佐藤薫 : ウィキペディア(Wikipedia)

佐藤 薫(さとう かおる、男性、身長183cm、ローマ字表記は"Sato Kaoru"または"Satow Kaoru"、フランス語表記は"SATEAU Kaoru"フランス語で城などを意味する"château"(シャトー)のスペルに合わせたものである佐藤は、ヨーロッパ、とくにフランスをこよなく愛することに起因している。。信夫佐藤(しのぶさとう)流ではなく北面武士(ほくめんのぶし)の流れを汲むものと考えられる。作品によって、大炊御門(おおいのみかど)姓を用いる。)は、日本の法学者・哲学者であり、医療医科学法学者である。さらに文芸家としての顔を持つ。彼の父が大手企業に勤務していた関係でその赴任先である兵庫県に生まれ塚口駅の近くにあった社宅および広大な敷地内は言葉も文化も東京そのものであったと回想している。、母方の祖先は古(いにしえ)の京の出ではあるにしても やんごとなき生まれであったにもかかわらず佐藤の母は生後間もなく(当時の東京市赤坂区)実父が亡くなり母方の秋田にある親戚にあずけられ、そこではひどいいじめにあい一方ならぬ苦労を強いられるが捻くれることもなく成長する。他に対しても彼女はいかなる苦労があろうとも自身の心を正しく持ち続けるよう願う気持ちが佐藤にも強い影響を与えているといえる。そのせいもあって佐藤は幼いころからオスカー・ワイルド(Oscar Wilde)の『幸福の王子』(The Happy Prince and Other Tales)に非常な感動を覚えたという。佐藤は、「幸福な王子」という訳はおかしいと話す。ツバメを失った王子が幸福なのではなく、幸福をもたらす王子であるからだと。ちなみに、母方の祖母の出自は、平安時代の東国の武家三浦氏[本姓(氏)は「平(たいら)」]である。北条氏に追いやられた三浦(御浦)氏の流れを汲む祖先はのちに、本来平家方に荷担していた常陸源氏佐竹氏の臣下となった。御浦之由緒、両親は東日本の出身であったため子供のころから東京への念(おも)いがあった。 現在、大阪大学大学院医学系研究科母性胎児科学研究室数理保健学部門招へい教授https://sahswww.med.osaka-u.ac.jp/~saiken/endo-lab/staff.htmlである。元大阪大学大学院医学系研究科数理保健学研究室教授。海上保安大学校(国土交通省)海上警察学・法学講座教官(警察でいう警視長・警視監に相当)長身であったことなどから、大英帝国海軍の制服を模した、海上保安大学校の制服が最も似合う教官であったという。外国語講座清水元主任教授の談。、大阪工業大学知的財産学部コンテンツ研究所長(大阪大学兼任)当時、他大学へ赴く予定であった佐藤は、知的財産学部創設者である藤田進らの熱意にほだされ、周囲の反対があったにもかかわらず赴任したが、藤田が死去していたため状況は変わっていたという経緯がある。当時のある理事は、もし藤田理事長が健在であったら佐藤先生は学長に抜擢された人物であったと関係者らに話していた。佐藤の知人である出版社社長、マンガアニメエージェンシーらの話。や、京都教育大学正義感が強く道徳を重んじる土居靖美(憲法学者・京都教育大学名誉教授)は佐藤が師と仰ぐ学者のひとりである。および東京の工学系大学院などにおいて法律学や倫理等に関して教鞭を執るなどした。国会会議室内でのみ開催された「漫画産業の発展を考える会」(のちに「漫画の応用と保護に関する研究会」に改称)当該研究会では、著作権の延長だけでなく、著作権法と産業財産権法(工業所有権法)とを統括する機関の創設や、災害における統括機関の創設に関して佐藤は要望していた。元経済産業大臣であり国土交通大臣であった大畠章宏や元法務大臣の保岡興治らが世話役として参加していた。座長。学士会会員。法学系および自然科学系の複数の学会に所属しており、学会以外にも、日本外国特派員協会(外国人記者クラブ)の学者会員でもあり日本外国特派員協会の身分証明書はジェイムズ・ボンドゆかりのコードであった。 学者会員は、1955年に上映されたアメリカの悲恋映画「慕情」(Love Is a Many-Splendored Thing)のロケ地にもなった、香港にあるForeign Correspondents' Club (FCC)や、ヨーロッパ、アメリカの主たる記者クラブも利用できる。、その他公益団体に所属している。

