砂原良徳 : ウィキペディア(Wikipedia)
砂原 良徳(すなはら よしのり、1969年9月13日 - )は、日本のテクノミュージシャン、マスタリング・エンジニア。1991年から1999年まで電気グルーヴのメンバーとして活動。「日本プロ音楽録音賞」ベストパフォーマー賞受賞者。2022年よりTESTSETのメンバーとしても活動中。愛称は「まりん」。
略歴
北海道札幌市豊平区出身読売新聞 2011年4月22日夕刊12面「砂原良徳を変えたイエロー・マジック・オーケストラ」。小学4年の時、地元のロボット展示会で耳にしたYMOの『中国女』が、自らの音楽的な出発点という。中学生でシンセサイザーを始め、YMOやクラフトワークなどの、テクノポップ・ニューウェーブの影響を強く受ける。1991年には平沢進のコンサートツアー「ヴァーチュアル・ラビット・ツアー」でのサポートメンバーを経て平沢から解凍後のP-MODELへの加入を願われたが、1991年春、かねてから交流のあった石野卓球に渡したデモテープがきっかけとなりCMJK脱退後の電気グルーヴのメンバーとして同年夏に加入KB SPECIAL キーボード スペシャル 1993年6月号。8年間の活動後、フランスで開催された音楽ビジネスの国際見本市「MIDEM」でのライヴを最後に1999年4月2日付で正式に脱退。
本格的な本人名義のソロ活動の開始は1995年から。 ソロデビュー作『CROSSOVER』ではアナログシンセの使用を制限し、サンプリング主体によるモンド・ラウンジ路線の作品を発表し大きな話題を集めた。その傾向は電気グルーヴ本体の活動にも影響を与えている。 バンド脱退後に発表したアルバム『LOVEBEAT』ではよりシンプルなエレクトロニック・サウンドに進化した。 日本国内のみならずドイツのBungalowレーベルからは全アルバムがリリースされている。その一方、SUPERCARやACOなど他アーティストのプロデュースでも活躍中。リミキサーとしてはYMO、テイ・トウワ(TOWA TEI)、リップスライム、Fantastic Plastic Machine、福富幸宏、高橋幸宏、ピチカートファイヴ、GREAT3、コーネリアス、テレックス、森若香織、李博士、矢野顕子、Coldcut、DE DE MOUSE、フルカワミキ、サカナクション、土岐麻子、東京事変、椎名林檎など多数の作品を手掛ける。
小山田圭吾とは1990年代後半より親交が深い。リミックス以外で表立った共演はなかったが、2010年に小山田のアルバム『FANTASMA』のリマスターを担当した。
クイズ番組『カルトQ』のYMO特集で優勝している。序盤は苦戦していたが、点数がランクアップする問題に差し掛かると正解を連発、一気に他の回答者をごぼう抜きにし、最終問題の段階で既に優勝が決まっているほどの点数を獲得した。
2014年から、高橋幸宏、小山田圭吾、テイ・トウワ、ゴンドウトモヒコ、LEO今井らと共にMETAFIVEのメンバーとしても活動している。
2021年、8月20日に相対性理論のギタリストの永井聖一と、GREAT3のドラマーにして高橋幸宏とLEO今井とも縁が深い白根賢一をサポートメンバーに迎え、『METAFIVE(砂原、LEO今井)』でフジロックフェスティバル'21のホワイトステージに出演。。
同年の8月22日にはフジロック'21のセトリ最後の出演者として『砂原良徳』名義でレッドマーキーステージにて公演。
2022年2月より、フジロック'21特別編成版のMETAFIVEを『TESTSET(砂原良徳×LEO今井×白根賢一×永井聖一)』と命名し、メンバーの一員として活動を開始。
同年12月6日、『LOVEBEAT 2021 Optimized Re-Master』の360 Reality Audio版の中から「LOVEBEAT」が「日本プロ音楽録音賞」ベストパフォーマー賞を受賞。
作品
ソロ活動
シングル
- 708090 - 1998年11月11日
- subliminal - 2010年7月28日
シングル(アナログ)
- MFRFM - 1996年
- TOKYO UNDERGROUND AIRPORT - 1998年
2ndアルバム『TAKE OFF AND LANDING』の予告編という扱いにはなっているが、実際は同作冒頭に登場する『新宿都庁跡の地下に建てられた架空の空港』のノベルティとして製作された港内案内レコードという設定で、ひとつの音楽作品というよりは、もはやSF作品ともいうべき内容。豪華なブックレットとステッカー(実在の航空会社のロゴ)のついたピクチャー盤である。全体のデザインも含め、常盤響とのコラボレーション作という趣が強い。砂原自身「こういうものが欲しかった」という物欲を満たすために製作したと発言しており、半ばコスト度外視で、極少数がリリースされたのみの貴重な一枚である。B面にはアルバム「CROSSOVER」のダイジェスト・カットアップを収録。
- JOURNEY BEYOND THE STARS - 1998年
- CRIPPER'S DISCOTIQUE BREAK - 1999年
