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世界中の人々を絶望させる結末へ――「セプテンバー5」報道の歴史を変えた“運命の分かれ目”を描く本編映像

2025年2月17日 14:00

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「セプテンバー5」(公開中)
「セプテンバー5」(公開中)
(C)2024 Paramount Pictures. All Rights Reserved.

1972年ミュンヘン五輪で起きた人質テロ――五輪史上最悪の事件として、今もなお語り継がれている歴史的な1日を基に描かれる「セプテンバー5」(公開中)の新たな本編映像「誤報への分岐点」編が披露された。

本作は、72年のミュンヘンオリンピックで発生したパレスチナ武装組織「黒い九月」に襲撃されたイスラエル選手団11人が犠牲になったテロ事件を題材に、ABCテレビのオリンピック中継クルーの視点から描いた衝撃の社会派映画。緻密な脚本と重厚な映像で圧倒的な緊迫感を描き出し、本年のアカデミー賞・脚本賞にノミネートされている。

題材となっているテロ事件は、当時の世界に衝撃を与えただけでなく、テレビを通じてリアルタイムで中継された最初の国際的なテロ事件でもあった。本作は、今、目前で起きている凄惨なテロ事件を報道しなければならない責務と、そのまま報道しても良いのか、その倫理の狭間に立つテレビクルーの葛藤をも克明に映し出している。

セプテンバー5」が斬新で、なおかつ緊迫感を体験できるのは、ABCの中継スタジオ内と現場からレポートすることに焦点を当て、かつてない視点で描いているから。事件をリアルタイムで報じたテレビクルーの視点に立つことで、当時の報道が持っていた影響力を浮き彫りにしている。

ティム・フェールバウム監督は、本作の制作にあたり次のように語っている。

「興味を持った理由は二つあります。一つは、映画監督として面白い挑戦だと思ったこと。本作の舞台はスタジオで完結します。事件は至近距離で起きているにも関わらず、外の世界にはモニターを通して繋がっているのみです。もうひとつは、私自身メディアに身を置く一人として、あの日のメディアがどうだったかは他人事ではないと感じました。当時のメディア、そして現代におけるメディアの役割について描きたいと思ったのです。純粋無垢な眼差しで世の中を見ているような、普段はスポーツ中継をしているスポーツ局のクルーが突然、『テレビで人質が殺害される瞬間を映してよいのか』といった問題と向き合うことになるのです」

本編映像は、ドイツの公共放送局「ZDF」が“確認した情報”として「人質は全員解放された」と報じるシーンが描かれる。しかし、その速報を受けたABCスポーツ局のプロデューサー、ジェフリー・メイソンは、その情報の確度に疑問を抱き、先輩のマーヴィン・ベイダーと共に慎重な確認作業を進めようとする。一方、スポーツ局トップのルーン・アーレッジは、競争が激しいニュースの世界で他局に遅れを取ることを嫌い、「“噂では”と付けてでも報道する」と主張。マーヴは「確実な情報源が二つ必要だ」と放送を制止しようとするが、ジェフは「他局にスクープを奪われてもいいのか?」とルーンの決断を後押しする。

まさに今でも盛んなのスクープ合戦が、当時の報道にも求められていた。きちんと「確実な情報源が二つ必要」というルールがあったにも関わらず、極限の精神状態では正しい判断ができずに、この後、世界中を混乱させる“誤報”が、世界中の人々を絶望させる結末へと突き進んでいく。

このテロ事件に関する報道は、情報の正確性、倫理、メディアの役割といった点で多くの論争を生んだ。

フェールバウム監督「もう半世紀も前の出来事を描いていますが、今だからこそ意味があると感じます。テクノロジーは現代のものと違いますが、倫理上の問いは同じだからです。そして今は、誰もがスマホを持ち歩き、情報を発信できる時代です。観客の皆さんが劇場を後にするとき、果たして今日私たちはどうメディアを消費しているのか、話したり考えたりするきっかけになればと思います」

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