人物

非常に独創的な考え方佐藤は、特異な才能を有していたこともあり、幼いころから内向的であった。ホームレスの人たちをみると、非常に悲しい気持ちにかられたともいう。これは当時の小学校担任などから母親譲りであるともいわれていた。中学校や高等学校の生徒時代から、教科書の内容を批判的な目で見ていたりした。近年、ヨーロッパやアメリカで注目されるようになった、ギフテッド(Intellectual giftedness)であったと考えられる。それだから、日本においては冷遇され、学者といえる人々に出会うまでは、非常に不遇な境遇を強いられた。 フェイスブック(Facebook)で佐藤は著名人に分類されていたが、妬みをかわすために、助手を通して著名人から除外するよう依頼している。もともと派手な振る舞いを好まない性格も前述の内容に起因しているのかもしれない。また彼は、黄色人種等にはほとんど見られない、ヨーロッパや北アメリカの白人種に多く見られる因子を有していることも判明している。これに関しては地球外生命体(高度な知能を有する宇宙人)を想定しなければ説明がつかないと主張する欧米の医学者がいる。をし、日本では初めて著作権と表現の自由の抵触に関して提唱するなどしていた田中辰雄、 林紘一郎著『著作権保護期間―延長は文化を振興するか』227頁 勁草書房、2009年。 なお、これとは別に、佐藤が同テーマに関して論説を作成した当時のアメリカ合衆国の判決は、著作権と表現の自由の抵触とみることが可能なケースも将来あり得るかもしれないと述べるに留まっており、著作権および著作者人格権である同一性保持権と表現の自由の抵触問題として解決をはかった論説は世界で初めてであったといえる。 。論説「写楽と秋田藩」においては写楽の正体を究明するべく自説を打ち出し、そのなかにおいても量子論理を用いた法解釈学の必要性ないし可能性を説いたり、江戸時代の著作権様(よう)の権利に触れるなどしている。また、彼の著書の題号にもなっている知的創造物法という概念を生み出すことで、知的財産法(特許法などの工業所有権法と著作権法を総合した用語)だけでは解決できない創作活動の領域における問題に対処すべく、新たな法概念を形成することを提案している。知的創造物法ということばを用いた佐藤の著書はわが国の最高裁判所図書館や米国議会図書館、欧米の主だった大学の図書館にも所蔵されており、彼が主宰する「知的創造物法学会」は登録商標である。 なお芸術法という概念を日本で初めて用いたのも佐藤であるイラストレーション誌(玄光社)参照。ウィキペディアの「芸術法」の項目において、「古くは表現の自由、著作権法等の知的財産権の問題や、作家の契約問題、盗難美術品や贋作の問題が中心であった」との解説があるが、これは明らかに玄光社発行の「イラストレーション」誌に佐藤が連載していた「芸術法」講座を指すものであると考えられるところ、インターネットやデジタル化問題等についても触れる前に、出版社の都合で中断されたという経緯がある。 芸術法に関する佐藤の概念は、非常に幅広い領域に及ぶものであるため当然、デジタル化等も含まれるものであることはいうまでもない。。 音楽をこよなく愛し、ヴァイオリンを弾いていたことも影響してか、クラシックだけではなくマントヴァーニ楽団や101ストリングス・オーケストラなどによる静かな曲を好み、そして10代のころからフランク・シナトラ(Frank Sinatra)、ペリー・コモ(Perry Como)といった往年の歌手の歌をも好んでいた。

世界中の著作者や出版社を震撼させたグーグル・ブック・サーチ和解(the Google Book Search Copyright Class Action Settlement)では、米国以外の諸外国には和解の効力は及ばないとする考えを理論だてて示し、日本漫画家協会(Japan Cartoonists Association)の声明文にもその見解が表明された。これが世界の先駆けとなりその後ドイツ、フランスが同様の見解を政府声明として公表した。また、これに追従するかのように米国司法省までもが和解の効力に異議を唱え佐藤の見解は米国州裁判所判事らから絶賛されるにいたった。 なお、日本漫画家協会の声明文を書くように、日本漫画家協会著作権委員であった佐藤に依頼したのは、世界的にも知られている漫画家松本零士モンキー・パンチ(加藤一彦)、そしてアンパンマンで知られるやなせたかしである佐藤の著書である「著作権法入門早わかり―クリエイターのための知的創造物法活用術(2頁~3頁。メディアパル刊行)」巻頭にある「漫画家松本零士推薦の言葉」によって明らかになっている。当時漫画家協会の理事長であった、やなせたかしも依頼者のひとりであった。。

