堤真一&山田裕貴「木の上の軍隊」完成披露で「子どもたちにこそ観てほしい」「生きる思い、伝われ」
2025年6月24日 15:00

沖縄を舞台にした映画「木の上の軍隊」の東京完成披露上映会が、慰霊の日である6月23日に都内で行われ、主演を務めた堤真一、山田裕貴と沖縄出身在住の平一紘監督が上京して舞台挨拶に登壇。作品に込めた思いを語った。
本作は、作家・井上ひさしが生前やりたい事として記していた原案を基に、こまつ座で上演され人気を博した舞台の映画化。太平洋戦争末期、熾烈な地上戦が繰り広げられた沖縄県伊江島で、終戦を知らずに2年間、ガジュマルの木の上で生き抜いた日本兵2人の実話を基にした物語が、終戦から80年を迎える今年公開される。戦争体験者が少なくなる今の時代に、あらためて語り継がれるべき「人間の尊厳と生への執念」を描く。なお、6月13日から沖縄で先行公開され、初週3日間の動員No.1のヒットを記録している。

宮崎から派兵された厳格な少尉・山下一雄役を担った堤は、「沖縄はもちろん大ヒットで嬉しいけれど、全国に広がって欲しいと思います。生きる、前に進む、死は美徳ではないというテーマが含まれているので、神妙にならず今日の舞台挨拶は楽しく過ごしましょう」と朗らかに呼びかけた。
沖縄県伊江島出身の新兵・安慶名セイジュン役を演じた山田は、「沖縄公開後に『映画館に行列ができていて、他の作品かと思ったら「木の上の軍隊」でした』と監督から電話がありました。戦争に目を向けてくれる人がこんなにもいるのだと、子どもたちを含めて本作を観に行こうと思ってくれるのが嬉しい」と喜びを語った。

本作のオファーを引き受けた理由を問われた堤は、「舞台版の脚本を読んだ時は木の上でのセリフ劇だったので映画にしたらどうなるものだろうかと不安だったけれど、平監督の脚本を読んだら見事に映画になっていた。舞台版を崩すことなく素晴らしい脚本で、これはやるべきだと。そしてやって良かったと思ってます」と胸の内を明かした。
広島出身の山田は「戦争の悲劇についてはもちろん心の片隅にはあるけれど、日常を過ごしていたら忘れてしまいがち。この映画を観ると、戦争の映画ではあるけれど、家があること、食べられること、水があること、それがどれだけありがたい事かを感じられるはず」と撮影を通じて得た思いを語った。

本作では、伊江島で1年以上をかけてガジュマルの木を植樹して撮影が行われたが、メガホンをとった平監督は「この作品はウソのない映画で、本当の物語があって、ほとんどのロケを沖縄の伊江島で出来た。撮影中にはガジュマルを一時保管する場所で、戦争で亡くなったとみられる方のご遺骨が出てきました。改めて僕らが撮っている現場は戦争の現場だと思った。そこで撮っている事で得られる力はあると思ったし、それが映画の大きな力になっています」と実感を込めた。

堤と山田は本作が初共演となったが、堤は山田の印象について「嘘のない人だし、真っすぐでスタッフからも愛されている。彼は減量のために干し芋ばかりを食べていたので、撮影が休みの時は一緒に食事をしたり、現場ではくだらない話をしていました」とすっかり意気投合した様子。一方の山田は、「堤さんは凄くフランクで僕よりおしゃべり! 僕の方が聞いている事の方が多かった」と暴露したが、「撮影終わりの車中で『今日はコンビニに行くタイミングだよな?』と聞いてくれるのも凄く嬉しかった」と堤の気配りに感謝した。これに対して堤は「どうしてもお酒を買いたかったから」と照れ笑い。コンビニには役衣装のまま入店したそうで、山田は「日本兵が現れたと思われたはず」と懐かしそうに語った。

観客へのメッセージを求められた山田は、「俳優の仕事を通して、歴史上の事を伝えられるというのは重要な意味があると感じながら本作に携わらせていただきました。生きようとする思いが誰かに伝われ!と思いながら撮影をしていました。戦争ものと聞くと敬遠する方もいると思うけれど、今日こうして逃げずに本作を観てくださった方々に感謝です。年齢制限がないので戦争を知らない世代にも伝えていける作品になると思います。生き残った実話をベースにしたお話しなので生きていく力を沢山の人に渡せたらと思っています」と真摯に語った
二児の父親でもある堤は、「この映画を通して戦争の悲惨さはもちろんの事、生き残る大事さを感じました。僕がここにいるのは生き残ってくれた方々がいるからこそ、今ここにいるんだなと。僕には小学生の娘が二人います。僕はあまり自分の映画を娘たちには見せませんが、これは見せようと思います。小学生でも観れますので、戦争の事を知るためというよりも、生きることの大切さが伝えられると思います。『木の上の軍隊』は子どもたちにこそ観てもらいたい作品です」と呼びかけ、舞台挨拶を締めくくった。
「木の上の軍隊」は7月25日から新宿ピカデリーほか全国で公開。
(C)2025「木の上の軍隊」製作委員会
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