「映画批評月間 フランス映画の現在をめぐって」6月6日から開催 パトリシア・マズィ監督特集、リュック・ムレ特集など
2025年5月1日 16:00

優れたフランス映画の近作や、隠れた名作を紹介する映画祭「映画批評月間 フランス映画の現在をめぐって」が、6月6日から7月19日まで開催される。
第6回となる今年は、今秋に傑作スリラー「サターン・ボウリング」が日本公開されるパトリシア・マズィ監督を特集、来日するマズィ監督のマスタークラスも開催予定だ。そのほか、カンヌ国際映画祭をはじめとした世界の主要映画祭や、「カイエ・デュ・シネマ」など主要な仏映画メディアの批評家たちから高く評価されている日本未公開のフランス映画を8本上映。「知られざるヌーヴェル・ヴァーグの作家」としてリュック・ムレの作品も長編・短編含めて14本上映する。

パトリシア・マズィは、アメリカ滞在中に出会ったアニエス・バルダの庇護のもと、短編映画を監督し、ヴァルダの最高傑作と名高い「冬の旅」(1985年)の編集を担当。1989年に発表した初長編監督作「走り来る男」以降、マズィの映画は、激情、あるいは断固たる決意をひめたヒロインを主人公とした作品を多く発表している。ジョン・フォード、ジョン・カーペンターを敬愛し、広い空間と独特なロケーションを好み、階級闘争や、馬や牛といった動物への情熱、自然との関係を描きながら、人間の紆余曲折した運命に光をあてる。

上映作品は、「走り来る男」(原題:Peaux de vache)(1988)、「ポール・サンチェスが戻って来た!」(原題:Paul Sanchez est revenue!)(2018)、「サターン・ボウリング」(原題:Bowling Saturne)(2022)、「ボルドーに囚われた女」(原題:La Prisonnière de Bordeaux)(2024)の4本。

リュック・ムレはヌーベルバーグ唯一のバーレスク映画作家であり、フランスをはじめ世界的にカルト的な人気を誇る。18歳で「カイエ・デュ・シネマ」の批評家となり、名著「俳優作家主義」やブニュエル、フリッツ・ラング、キング・ビダーについてのモノグラフを発表。1960年に監督デビューし、1966年からは俳優、そしてプロデューサー(自身の作品だけでなく、ユスターシュやデュラスの作品を製作)として活動。短編から長編まで、あらゆるフォーマット、あらゆるジャンルで38本の映画を製作。今回の特集では、7本の長編映画と8本の短編・中編映画を上映する。

第76回カンヌ国際映画祭監督週間出品、「カイエ・デュ・シネマ」2023年ベストテン第10位
第76回カンヌ国際映画祭批評家週間出品
「カイエ・デュ・シネマ」2023年ベストテン第8位
第77回カンヌ国際映画祭カンヌ・プレミア出品
「ブリジットとブリジット」Brigitte et Brigitte (1966)
「密輸業者たち」Les Contrebandières (1967)
「ビリー・ザ・キッドの冒険」A Girl Is a Gun (Une Aventure de Billy le Kid) (1971)
「カップルの解剖学」Anatomie d'un rapport(1976)
「食事の起源」Genèse d'un repas(1979)
「労働喜劇」La comédie du travail(1988)
「ルート17の遭難者たち」Les Naufragés de la D17 (2001)
「焼け過ぎのステーキ」Un steack trop cuit (1960)
「黒い大地」Terres noirs (1961)
「地下鉄の改札」 Barres (1983)
「メドールの帝国」L’Empire de Médor (1986)
「開栓の試み」Essai d’ouverture (1988)
「映画館の座席」Les Sièges de l’Alcazar (1989)
「ウニの陰謀」La Cabale des oursins (1990)
「ロングスタッフ氏の亡霊」Le Fantôme de Longstaf(1996)

・主催:アンスティチュ・フランセ
・会期: 6月6日(金) ~ 7月19日(土)*金・土・日のみ
・会場: 東京日仏学院 エスパス・イマージュ
〒 162-8415 東京都新宿区市谷船河原町15
・公式HP:https://culture.institutfrancais.jp/
・料金 : 一律1,100円(トーク付上映は1,500円)
*5/16(金)正午よりPeatix(https://ifjtokyo.peatix.com/events)にてチケット発売予定
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