この件以外にも常日頃から漫画家の保護などに関して問題意識を有していた松本と加藤ならびに佐藤は共に「漫画家およびその作品に関わる諸権利を正当に保護し、 且つ、円滑な利用を図ることにより、漫画家が安心して創作活動に専念できる環境を作る事を目的」とした一般財団法人漫画財団(登録商標)を2014年12月に設立した。これにより轗軻不遇(かんかふぐう)の身にある漫画家や漫画に関連した職にある人々を救済することも視野に入れている理事長は松本、専務理事(当時)加藤、代表理事は佐藤であった。。 しかし、一般財団法人漫画財団の本来の目的である著作権の保護期間延長について当時実現の目処が付いたこともあり当時、佐藤の呼びかけに呼応して、著作権保護期間延長等を掲げる、「漫画産業の発展を考える会」のメンバーには、学者、専門職、小説家、芸能関係者、音楽関係者、漫画家など錚々たる人たちが名を連ねた。 高木良夫(日本音楽事業者協会元副会長)、里中満智子、竹宮惠子、花村えい子、わたなべまさこ、矢口高雄、矢野功、神林一夫(日本音楽事業者協会元理事)、小池晃(内閣官房知的財産戦略会議元委員、日本弁理士会元会長)、蓮見圭一(第126回直木賞大衆選考会推薦候補作家)、高野日出夫(「クレヨンしんちゃん」などのアニメーション制作会社であるシンエイ動画株式会社取締役)、前山寛邦(コロムビアミュージックエンタテインメント株式会社元執行役員)など。 当初、佐藤の母方の実家からは自民党議員が出ていた関係で、自民党議員らで固める案も出ていた。 、松本、佐藤は設立時理事の任期が満了した時点で継続せず辞任し、「漫画財団」という名称は佐藤が商標権者であり他者の利用を認めない方針であったため、当該財団は消滅した。 ただ、一部の漫画家やイラストレーターなどから存続を望む声が聞かれたため、新たに一般社団法人漫画芸術を2021年8月に設立する一般社団法人漫画芸術。所在地は東京都中央区日本橋人形町1丁目1番11号である。全国法人データベース。。役員には、佐藤の理念に感化された、「家なき子」、「魔法使いサリー」、梶原一騎原作の「新巨人の星」や「あしたのジョー2」、「ルパン三世 風魔一族の陰謀」、「うる星やつら2 ビューティフル・ドリーマー」など数多くの著名なアニメ動画の美術監督などを歴任した、画家小林七郎が加わった。 小林は、宮崎駿のスタジオジブリ制作に掛かる「となりのトトロ」や「おもひでぽろぽろ」などの美術監督を務めた男鹿和雄の師匠であり、同じくジブリで共に作品制作を手掛けた映画監督押井守からも評されている人物であり、奥山玲子と並ぶアニメ界の重鎮である「空気を描く美術」(小林七郎画集スタジオジブリ責任編集)でのインタビュー。ほかにその分野では老舗にあたる会社経営者も役員となっている。漫画芸術の目的は、漫画財団のときの目的と同じであるが、漫画家、イラストレーターらの保護を一層強化したものとなっている一般社団法人漫画芸術定款。全国法人データベース。このことは漫画やイラストレーションを利用する側の利益にも貢献するシステムであるといえる。。

また、大阪大学医学系大学院教授大野ゆう子による小児の診察における漫画利用に関する質問を機に、佐藤が主宰する「漫画の応用と保護に関する研究会」開催時に大野および東京大学附属病院看護学研究者らを招き政治家らにその必要性をアピールし、漫画を応用した医療機器等の制作に取り組んだ「漫画の応用と保護に関する研究会」(国会会議室)の記事参照。www.kaorusato.com。前述の一般社団法人漫画芸術はその一端を担うものとして設立された。

