森健一 : ウィキペディア(Wikipedia)
森 健一(もり けんいち、1938年9月28日『読売年鑑 2016年版』(読売新聞東京本社、2016年)p.434 - )は、日本のコンピュータ科学者、技術者。工学博士(東京大学、1970年)。日本初の商品化されたワードプロセッサである東芝「JW-10」開発のグループリーダーなどの業績がある。
経歴
1938年(昭和13年)、東京生まれ。1957年、麻布高等学校卒。1962年、東京大学工学部応用物理学科を卒業。東京芝浦電気株式会社(現:東芝)に入社。同社の中央研究所(後の総合研究所)で文字認識の研究に従事。1967年、郵政省からの委託研究である「自動手書き郵便番号読み取り装置」を開発した。
続いて、自然言語処理の応用として見込みのある商品として日本語ワードプロセッサに着目。天野真家・河田勉・武田公人らからなる研究チームを率いた。同チームによるかな漢字変換他いくつかのキーポイントとなる発明により、1978年、JW-10は商品化された。
年譜
1971年 - 東京大学より工学博士「手書文字認識方式の研究」。
東芝の情報システム研究所長、取締役パーソナル情報機器事業本部長、常務取締役を歴任し、1999年(平成11年)、テック(現:東芝テック)株式会社取締役社長に就任。2003年(平成15年)相談役。
2004年(平成16年)、東京理科大学専門職大学院教授に着任。
2006年(平成18年度)、文化功労者として顕彰された。
2007年より、早稲田大学高等研究所 諮問委員会委員。
科学技術振興機構研究主監も務める。
受賞
- 1970年 特許庁長官賞、大河内記念技術賞
- 1992年 日本文化デザイン賞
- 1997年 高柳賞記念奨励賞
- 2003年 本田賞(本田財団)
- 2006年 文化功労者
著書
- 『図解ワードプロセッサ読本』オーム社、1982年
- 『パターン認識』(共著)、電子情報通信学会、1988年
- 『日本語ワープロの誕生』(共著)、丸善、1989年
- 『ワープロが日本語を覚えた日』三田出版、1990年
- 『技術者のためのマネジメント入門 生きたMOTのすべて』(共著)、日本経済新聞社、2006年
- 『MOTの達人 現場から技術経営を語る』(共著)、日本経済新聞出版社、2007年
外部リンク
- 授業クローズアップ森健一 - 東京理科大学専門職大学院総合科学技術経営研究科技術経営専攻
- 青山聖子「森健一 ヒット商品を生む方法論を確立した技術者」(PDF) - 早稲田大学高等研究所
- 森健一「日本語ワードプロセッサの研究開発のその社会低影響) - 本田財団レポートNo.105
- 森健一 初めての日本語ワープロJW-10の生みの親 - ちえの和コンピュータ偉人伝
- 森健一 平成18年度文化功労者として顕彰される - 東芝
- 森健一(日本の科学者・技術者100人) - 田中舘愛橘記念科学館
出典:フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 | 最終更新:2023/11/25 18:01 UTC (変更履歴)
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