ドイツの音楽レーベルBungalow(バンガロウ)からのリリース。サンプリングの権利関係の問題で、現在は『hypnotize』というタイトルでカヴァーという扱い。
- LOVE BEAT - 1999年
ドイツBungalowからのリリース。2001年リリースのアルバム『LOVEBEAT』収録の表題曲とは同名異曲で、日本盤には収録されていない。電気グルーヴ脱退後初のリリースとなりファンの話題をあつめたが、実際には電気グルーヴ在籍時にとあるファッションショーのために書き下ろされた曲が後になってリリースされたものである。
- LOVEBEAT - 2002年
ドイツBungalowからのリリース。12インチシングル盤。ドイツにおいてはアルバム『LOVEBEAT』(日本盤は2001年、ドイツ盤は2002年リリース)に先行する形で発売された。A面にはアルバム『LOVEBEAT』表題曲の長尺版「Lovebeat (Not Space) - Deep And Long」を、B面には同アルバムより「In And Out」・「Balance」をそれぞれ収録している。
アルバム
# | 発売日 | タイトル | 規格品番 | 収録曲 | 備考 | |||||||||||||||||||||||||||||||||||
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1st | 1995年9月1日 | CROSSOVER | KSC2-130 | 全12曲 | # MFRFM (MUSIC FOR ROBOT FOR MUSIC) | # STINGER STINGRAY | # WHIRL POOL | # SILVER RIPPLES | # THE LONG VOWEL | # HURALOOP | # MUDDY WATER | # ELEGANT WORLD | # CLOUDS ACROSS THE MOON | # OVERTIME WORK | # HURALOOP(AUDIO ACTIVE REMIX) | # MFRFM (ARMED) | ||||||||||||||||||||||||
2nd | 1998年5月21日 | TAKE OFF AND LANDING | KSC2-205 | 全14曲 | # Information of TUA | # Cross wind take off | # Magic sunset st. | # Sony romantic electro wave | # Sun song '80 | # 2300 Hawaii | # Count down | # journey beyond the stars | # Life & space | # NO sun | # The good timing of world of love song | # Summer | # My love is like a red, red rose | # Welcome to Japan | ||||||||||||||||||||||
3rd | 1998年11月11日 | THE SOUND OF 70's | KSC2-243 | 全8曲 | # THEME FROM TAKE-OFF (MAGIC SUNSET) | # THE NEW WORLD BREAK | # HYPNOTIZE | # SUN SONG '70 | # RHODES FUNKY DUB | # 747 DUB | # SWING THE CLIPPER | # THEME FROM LANDING (LIFE FOR LIVING) | ||||||||||||||||||||||||||||
4th | 2001年5月23日 | LOVEBEAT | KSC2-387 | 全10曲 | # EARTH BEAT | # BALANCE | # IN AND OUT | # LOVEBEAT | # SPIRAL NEVER BEFORE | # ECHO ENDLESS ECHO | # HOLD 'ON TIGHT | # SUN BEATS DOWN | # BRIGHT BEAT | # THE CENTER OF GRAVITY | ||||||||||||||||||||||||||