海上保安大学校教官時代においては、大阪大学全学共通教育機構非常勤講師も務め、そのときに履修生が500名近くいたことから大講堂で講義を行い、試験は2か所の講堂で行われたことはいまも語り種(かたりぐさ)になっている。大野の弟子もその時の履修生であった当時は「憲法・法学」を担当する教官が佐藤を含め3名いたにもかかわらず、しかも旧帝国大学である大阪大学の履修学生総数からしても、この数は他を圧倒するものであった。佐藤薫の記事参照。www.kaorusato.com。

内閣府男女局令和6年度若年層の性暴力被害予防月間実施の案内を佐藤は自己のブログ佐藤薫ブログ2024年3月11日で紹介し、「かよわい女性や子供を護らなければならない男性が危害を加えるというのは聞くに忍びないことです。また、年齢や男女に関係なく性被害を受けることのない世界を実現しなければなりません。みなさんのご協力をお願いいたします。」と主張している。

学説

憲法学

『憲法の目的は愛を実現することである。'The purpose of the Constitution is to achieve love.' 』佐藤薫(Kaoru Sato) 佐藤の憲法学における人権理論は、愛が根源にある「なぜ動物の権利は保障されないのか」という阪大の学生の問いに対して佐藤は、「人権が保障される所以は、人の言葉で伝えられない動植物や物を救う役目を神が人に託したからである。」と答えた。全学共通教育機構。。 自然法、自然権思想が次第に軽んじられるにいたり、単純に、人権は憲法により付与されたものという考え方が主流を占めるなか芦部信喜『憲法』岩波書店、人権総論部分。、人権は絶大な存在である神(宗教上の神ではなく時空間を創造した存在として認識される)が作り給うた権利であり、裁判規範となるように、人間はこれらを憲法典に記したにすぎないと説く。 それは複数の人間が同じ地域に住むのであれば必然的に制約規範が生じるものであり、そのようななかにおいて必要となる権利=人権がおのずと生じるというところに絶大な存在のなんらかのコントロールが働いているとする考え方であるが、基本的人権に威厳を持たせる意味合いもある。なおこれは物理学における超弦理論(超ひも理論ともいう。super string theory)等を社会現象にも応用できると考えた佐藤の帰結であるともいえる。これに関しては元々佐藤は、ひも(弦)ではなく多様基本粒子ともいうべきものを想定するべきであるとする。それゆえにすべての物質の構成は異なった基本粒子により成り立つため、より複雑な思考過程が必要になり人間の頭脳ではもはや解決できなくなるのではないかと主張する量子コンピュータがこれを解決するのかとの大阪大学の学生の問いに対して、ハイゼンベルクの不確定性原理を考慮すれば量子コンピュータは不可能か、できるとしてもかなり先になると答えていた。2023年6月に刊行された小説「時間の穴 鎌倉時代消失」(新潮社)において登場人物である加賀谷教授(著者佐藤薫自身であると思われる)が学生との対話で、無と有は連続したものという件(くだり)がある。多様基本粒子の考えはこれに関連するものと思われる。ブログ担当者が佐藤にインタビューしたときの感想。。なお英米法のようにキリスト教における神を意味するものではないと考えられる土居靖美、伊藤公一、榎原猛ほか編『論考 憲法学II (人権論)』嵯峨野書院、257-261頁、佐藤薫執筆部分。。 なお佐藤は大阪大学全学共通教育機構での講義において、日本の多くの法学者に大きな影響を与えた、ハンス・ケルゼン(Hans Kelsen)の法実証主義(Rechtspositivismus)や根本規範 (Grundnorm)に基づく「純粋法学」(Reine Rechtslehre)に批判的な見方を示している。また、オーストリアやドイツの憲法裁判所に関しても、日本国憲法が英米法系の法であることから当然、憲法が他の法律の上位にあるわけであり【佐藤はこれを憲法による支配と説明する。法の支配(Rule of Law)】、ドイツやフランスのような憲法と他の法律が同格であるとする法治主義(Rule by Law)とは異なることから、ある意味苦肉の策ともいえると述べている。抽象的違憲審査制を採用するには日本国憲法を検討しなければならないとも語った。

