キム・ロッシ・スチュアート : ウィキペディア(Wikipedia)
キム・ロッシ・スチュアート(, 1969年10月31日 - )は、イタリアの俳優、映画監督である。
人物
ローマ出身。『愛のめぐりあい』、『ピノッキオ』、『家の鍵』、『野良犬たちの掟』、『ハートの問題』等、数多くの映画への出演で知られる。2005年公開の『気ままに生きて』で監督デビューを果たした(脚本・主演も兼任)。
現在までに、ダヴィッド・ディ・ドナテッロ賞を一度、ナストロ・ダルジェント賞を三度、イタリア・ゴールデングローブ賞を二度、チャック・ドーロ賞を三度、フライアーノ賞を三度受賞している。
経歴
1969年10月31日、スコットランド系イタリア人俳優の父ジャコモ・ロッシ・スチュアート(Giacomo Rossi Stuart)と、ドイツ系およびオランダ系の元モデルの母クララ・ミュラー(Klara Müller)の間に生まれる。三人の姉妹がおり、妹のヴァレンティナは女優である。パートナーの女優イラリア・スパーダ(Ilaria Spada)との間に息子が一人いる。
映画
5歳から映画に出演し、1984年、14歳で初めてテレビシリーズの主演を務める。1987年公開の『カラテ・キッド』および翌年公開の続編『カラテ・キッド/激闘編』を経て、ランベルト・バーヴァ(Lamberto Bava)監督のファンタジー大作『Fantaghirò』シリーズによって広く知られるようになる。
1994年には『アパッショナート』と『Cuore cattivo』に相次いで出演し、いずれも高い評価を得る。続けて、ミケランジェロ・アントニオーニとヴィム・ヴェンダースの共同監督によるオムニバス映画『愛のめぐりあい』(1995年)、スタンダールの同名小説を原作としたテレビ映画『赤と黒』(1998年)等、数多くの映画やテレビドラマに出演して人気を博し、2002年公開のロベルト・ベニーニ監督作『ピノッキオ』ではルシーニョロ役を演じる。
その後、ジャンニ・アメリオ監督作『家の鍵』(2004年)でイタリア・ゴールデングローブ主演男優賞、ミケーレ・プラチド監督作『野良犬たちの掟』(2005年)でナストロ・ダルジェント主演男優賞を受賞し、俳優としての地位を不動のものとする。
2007年には初監督作品『気ままに生きて』がカンヌ国際映画祭で上映され、同作によりダヴィッド・ディ・ドナテッロ新人監督賞を受賞する。
2009年公開のフランチェスカ・アルキブージ監督作『ハートの問題』ではアントニオ・アルバネーゼ(Antonio Albanese)とともにダヴィッド・ディ・ドナテッロ主演男優賞およびナストロ・ダルジェント主演男優賞にノミネートされ、再びミケーレ・プラチドとタッグを組んだ『Vallanzasca - Gli angeli del male』(2011年公開)では実在のマフィアを演じてナストロ・ダルジェント主演男優賞を受賞した。
その後の出演作としては、ダニエーレ・ルケッティ(Daniele Luchetti)監督作『ハッピー・イヤーズ』(2013年)、タヴィアーニ兄弟監督作『素晴らしきボッカッチョ』(2015年)などがある。2016年には11年ぶりの監督作品となる『Tommaso』が公開された(兼脚本・主演)。
舞台
1987年、ミラノのピッコロ座にてアンドレ・ジッド作『フィロクテート』に出演し、舞台デビューを飾る。1996年にはエリック=エマニュエル・シュミット作『訪問者』イタリア語版の初演に出演する。その他、『リア王』(1994年)、『ハムレット』(1998-99年)、『マクベス』(2000年)等に出演している。
出版
2019年1月24日、短編小説集『Le Guarigioni』を出版し、小説家としてデビューした。
フィルモグラフィー
映画
+ | 公開年 | 邦題 | 原題 | 役名 | 備考 |
---|---|---|---|---|---|
1986 | 薔薇の名前 | Il nome della rosa | |||
1987 | カラテ・キッド | Il ragazzo dal kimono d'oro | アンソニー・スコット | ||
Il mistero del panino assassino | |||||
1988 | カラテ・キッド/激闘編 | Il ragazzo dal kimono d'oro 2 | アンソニー・スコット | ||
ドミノという女 | Domino | ユージーン | |||
1989 | Obbligo di giocare - Zugzwang | ||||
Lo zio indegno | アンドレア | ||||
1991 | 愛と欲望の18才/ギャング | 18 anni tra una settimana | |||
1992 | Un'altra vita | ルチャーノ | |||
In camera mia | |||||
1994 | Cuore cattivo | クラウディオ・スカリーゼ | |||
アパッショナート | Senza pelle | サヴェリオ | |||