BEST | 2007年3月21日 | WORKS '95-'05 | KSCL-1121~2 | 2枚組全26曲 | [Disc 1] | # MFRFM (MUSIC FOR ROBOT FOR MUSIC) | # STINGER STINGRAY | # ELEGANT WORLD | # Sun song '80 | # Life & space | # Welcome to Japan | # HYPNOTIZE | # 747 DUB | # balance | # lovebeat | # the center of gravity | [Disc 2] | # Saeko & Minilla(Sound In Speace) | # Moon Walk | # Harusaki-Kobeni(Marin Mix) | # 崖~G-Surf(Yoshinori Sunahara Mix) | # Lotus Snack and Thinking Machine | # First Class '77 | # Emotion Heater - remixed by Yoshinori Sunahara | # Every Home A Prison(Yoshinori Sunahara remix) | # ROBOT | # 悦びに咲く花 | # YUMEGIWA LAST BOY | # Oasis(y-sunahara's studio re-mix) | # By the Way -YSST remix- | # living source | # 聖☆おじさん(YSST RMX 2005) | ||||||||
サウンド・トラック | 2009年7月29日 | No Boys, No Cry Original Sound TrackProduced by Yoshinori Sunahara | KSCL-1420 | 全10曲 | # Sunset Blue (Opening Version) | # Rain Noise | # Black Water Surface | # Transport | # Tiptoeing | # Float | # Green Pattern | # Arista | # Piano Room | # Echo Drums | # Monologue | # The Stairs | # Charge | # Wave Motion | # Invisible Silence | # Underwater Ballet | # Sunset Blue | # Deadly Lovely (Movie Version) | 映画『ノーボーイズ,ノークライ』のサウンドトラック | |||||||||||||||||
5th | 2011年4月6日 | liminal | KSCL-1666~7【初回生産限定盤】KSCL-1668 | 全8曲 | # The First Step (Version liminal) | # Physical Music | # Natural | # Bluelight | # Boiling Point | # Beat It | # Capacity (Version liminal) | #liminal | # subliminal | # Wave Motion(Version2) | # LOVEBEAT(Live at LIQUIDROOM 2009 | |||||||||||||||||||||||||
リマスター | 2021年9月15日 | LOVEBEAT 2021 Optimized Re-Master | MHCL-30686~7【初回限定生産盤】MHCL-30688【通常盤】MHJL-190~1【完全生産限定盤/アナログ盤】配信 | 全10曲 | # EARTH BEAT | # BALANCE | # IN AND OUT | # LOVEBEAT | # SPIRAL NEVER BEFORE | # ECHO ENDLESS ECHO | # HOLD'ON TIGHT | # SUN BEATS DOWN | # BRIGHT BEAT | # THE CENTER OF GRAVITY | ※【初回限定生産盤】のみ2009年8月5日に恵比寿LIQUIDROOMで行われたライブより収録。 | # THE FIRST STEP | # EARTH BEAT | # BALANCE | # WAVE MOTION (VERSION 2) | # CAPACITY | # LOVEBEAT | # THE CENTER OF GRAVITY | 【アナログ盤】2LP | [Disc 1] | # EARTH BEAT | # BALANCE | # IN AND OUT | # LOVEBEAT | # SPIRAL NEVER BEFORE | # ECHO ENDLESS ECHO | # HOLD'ON TIGHT | [Disc 2] 4, 5はアナログ、配信のみ収録 | # SUN BEATS DOWN | # BRIGHT BEAT | # THE CENTER OF GRAVITY | # LOVEBEAT 2021 DUB Mix | # 2000-2001 YSST DEMO & LOOPS | 自身によるミキシング・リマスタリング。形態ごとに収録内容が異なる。 |
ユニット
ステレオタイプ(<a href
- 人間みな兄弟 小林亜星CM集 - 1993年
- エレクトレース パルスマン - 1994年
MIDNIGHT BOWLERS(常盤響とのユニット)によるもの
