イマノル・ウリベ : ウィキペディア(Wikipedia)

イマノル・カルメル・ウリベ・ビルバオ(, 1950年2月28日 - )は、エルサルバドル・サンサルバドル出身、スペイン国籍の脚本家・映画監督である。バスク人。社会派作品を得意としており、バスク地方のバスク祖国と自由(ETA)によるテロ問題をテーマとすることが多い。

経歴

両親はバスク地方のギプスコア県出身であり、イマノル・ウリベは1950年にエルサルバドルの首都サンサルバドルで生まれた。その後スペインに移住し、マドリードの国立映画学校で学位を取得すると、1979年の『ブルゴス裁判』が初監督作品となった。この映画は、1970年にバスク祖国と自由(ETA)の政治活動家6人が死刑判決を受けたの過程を映像化したものである。1981年の『セゴビアの逃亡』は、ETAの活動家がセゴビア刑務所を脱獄する物語、1983年の『ミケルの死』は、ETAの活動家の不可解な死に関する物語であり、『ブルゴス裁判』と合わせてバスク3部作と呼ばれている。

1991年の『El rey pasmado』は、女性に疎かったフェリペ4世の女性問題をテーマとしたコメディ映画である。ゴヤ賞で14部門にノミネートされ、8部門で受賞したが、作品賞や監督賞は逃した。1994年の『』(1994年)では、フアン・マドリードの原作小説を基に、警察署にテロ攻撃を企てるETAの活動家のドラマを描き、映画祭以外では初めて日本で劇場公開された作品となった。19部門にノミネートされたゴヤ賞では、作品賞・監督賞・脚本賞を含む8部門を受賞した。サン・セバスティアン国際映画祭では作品賞を受賞し、スペイン国外では知名度が高くなかった頃のハビエル・バルデムが男優賞を受賞した。1996年の『ブワナ』Bwanaはスワヒリ語。スペイン語のseñor、英語のMrs.などの意味。(1996年)は、スペインにおける移民排斥運動や人種差別をテーマとし、再びサン・セバスティアン国際映画祭で作品賞を受賞した。2003年にはアンヘル・ガルシア・ロルダンの小説『A Boca de Noche』(夜の初めに)を原作として、スペイン内戦を舞台とした『キャロルの初恋』を撮り、主演に据えた12歳のクララ・ラゴがゴヤ賞新人女優賞にノミネートされた。

人物

最初(1982年以前)の結婚相手との間に娘がひとりいる。1982年にスペイン人女優のと結婚した。1991年の『El rey pasmado』、1996年の『ブワナ』、2003年の『キャロルの恋』と、ウリベが監督した3作品にブランコが出演している。1993年に第一子(娘)を儲けたが、2004年に離婚した。

監督作品

  • 1979年 El proceso de Burgos(『ブルゴス裁判』)
  • 1981年 La fuga de Segovia(『セゴビアの逃亡』)
  • 1983年 La muerta de Mikel(『ミケルの死』)
  • 1985年 Eternal Fire
  • 1986年 Adiós pequeña
  • 1989年 La luna negra
  • 1991年 El rey pasmado
  • 1994年 Dias contados(『時間切れの愛』)
  • 1996年 Bwana(『ブワナ』)
  • 1998年 Extraños
  • 2000年 Plenilunio
  • 2002年 El viaje de Carol(『キャロルの初恋』)
  • 2007年 La carta esférica
  • 2012年 Miel de naranjas
  • 2015年 Lejos del mar

受賞

映画祭/映画賞 作品 カテゴリー 結果
1991年度 第6回ゴヤ賞 El rey pasmado 作品賞
監督賞
????年 アメリカ映画編集者協会賞 El rey pasmado 監督賞
1994年 サン・セバスティアン国際映画祭 時間切れの愛 作品賞
1994年度 第9回ゴヤ賞 時間切れの愛 作品賞
監督賞
脚本賞

外部リンク

出典:フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 | 最終更新:2023/10/08 05:07 UTC (変更履歴
Text is available under Creative Commons Attribution-ShareAlike and/or GNU Free Documentation License.

「イマノル・ウリベ」の人物情報へ