団野健 : ウィキペディア(Wikipedia)
団野 健(だんの たけし)は、日本の音楽/映画プロデューサー、コーディネーター、DJ/選曲家。1968年、名古屋市生まれ。「株式会社団野企画」代表取締役社長。
レコード会社や音楽事務所にて坂本龍一、小林武史、松任谷由実などの著名アーティストのもとで制作や宣伝を担当した後、フリーランスで活動。
RIP SLYME、Steady&co.、GReeeeN、HKT48、少女時代、TWICE、SHINee、池田エライザ、郷ひろみ、原口沙輔などの制作に携わっており、担当するアーティストは多岐にわたる。
略歴
1993年にフォーライフ・レコードに属する。翌1994年、坂本龍一が同社に立ち上げたレーベル「güt」のスタッフとしてキャリアをスタート。その後は坂本が移籍したワーナーミュージック・ジャパンに移り、坂本だけでなく、RIP SLYME、Steady&co.などヒップホップのアーティストも担当。
小林武史が社長をつとめる烏龍舎に籍を移してからは、小林、坂本、桜井和寿(Mr.Children)の3人によって設立されたap bankの運営に参画。
ユニバーサルミュージックでは松任谷由実、少女時代・SHINeeなどの韓国アーティスト、GReeeeN、HKT48など幅広いジャンルのアーティストを手掛ける。
ワーナーミュージック・ジャパンへ復帰し、新設された子会社「CENTRO」の副代表に就任。TWICEなどのマネージメントに従事後、フリーランスとして独立。
2025年リリースの松任谷由実の40thアルバム『Wormhole / Yumi AraI』では、「Strategy Manager」としてアルバム制作を統括。
年譜
1993年~1998年(フォーライフ・レコード)
- 坂本龍一がフォーライフ・レコードに設立したレーベル「güt」でキャリアをスタート。
1998年~2004年(ワーナーミュージック・ジャパン)
2004年~2011年(烏龍舎)
- 小林武史、坂本龍一、桜井和寿(Mr.Children)の3人によって設立された環境保全のための非営利団体「ap bank」や、ap bank主催の野外音楽フェスティバル「ap bank fes」の運営に参画。
- 小林武史監督・赤西仁主演の映画『 BANDAGE バンデイジ』(2010年)を制作。
2011年~2018年(ユニバーサルミュージック)
- 少女時代、SHINeeなど韓国アーティストをはじめとして、GReeeeN、HKT48などの幅広いアーティストを手掛ける。
2018年~2021年(ワーナーミュージック・ジャパン / CENTRO)
- ワーナーミュージック・ジャパンに復帰し、新設の子会社「CENTRO」の副代表として、秋元康との共同プロジェクトやTWICEなどのマネージメントを担当
2021年~2023年(フリーランス)
- 郷ひろみのデビュー50周年記念シングル『100GO!回の確信犯/狐火』(2021年)をプロデュース。「100GO!回の確信犯」にはトラックメイカーとして原口沙輔を起用し、これまで発表してきたシングル105曲の中から代表曲16曲をサンプリングして楽曲を再構築。「狐火」は2020年のバート・バカラックの新曲をカヴァーであり、日本語の歌詞は川谷絵音が書き下ろし、トラック制作は団野自身が手掛けた郷ひろみ『100GO!回の確信犯/狐火』ブックレット。
- 2021年に開催された東京パラリンピックの閉会式で、音楽と演出の部分的な担当を原口沙輔と共同で手掛けた。
- 池田エライザのアーティスト活動である、ELAIZA名義でのデビューアルバム『失楽園』(2021年)をプロデュースELAIZA『失楽園』ブックレット。
2023年~(株式会社団野企画)
- 2023年に「株式会社団野企画」を設立し、代表取締役社長に就任。
- 独立後も松任谷由実のスタッフを継続し、アルバムやツアーをはじめとして、映画『THE JOURNEY 50TH ANNIVERSARY コンサートツアー movie ?5.1ch/4K?』も制作。
- 鈴木茂、小原礼、林立夫、松任谷正隆の4人によるバンド「SKYE」では、アルバム制作を担当。
その他のエピソード
