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メロドラマの巨匠、ダグラス・サーク傑作選3月28日から 蓮實重彦、秦早穗子、濱口竜介がコメント

2025年2月27日 17:00

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「天が許し給うすべて」と「風と共に散る」の場面を用いたビジュアル
「天が許し給うすべて」と「風と共に散る」の場面を用いたビジュアル

3月28日から、YEBISU GARDEN CINEMAで「ダグラス・サーク傑作選」が開催される。上映作品は「天が許し給うすべて」「風と共に散る」「間奏曲」「翼に賭ける命」「悲しみは空の彼方に」の5作品。映画評論家の蓮實重彦、映画評論家の秦早穗子、映画監督の濱口竜介が推薦コメントを寄せた。

公開当時は通俗的過ぎると真っ当な評価を得られなかったものの、今やメロドラマの巨匠としてその後の映画人たちに多大な影響を与えるダグラス・サーク。ナチスの弾圧を逃れアメリカへ亡命、ハリウッドで様々なジャンルを手がけてきたサークだったが、特にキャリア後期に手がけた作品はいずれも屈指の名作揃いだ。

上映されるのは未亡人と若き庭師の恋を描く古典的名作「天が許し給うすべて」(55)、激しい恋の四角関係を描き、ドロシー・マローンアカデミー賞助演女優賞をもたらした「風と共に散る」(56)、ふたりの男性の間で揺れ動く女性の心の機微を描く「間奏曲」(57)、飛行ショーに命をかける男と周囲の人々の姿をとらえた「翼に賭ける命」(57)、人種問題を正面から取り上げつつも、人間への愛に満ちたサーク最後の長編「悲しみは空の彼方に」(59)の5本。圧倒的な映像美、ときに秘めた恋に身を焦がし、社会通念や常識と対峙しながらも、自らの道を歩んでいく女性たちの物語は“メロドラマ”の枠を超えた傑作だ。

また、「天が許し給うすべて」と「風と共に散る」の場面を用いたビジュアル2種類も披露された。「ダグラス・サーク傑作選」は、3月28日〜4月17日までYEBISU GARDEN CINEMAにて開催。

▼コメント一覧
蓮實重彦
ヨーロッパ生まれながら、テクニカラーによるシネマスコープ画面というハリウッドならではの華麗な技法を、あたかも自分のために開発されたギフトだというかのように自在に駆使してみせたダグラス・サークは「傑作」と言う言葉など自分とは無縁の贅沢だというかのように、「傑作」を超えた繊細なフィルムを撮ってみせた。必見!
■秦早穗子
ダグラス・サークの目
ハリウッド映画全盛期、1950年代。定番メロドラマ形式を逆手に取って、ダグラス・サークが描く作品は、今こそ、光を増す。あれから、80年。人々の暮らしは変わった。本当にそうだろうか?ドイツから亡命、名前もダグラス・サークと変え、アメリカ方式の中で、人間―男と女―の本質をさりげなく、服装、マナー、言葉の端に忍ばせる。底流には、人種、宗教、戦争、愛と死がある。ユダヤ人の妻、ひとり息子の戦死。ドイツ人の彼自身の問題も含め、揺らぎ、迷い、ときめく感情が、サーク映画の中で、静かに火花を散らす。
濱口竜介
「かなしみのハッピーエンディング」、再び。
四の五の言わずに、泣いちゃいな!

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