医療と法

医療と法に関する研究においては、医事法よりも更に広い概念を有する医療医科学法として、その体系化を図りつつある。憲法の精神を重んじ、患者と医師・看護師といった医療関係者とは対峙するものではなく、すべての人が幸福のうちに一生を送れるものとする法分野を形成するものである。 憲法25条1項は社会権の規定であるとしても、そこから自由権としての健康権を生み出すことは可能であるとし、憲法13条の幸福追求権からも生じるものとする健康権との関係について前者は、ただ単に国から不当な干渉を受けないとする従来の自由権ではなく、国民等の健康をより良く促進するための方策を国が採れるようにすること、さらに他者からの侵害や妨害が生じないように国の側が予防または妨害の排除をすすめるべく政策を促進することにかかわる権利であるとする。この点について社会権(とくに国に対する給付請求。国の予算の問題が生じるため。)のように、抽象的権利説を採るとしても、具体的な法律がなければさほど意味をなさない権利とは異なる佐藤薫「老年看護学と法」講義。於 東京大学大学院医学系研究科老年看護学/創傷看護学分野。。

過去に「ヒトゲノム・遺伝子解析研究に関する倫理指針」19条に「 個人情報の開示等」が設けられるなど個人情報保護法からの不当な拘束を解くための改正がなされた。これらは研究者などが有する憲法上の権利を保護するための規定である。研究者には、学問の自由(憲法23条)、幸福追求権(憲法13条)、表現の自由(憲法21条1項)などがかかわるのであり、憲法を利用することにより研究者としての地位を保持し、また、自らを守ることに役立てることができるとして、憲法23条の学問の自由について医療関連の学会において報告した。なお、他大学では、学問の自由の内容には、ⅰ 研究活動の自由 ⅱ 研究成果発表の自由 ⅲ 教授の自由があり、これを保障するために大学の自治があるにもかかわらず、過去の体験や報道によれば、医学部以外の学部において、これを乱用している例がみられ嘆かわしいしいことであると述べた。看護理工学会 大阪大学 第2回。

量子力学における論理(量子論理)・相対性理論と法解釈

量子論的な法解釈の記述に関して佐藤はつぎのように説明する。 法解釈の世界は実数と虚数が入り交ざった状態であるから、複素数によって表され、複素共役によってみることが可能である。 法解釈は複数の解釈が可能となる場合が多く、裁判との関係で、この状態をシュレーディンガーの波動関数(ψ)を用いて記述すれば下記のとおりとなる。 全部勝訴を(勝)、敗訴を(敗)、一部勝訴を(部)とそれぞれ記すと、

ψ=a勝ψ(勝)+b敗ψ(敗)+c部ψ(部)

である。このときに確定判決が全部勝訴となったとき(観測)はこれがリアルとなり、他の解釈は非リアルとなって全部勝訴に収束することになる(重ね合わせの収縮による特定)。なお、ここで全部勝訴の確率は、

|a勝|2

となる。 しかし、判決が確定するまでは、全部勝訴という判決に他の見方が収束されるわけではないので、この時点では、量子力学的に言えば、波動関数の収縮は生じていないといえると述べ、さらに「シュレディンガーの猫」に対するコペンハーゲン解釈コペンハーゲン解釈については、これの延長線上に、多世界解釈があるが、佐藤自身は、多世界解釈自体コペンハーゲン解釈と変わるところはないと考えている。に関しては、法解釈においては妥当するが、猫の生死に関しては妥当しないとして批判している佐藤薫「写楽と秋田藩」伊藤公一大阪大学名誉教授退職記念論集帝塚山法学第11号所収。424頁から427頁。 佐藤が法解釈において量子理論を応用したのは、人間の心においても応用が利くものと考えたからに他ならない。このことは原子レベルにおいて意識が存在するとの帰結によるものであり、物にも心があるとする佐藤の理論や、時間結晶に対して何らかの糸口を見出すかもしれない大学院博士課程の大学院生であった佐藤が当時の指導教授に、「量子力学における論理と法解釈学」と題した論文を書きたいといったときに、教授は、「そのような分野を研究する大学は世界的に見てもない。大学の教員になるのであれば他のテーマを探すが良い」といわれ、アメリカ合衆国での判決において触れられていた(その実、当該判決文は、著作権とフェア・ユースの問題であるとしており、著作権と表現の自由の抵触としては扱っていなかった。脚注10.も参照されたい。)「表現の自由と著作権の抵触」に関する論文を作成したという逸話が残っている。。 一見矛盾する表現の自由保障と著作権の保護規定とを特殊相対性理論の二つの仮定になぞらえて法解釈に関する解説を講義で行うなどは、理系の学生や大学院生のみならず文系の学生らにとっても新鮮であり興味を抱かせるものであった佐藤は、特殊相対性理論は古典論理で説明がつくのであって法解釈においても同様のことがいえ、またそれらの仮定をつじつま合わせすることに醍醐味があると述べる。。