- 父方の実家がある京都の与保呂村には、壇ノ浦の戦いの後に隠遁した平家に関する伝承が残されており、調査を詳細に進めていくと、団野家は平家の末裔であり、苗字の「団野」と「壇ノ浦」にも関連性がある事が判明した「株式会社団野企画」会社説明資料(2023年)。
- 最初はYMOを洋楽だと思って聴いていた。洋楽であれば、海外公演も当たり前のことだと思い、気にも留めていなかったが、後にテレビでメンバーが日本人である事を知って驚愕した。
- 岡田有希子と同じ名古屋市内の高校出身で、岡田と同時期に在学。坂本龍一が作曲を手掛けた岡田有希子の8thシングル「くちびるNetwork」(1986年)を、のちに中谷美紀は「クロニック・ラヴ」としてカバーしているが、十数年の歳月が過ぎても残されていた岡田に対する強いインプレッションが、このアイディア実現の端緒になった。
- 生粋のシンセサイザーマニアであり、匿名で投稿した楽曲が、坂本龍一のラジオ番組(J-WAVE)でオンエアされたこともある。
- 少女時代の圧倒的なライブパフォーマンスを目の当たりにして、強靭かつ洗練された身体性に衝撃を受けるとともに、同グループを担当するにあたって、メンタルだけでなく、ハイレベルなフィジカルの必要性を痛感。このときの体験を契機にジョギングを習慣化し、今までにフルマラソンを3回完走。
- その仕事ぶりから、松任谷由実より「武器商人」と評されている。
主な担当作品
- 坂本龍一『sweet revenge』(フォーライフ、1994年)
- 坂本龍一『Smoochy』(フォーライフ、1995年)
- 坂本龍一『BTTB』(ワーナー、1998年)
- 坂本龍一『ウラBTTB』(ワーナー、1999年)
- 坂本龍一『AUDIO LIFE』(ワーナー、1999年)
- 坂本龍一『御法度』(ワーナー、1999年)
- 坂本龍一『LOST CHILD』(ワーナー、1999年)
- 坂本龍一『L.O.L. Lack of Love』(ワーナー、2000年)
- 坂本美雨『Aquascape』(ワーナー、1998年)
- 坂本美雨『in aquascape』(ワーナー、1999年)
- 坂本美雨『鉄道員』(ワーナー、1999年)
- 坂本美雨『DAWN PINK』(ワーナー、1999年)
- 坂本美雨『I’ll believe the look in your eyes / ひとつだけ』(ワーナー、2000年)
- 中谷美紀『フロンティア』(ワーナー、1999年)
- 中谷美紀『こわれたこころ』(ワーナー、2000年)
- 中谷美紀『クロニック・ラヴ』(ワーナー、2000年)
- 半野義弘『永遠の仔』(ワーナー、2000年)
- スケボーキング『TOKIO LV』(ワーナー、2001年)
- Steady & Co.『CHAMBERS』(ワーナー、2001年)
- RIP SLYME『FIVE』(ワーナー、2001年)
- RIP SLYME『TOKYO CLASSIC』(ワーナー、2002年)
- Bank Band『沿志奏逢2』(トイズファクトリー、2008年)
- 少女時代『GIRLS' GENERATION』(ユニバーサルミュージック、2011年)
- HKT48『092』(ユニバーサルミュージック、2017年)
- ELAIZA 『失楽園』(ユニバーサルミュージック、2021年)
- 郷ひろみ『100GO!回の確信犯/狐火』
- 松任谷由実『ユーミンからの、恋のうた。』(ユニバーサルミュージック、2018年)
- 松任谷由実『ユーミン万歳!』(ユニバーサルミュージック、2022年)
- 松任谷由実『ユーミン乾杯!!』(ユニバーサルミュージック、2023年)
- SKYE『SKYE』(日本コロムビア、2021年)
- SKYE『Collage』(日本コロムビア、2024年)
出典
出典:フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 | 最終更新:2025/10/04 07:10 UTC (変更履歴)
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