1995 | 愛のめぐりあい | Al di là delle nuvole | シルヴァーノ | ||
Poliziotti | アンドレア | ||||
1998 | La ballata dei lavavetri | ラファル | |||
I giardini dell'Eden | ヨシュア | ||||
2002 | ピノッキオ | Pinocchio | ルシーニョロ | ||
2004 | 家の鍵 | Le chiavi di casa | ジャンニ | ||
2005 | 野良犬たちの掟 | Romanzo criminale | フレッド | イタリア映画祭2007上映時タイトル『犯罪小説』 | |
気ままに生きて | Anche libero va bene | レナート・ベネッティ | 兼監督・脚本 | イタリア映画祭2007にて上映 | |
2007 | Piano, solo | ルカ・フローレス | |||
2009 | ハートの問題 | Questione di cuore | アンジェロ | ||
2010 | Vallanzasca - Gli angeli del male | レナート・ヴァランザスカ | |||
2013 | ハッピー・イヤーズ | Anni felici | グイド | 第26回東京国際映画祭にて上映 | |
2014 | L'Ex de ma vie | ||||
2015 | 素晴らしきボッカッチョ | Maraviglioso Boccaccio | カランドリーノ | イタリア映画祭2016にて上映 | |
2016 | Tommaso | トンマーゾ | 兼監督・脚本 | ||
2020 | 離ればなれになっても | Gli anni più belli | パオロ | ||
きっと大丈夫 | Cosa sarà | ブルーノ | イタリア映画祭2020にて上映 | ||
2022 | Brado | レナート | 兼監督・脚本 |
テレビ
+ | 放映年 | 邦題 | 原題 | 役名 | 備考 |
---|---|---|---|---|---|
1984 | I ragazzi della valle misteriosa | ||||
1987 | Il generale | メノッティ・ガリバルディ | |||
1988 | Il ricatto | ルカ・フェデーリ | ミニシリーズ | ||
1989 | Valentina | ブルーノ | |||
1989 - 1990 | Senza scampo | アドリアーノ | |||
1991 | Fantaghirò | ロムアルド | |||
Dove'eri quella notte | |||||
Dalla notte all'alba | |||||
1992 | Un posto freddo in fondo al cuore | ||||
Il cielo non cade mai | ニコラ・ブレンターノ | ||||
Fantaghirò 2 | ロムアルド | ||||
1993 | Fantaghirò 3 | ロムアルド | |||
1994 | Fantaghirò 4 | ロムアルド | |||
1995 | La famiglia Ricordi | ヴィンチェンツォ・ベッリーニ | |||
1998 | 赤と黒 | Il rosso e il nero | ジュリアン・ソレル | ||
2001 | Uno bianca | ヴァレリオ・マルデージ | |||
2004 | Il tunnel della libertà | ドメニコ(ミンモ)・セスタ | |||
2007 | Romanzo criminale | フレッド | 同名映画『野良犬たちの掟』(2005年)のテレビシリーズ化 | ||
2017 | Maltese - Il romanzo del Commissario | ダリオ・マルテーゼ |
主な受賞
- ダヴィッド・ディ・ドナテッロ新人監督賞(2007年) 『気ままに生きて』
- ナストロ・ダルジェント新人監督賞(2006年) 『気ままに生きて』
- ナストロ・ダルジェント主演男優賞(2006年) 『野良犬たちの掟』
- ナストロ・ダルジェント主演男優賞(2011年) 『Vallanzasca - Gli angeli del male』
- イタリア・ゴールデングローブ主演男優賞(2005年) 『家の鍵』
- イタリア・ゴールデングローブ第1回作品賞(2007年) 『気ままに生きて』
- チャック・ドーロ主演男優賞(1995年) 『アパッショナート』
- チャック・ドーロ第1回作品賞(2007年) 『気ままに生きて』
- チャック・ドーロ主演男優賞(2011年) 『Vallanzasca - Gli angeli del male』
外部リンク
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