知的財産法

知的財産法に関しては、これは競業法としての経済法であるとしつつも、他者を打ち負かすための法ではなく、会社など全ての存在が豊かになるための法であると説く。それは、すべての法律の母法の支配(Rule of Law)。であるともいえる憲法の根底にあるのは、「愛」の実現そのものであると考えることに由来している。したがって、知的財産基本法という法律条文に、経営上の用語であるとしても、戦略という語を用いたことに不快の念を表している知的財産基本法(平成14年法律第122号)。。 「著作権と表現の自由」の抵触問題に関して日本ではじめて佐藤が学会で発表したときにはしばらく、その何たるかが理解できない学者らが多くいるなか、コンピュータ・プログラムと著作権に詳しい弁護士であった、植松宏嘉だけがその難解な解釈を理解し絶賛したそのときの学会である著作権法学会で佐藤は、質疑応答を含め単独で4時間にわたって発表したというエピソードがある。著作権法学会、有斐閣。。 知的財産実務については、イラストレーターなどのクリエイターが抱えていた多くの問題が佐藤により解決に導かれており、実務界においても重要視されている著名なイラストレーターらが創立した、イラストレーション、キャラクター制作の老舗である、株式会社スプーン元代表取締役中村譲の談。大御所といわれるイラストレーターの作品が長寿テレビ番組のキャラクターとして採用される際、アメリカの企業とその作品について独占利用許諾契約を締結していたため、それが不可能になることに気づいた当時のマネージャーが佐藤に相談し、契約更新後数カ月を経過したにもかかわらず当該企業が契約解除に応じたというエピソードがある。。 松本零士と槇原敬之の訴訟では第一審当初より、著作権の問題ではなく不正競争防止法上の問題としてとらえるべきであるとしつつも、憲法21条1項の対抗言論(More Speech)であって訴訟をすべき事例ではないと断じ、結果として控訴審において和解となった「夢は時間を裏切らない」フレーズ事件、2009年。知的財産高等裁判所。控訴審から佐藤が知り合いの弁護士を指揮する形で動いたのであるが、当該和解の一部内容に関しては、佐藤が大学で講義のため結審に立ち会えなかったこと等々で、不満が残ると述べている。いずれにせよ後日、松本零士より槇原敬之のCDジャケットのイラストを制作したことを伝えられた佐藤は静かに微笑んだという。 彼はウイーンの医学者であるセンメルヴェイス・イグナーツに似たところがある。裁判継続中で緊急を要する場合に、または先人の意見をまとめたうえで素人でも簡単に思いつく考えをちょこっと書いたものを、論文として世に出すことを恥じる。。

永年アメリカ物理学会(量子力学・相対性理論部門 'Quantum Mechanics, the Theory of Relativity Section'. American Physical Society)のメンバーでもあった佐藤アメリカ物理学会は伝統のある学会であり、アインシュタインの特殊相対性理論構築に影響を与え、 ローレンツ変換 および フィッツジェラルドの短縮といった仮説の基盤ともなった、マイケルソンとモーリーの実験でノーベル賞を受賞したアルバート・マイケルソン(Albert Abraham Michelson)が会長を務めたこともある。 アメリカ物理学会の会長であったマイケルソンがモーリーとともに行った、マイケルソンとモーリーの実験は、エーテル仮説を実証するための実験であった。これによってエーテルは存在しないことが立証されたといわれるが、佐藤は、エーテルの性質が従来の媒体とは異なるとみることも可能であるとしている。学部生時代に友人にそのことを話すと、その友人は妬むどころか非常に感心していたという。大学時代の親友に対する思い出話として佐藤が語った。於知的創造物法学会の法解釈において興味深いのは、ボーアらが中心となって提唱した量子論でのコペンハーゲン解釈、 シュレーディンガー(Erwin Schrödinger)、ディラック(Paul Dirac)、アインシュタイン(Albert Einstein)、マッハ(Ernst Mach)といった物理学者たる自然科学者の影響を受けている点である佐藤薫「写楽と秋田藩」Sharaku et L'Akita han、402頁。この記述に関して佐藤は、「コペンハーゲン解釈の目をとおして法解釈をみるというよりは、法解釈の手法の一部がコペンハーゲン解釈に似通っているといえるのです。いずれは物理法学であるとか量子法学といったような学問分野を創ることができれば面白いのではないかと考えております。」と述べている。佐藤薫 https://kaorusato.exblog.jp/ 2020年1月12日。。

