite Supporting Actor on Television | |||
プライムタイム・エミー賞 | Outstanding Supporting Actor in a Miniseries or a Movie | |||
2015 | クリティクス・チョイス・アワード | Best Acting Ensemble | マネー・ショート 華麗なる大逆転The Big Short | |
ナショナル・ボード・オブ・レビュー賞 | Best Ensemble | |||
全米映画俳優組合賞 | Outstanding Performance by a Cast in a Motion Picture | |||
ワシントンD.C.映画批評家協会賞 | Best Ensemble | |||
参照
外部リンク
出典:フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 | 最終更新:2023/12/23 07:39 UTC (変更履歴)
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