イーライ・ロス、ファン参加型ホラー専門メディアを設立
2025年3月18日 10:00

イーライ・ロスが、ホラー専門のメディア企業「ザ・ホラー・セクション」を立ち上げた。この新会社は、映画の製作・配給にとどまらず、テレビシリーズ、ゲーム、ポッドキャスト、ライブイベントなど、ホラーコンテンツ全般を展開する総合メディア企業となる。「キャビン・フィーバー」「ホステル」「サンクスギビング」などのホラー映画を手がけてきたロスが、これまでの成功を一つのブランドとして確立し、より過激なホラーコンテンツを制作することを目指している。
米ハリウッド・レポーターによれば、本プロジェクトは、メディア・キャピタル・テクノロジーズ(MCT)との提携により資金を確保し、投資プラットフォームRepublicと連携してファンも企業の一部となる仕組みを導入する。3月21日から、最大10%の株式をファンに提供し、映画制作に関与できるようにするという。出資特典の一つとして「映画内で殺される役を演じる」機会も用意されている。
ファンが出資者として関与することで、映画の宣伝効果を高め、配給獲得の際の強みとなることを狙う。近年、ロバート・ロドリゲスが設立した「Brass Knuckle Films」も同様の方式を採用している。MCTの会長クリストファー・ウッドローは「ロスは自らのブランドを明確に理解し、観客へ届ける方法を知っている」と評価し、ホラー市場の成長可能性を強調した。
ザ・ホラー・セクションは、劇場公開を重視した戦略を採用し、「テリファー 聖夜の悪夢」を配給したIconic Eventsと提携する。ロスは「ホラー映画を文化的に意義のあるものにするには、劇場公開が不可欠だ」と語る。ホラー映画はストリーミング配信でも成功するが、長く語り継がれる作品にするためには劇場公開が必要だという。
ロスは、低予算ながら成功を収めた「サンクスギビング」と、大手スタジオのビッグプロジェクトとして期待されたものの失敗した「ボーダーランズ」を比較し、ホラー映画において最も重要なのは「知的財産(IP)」であると確信した。新会社の目的は、新しいキャラクターやフランチャイズを生み出し、独自のコンテンツをコントロールすることにある。
また、「テリファー」シリーズの成功にも影響を受けた。「テリファー 終わらない惨劇」はわずか25万ドルの予算で制作されながら、米国内で興行収入1,090万ドルを記録し、「テリファー 聖夜の悪夢」は興収2,000万ドルを超える大ヒットとなった。この成功を受け、ロスは「スタジオのホラー映画では、観客が受け入れないからカットすべきといった制約があったが、『テリファー』はそうしたルールを打ち破った」と語る。
ロスはホラーコンベンションへの参加を通じて、ホラーファンの熱狂的な支持を実感しており、「ホラーコンベンションでのサイン会の収益が映画の二次収入を上回るほど、ホラー市場は拡大している」と指摘する。また、ホラー映画はワインのように価値が時間とともに高まるものだとも考えており、「自分はホラー映画のソムリエだ」と述べた。
現在、ロスは「サンクスギビング」の続編を2024年春に撮影する予定だったが、キャストのスケジュール調整により、秋以降に延期される可能性がある。その場合、新会社のために準備中の2本の脚本のうち1本を先に撮影する方針だという。また、ロサンゼルスでの撮影を希望しており、「娘が生まれたばかりなので、ロサンゼルスで撮影して地元の雇用創出に貢献したい」と語った。
ザ・ホラー・セクションは、ホラーファンの熱量を活かし、新たなコンテンツとフランチャイズを生み出すことを目指す意欲的なプロジェクトだ。ロスのビジョンがどのように形になるのか、今後の動向に注目が集まる。
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