専攻:憲法 、医療に関する法、知的財産法、医療(工学等含む)と倫理、相対性理論・量子力学的法解釈ほか。

小 説

『時間の穴 鎌倉時代消失』(小説。新潮社。2023年) 大学では法学者であるがじつは物理学者でもある大学教授が過去に戻る方法を見出し平安時代の奥州平泉にタイムトラベルして新たな日本を築こうとする斬新奇抜な物語である。 佐藤は、反実仮想たる単なるヴァーチャルとしての歴史小説ではなく、過去を変えれば未来はこういう結果になるという、いわば実験小説であるという。しかも過去を変えても現時点におけるすべての存在は消え去ることがないという独自の物理理論に基づいている。それゆえ、ジャンルとしては空想科学小説でもありファンタジーでもあり時代小説でもあるとみられるが、時代小説等ではない新たなジャンルを形成する作品であるともいえる。また、当該作品では平安時代後期の公卿である藤原経宗を主要人物のひとりとして扱っており、公家を準主役とした数少ない作品であり、鳥や正体不明のミステリアスな人物などが登場しており、いままでにない奇想天外な物語の展開は心が躍る作品となっている週刊新潮2023年6月8日など参照。 物語は秋田【世界的に知られる映画監督黒澤明の父の故郷であり、黒澤自身が生まれ故郷であると称した地(彼はスティーヴン・スピルバーグジョージ・ルーカスらに私は秋田生まれの秋田の侍(Samurai)であると言っていた話は有名である。)の近隣ではないかと思われる】からはじまり奥州平泉、横浜が主な舞台となっており、平安時代の京、大阪、パリ、ローマ、アメリカ合衆国(数百年後大国として生まれる国として)、インド、アイヌなどが話題としてあがるが、大阪のエピソードにある寄席は天満天神繁昌亭のことではないかといわれている。なお、横浜と思われる地域はおそらくたまプラーザ美しが丘界隈であると考えられる「時間の穴 鎌倉時代消失」参照。。 横浜の自宅で加賀谷教授が提唱した「今問亭(こんといてい)」は商標登録である。

研究

現在の研究

  • 医学と法
  • 江戸時代における表現の自由運動
  • キャラクターの保護
  • デジタルコンテンツと法
  • 法解釈学での量子論理を用いた記述試案。

今後の研究テーマ

  • ヒトES細胞を用いた研究や遺伝子治療の研究における人権および知的財産権、個人情報保護の在り方に関する研究など。法学とは別に、早くから東北大学大学院医学系研究科教授出澤真理の多能性幹細胞Muse細胞に強い関心を抱いており、東京大学大学院医学系研究科教授真田弘美の創傷に関する研究などに興味が向けられている。
  • 佐藤の幅広い研究対象を題材とした小説を執筆。大阪大学で一般教養を講義していた際に一部の学生に未公開の原稿を読ませたところ日本のアシモフだと言われ、佐藤自身アシモフを知っている学生に感動したという逸話がある。