- LIMITED EDITION NOT FOR SALE - 1995年
- 1996〜1998 - 2000年
FROM TIME TO TIME (田中純とのユニット)によるもの
- BEAT BOX 1995年
- FROM TOP TO TOE 1995年
ゲームミュージック
- ギャラクシーフォースII(1991年/メガドライブ版/CSK総合研究所) - 編曲・プログラミング ※ペンネームの1つ「SUNAHARA YOSHITOKU」名義での参加
- ギャラクシーフォースII(1991年/FM TOWNS版/CSK総合研究所)- 効果音、MAP、アルゴリズムデザイン
- ジェリーボーイ2(1994年/スーパーファミコン版/ゲームフリーク)- 作曲 ※開発中止により未発売
劇伴
- 2009年 ノーボーイズ,ノークライ
- サウンドトラック担当。
- 2013年 ノーコン・キッド 〜ぼくらのゲーム史〜
- テレビドラマの劇伴を担当。同番組のDVD・Blu-rayボックスには、オリジナルサウンドトラックCDが同梱されている。また、砂原は第6話にカメオ出演している。
- 2014年 YKK presents FASTENING DAYS 1-4
- サウンドトラック担当。
- 2025年 NHKスペシャル オウム真理教 狂気の“11月戦争”
- 音楽担当。
機材遍歴
- AKAI X-7000
- AKAI s-1000
- AKAI s-3200
- AKAI s-6000
- ARMEN 1200 Sound
- ARP Odyssey
- ARP 2600
- CASIO CZ-5000
- CASIO RZ-1
- Casio VZ-1
- Clavia nord lead
- Clavia nord lead 3
- Dave Smith Instruments Prophet-08
- E-MU Vintage Keys
- KAWAI XD-5
- KORG DDM-110
- KORG VC-10
- KORG MS-20
- KORG MS-10
- KORG M1r
- KORG DVP-1
- KORG DSM-1
- KORG MS2000
- KORG TR-Rack
- KORG TRITON-Rack
- KORG r3
- KORG Minilogue
- KORG Minilogue XD
- Moog Micro Moog
- Moog Mini Moog
- Nektar PANORAMA P4
- Nektar PANORAMA T4
- QUASIMIDI QUASAR
- Roland Juno-106
- Roland MC-50
- Roland S-330
- Roland Jupiter-8
- Roland MC-202
- Roland SH-2
- Roland VP-330
- Roland TB-303
- Roland TR-606
- Roland TR-909
- Roland TR-808
- Roland JV-1080
- Roland XV-3080
- SEQUENTIAL CIRCUITS Prophet-600
- SEQUENTIAL CIRCUITS Prophet-5
- YAMAHA Reface CS
- YAMAHA 02R
- YAMAHA 01v/96
- Opcode Vision
- Apple Logic
- Steinberg Cubase
- Presonus studio one
関連項目
- パンアメリカン航空(パンナム)
- ミニアルバム"THE SOUND OF 70's"は1970年代を彩った世界的航空会社パンナムへのオマージュとしてつくられ、ロゴやジャケットにフィーチャーされている。
- バシシブックin’90s―リブルラブル公式ガイドブック(アスキー出版局)
- スーパーファミコン版『リブルラブル』の攻略本。砂原のリブルラブルに対する思い出や、このゲームのサウンドに関しての考察など、インタビュー形式で出演していた。
出典
外部リンク
- Y.Sunahara's STUDIO - 公式ウェブサイト
- (Y.Sunahara's STUDIO)
- Y.SUNAHARA'S STUDIO OFFICIAL - ソニー・ミュージックエンタテインメントによる公式ウェブサイト
- PUBLIC-IMAGE.ORG インタビュー(いしわたり淳治&砂原良徳)
- PUBLIC-IMAGE.ORG インタビュー
- 音楽は人を変えられる 砂原良徳インタビュー(11年4月1日 CINRA.NET掲載)
- 砂原良徳|PreSonus Studio Oneユーザーストーリー
出典:フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 | 最終更新:2025/05/20 09:45 UTC (変更履歴)
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