作品など

著書

  • 『時間の穴 鎌倉時代消失』(小説。新潮社。2023年)大学教授が平安時代の奥州平泉にタイムトラベルして新たな日本を築こうとする斬新奇抜な物語である。佐藤は、反実仮想たる単なるヴァーチャルとしての歴史小説ではなく、過去を変えれば未来はこういう結果になるという、いわば実験小説であるという。しかも過去を変えても現時点におけるすべての存在は消え去ることがないという理論に基づいている。
  • 『知的財産権と知的創造物法入門』(オーム社)単著
  • 『レッスン法学』共著
  • 『論考憲法学』共著
  • 『初めての法学』共著
  • 『憲法と市民生活』共著
  • 『新レッスン法学』共著
  • 『著作権法入門早わかり―クリエイターのための知的創造物法活用術』単著 推薦文は松本零士、表紙絵はhref="/person/49365/">手塚治虫により才能を見出されていた西口は「火の鳥」のポスターを手掛ける。手塚治虫作ブラック・ジャック単行本、ダン・ブラウンスティーヴン・キング森村誠一、高村薫といった作家の書籍表紙絵、X JAPAN のジャケット絵など多くの作品がある。写真家も含めリアル・イラストレーターの苦境を理解していた佐藤は、西口の絵は芸術であると称賛した。。

ほか

論文

  • 「アメリカ合衆国憲法修正第一条と著作権」(法と秩序)
  • 「海図の著作物性」(海上保安の諸問題、中央法規)
  • 「著作権法第20条2項4号の解釈と表現の自由」(著作権研究、有斐閣)
  • 「著作物の改変利用と表現の自由」(現代における憲法問題の諸相、国書刊行会)
  • 「商標パロディ」(大阪大学大学院国際公共政策研究)
  • 「音楽の著作物の同一性判断について」(海保大研究報告)
  • 「物のパブリシティ権についての一考察」(意匠法及び周辺法の現代的課題、発明協会)
  • 「写楽と秋田藩---Sharaku (ukiyoe ) and the Akita han---」(伊藤公一大阪大学名誉教授退職記念論集帝塚山法学第11号所収)
  • 「グーグル・ブック・サーチ和解の効力は日本の著作権者等にも及ぶのか」(JCA通信、社団法人日本漫画家協会)
  • 「真似られたスイカ?」(JCA通信、社団法人日本漫画家協会)
  • 「サザエさんが事件!?」(JCA通信社、社団法人日本漫画家協会)
  • 「ターザンとポパイ、キャラクター名が無断で商標登録されたらどうしますか」(JCA通信社、社団法人日本漫画家協会)
  • 「ターザン(Tarzan)」商標登録無効審判請求を不成立とした審決の取消訴訟に関する判例評論(判例時報№2178。2013年5月1日号)
  • 「看護理工学研究における憲法学の役割について」看護理工学会(理事長東京大学大学院医学系研究科教授真田弘美)

ほか

その他

  • 「天才贋作画家ド・ホーリィ(フランス語読みはドゥ・オリィまたはドリィ。「ド・ホーリィ」と称するのが一般的であったため題目もそれに合わせたものである。)作品輸入差止事件について」(読売新聞・文化欄)
  • 「クリエイターのための芸術法講座」(イラストレーション、玄光社)
  • 日本学術会議公開シンポジウム座長(午後の部)「冷たいメカニズムから心優しいメカトロジーへ〜超高齢化社会とスマート・テクノロジー〜」2019年1月25日。「まさに松本零士の銀河鉄道999の現代版です。」東京大学名誉教授跡見順子のことば。
  • テレビ出演漫画家協会理事であった、やの功から電話があり「NHKの番組にこの間出ていたね。」と言われ佐藤は照れながら、「いえこの間のは千葉テレビです。」と答えた。それがやの功との最後の会話となったと偲びながら語っていた。やの功の作品等: 「青森まんが百景」、伝記「石館守三(ハンセン病の治療薬を開発)」、「宮沢賢治」、「棟方志功」、「渋沢栄一」、「淡谷のり子」。ユネスコ国際マンガフェスティバル(優秀賞)〔1977年〕。2016年9月に放送されたTBS系「マツコの知らない世界」で、「100枚のマツコの似顔絵」からマツコが選んだ「気に入った一枚」が、やの功の作品であった。

など

参考文献

  • 佐藤薫が初めて著作権・著作者人格権と表現の自由の抵触に関する論文を発表した。田中辰雄、 林紘一郎著『著作権保護期間―延長は文化を振興するか? 』227頁 勁草書房、2009年

関連項目

  • 日本漫画家協会

外部リンク

出典:フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 | 最終更新:2024/11/02 06:55 UTC (変更履歴
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