【世界の映画館めぐり】空港出たらすぐインド映画! チェンナイ・PVR AEROHUBでヴィジャイ・セードゥパティにシビれる
2025年1月13日 19:00

映画.comスタッフが訪れた日本&世界各地の映画館や上映施設を紹介する「世界の映画館めぐり」。今回は南インドの玄関口、チェンナイ空港に隣接するショッピングモール内のシネコン「PVR AEROHUB」を紹介します。

9月にスリランカを訪れ、インドのラグジュアリーなシネコンPVRを体験した編集部Mです。あれからインド映画への扉が開かれたのか、貯まっていたマイレージで年末年始チェンナイ行きの航空券を安価で手に入れることができましたので、早速また南方へ飛んできました。筆者のように、インド&インド映画ビギナーでも現地で映画を観てみたい!という方々に向け、旅行情報とともに南インド3カ所の映画館レポをお届けしたいと思います。

今回、東京・羽田からシンガポール経由でチェンナイに向かいました。到着予定は真夜中。土地勘のない場所で、深夜に移動するのは不安だったので、空港に直結したメトロ駅に隣接するホテルGrace Residencyを予約。大抵のインドのリーズナブル宿同様、バスタブはありませんがホットシャワー、エアコン、Wi-Fiは全く問題なし。深夜到着の方には是非お勧めしたい宿です。

国際線が発着するチェンナイ空港第2ターミナルを出て、目の前の道路を渡るとショッピングモールAEROHUBへの連絡通路があります。「WAY TO CINEMA」の表示もあり、日中に到着した方は、街に出ずともダイレクトに映画館に行けますし、長いトランジットがある方も時間つぶしにピッタリのロケーションです。


シネコンなので、ラインナップにはインド各地で制作された最新映画がずらり。外国映画は「ライオン・キング ムファサ」のみでした。日本でも話題を集めた「プシュパ 覚醒」の続編「Pushpa 2: The Rule」も上映中でしたが、こちらは日本公開を期待し、上映時間のタイミングが良かった「Viduthalai Part 2」を鑑賞しました。タミル語映画界で活躍するヴィジャイ・セードゥパティが主演です。


オンラインで座席を予約するのが一般的なようですが、直接カウンターで購入しました。チケットは190ルピー(約350円)。決済や座席指定時に、携帯電話番号を尋ねられましたが、SIMを購入していない方はインドの番号がない旨を伝えれば問題ありません。


入場時には、入念なボディ&バッグチェックが行われます。鑑賞後にチェンナイ市内の別の宿に移る予定があったので、大きな荷物を持参していましたが、空港利用者が多いからか、クロークで預かってもらえます。劇場持ち込みのバッグの中に前日の機内で配られ、食べなかったスナックが入っていたのですが、こちらも預けるように言われました。同じくバッグに入っていたサプリメントも「これは何か?」と尋ねられ、館外の飲食物の持ち込みチェックがなかなか厳しかったです。


「PVR AEROHUB」は5スクリーンを擁し、この日はDolby Atmos対応、約200席の大きめのスクリーンで鑑賞できました。外国の映画館では、上映前に流れるCMも興味深いものです。以前、コルカタのシネコン(https://eiga.com/news/20200405/3/)でも流されていたタバコの健康被害の恐ろしさを警告する公共広告に続き、車や日用品などのCMが続きます。今回、驚いたのが映画学校の生徒募集広告です。監督や撮影、照明など現場での主要部門のほか、デジタルツールでの絵コンテ作成、映画ポスター制作者養成という専門コースもあるそう。インドでは映画が大きな産業であることを実感します。たしかに、インド映画のポスターってインパクトありますよね。


そして、いよいよ「Viduthalai Part 2」の上映開始です。「JAWAN ジャワーン」をはじめ日本公開作でも人気のヴィジャイ・セードゥパティが社会運動家のリーダーという役どころでした。私が「Part 1」を観ていない&英語字幕鑑賞ということで、もしかしたら内容が的外れになりそうなので詳細は書きませんが、とある田舎を舞台に、捕らえられた活動家と、残酷な警察たちとの攻防を激しいアクションとともに描く社会派ドラマでした。活動家ヴァーティヤールを演じるヴィジャイ・セードゥパティの正義心と闘志に燃える姿にシビれ、ヴァーティヤールと志を同じくする、進歩的なショートヘアの女性キャラクター(Manju Warrier)の描き方も新鮮でした。

一年中暑い南インドのシネコンは、贅沢すぎるくらいエアコンをきかせています。劇場によってはブランケットを貸してもらえるかもしれませんが、特に女性は羽織るものを持参するのが賢明です。そして、インド映画ならではのインターミッションを体験。体も冷えたのでチャイでも飲みたいな……と売店でオーダーすると「コーヒーしかない」とのこと。インドならではの飲み物と言えばチャイ一択だと思っていましたが、南インドではコーヒーが広く飲まれていると知りました。インスタントとの区別でしょうか、「フィルターコーヒー」と呼ばれる、ミルク入りのコーヒーが渡されました。砂糖は別添、支払いはキャッシュレスオンリーとのことで、クレジットカードで支払いました。地元の方たちの多くはインドのQRコード決済を選んでいましたが、短期旅行者にはちょっとインストールのハードルが高そうです。

そして映画の後半です。割と硬派な内容なのに、さすがインド映画、物語の山場が何度も訪れるので、言語や全容がわからなくてもまったく飽きないんですよね。俳優陣の演技、迫力ある撮影、物語を盛り上げる音楽に引き込まれ、あっという間に3時間が過ぎました。この作品が日本で観られるかわかりませんが、ロケーションを活かしたスリリングなラストシーンが素晴らしかったです。

上映が終わり、大満足で劇場を出ようと荷物を取りに行くと、出口は入口とは別だと指示されました。出口は1フロア上のフードコード階に続いており、美味しそうなインド料理やスイーツのお店が並びます。日本でも展開されているピザやフライドチキンのチェーン店もあるので、辛い料理が苦手な方も問題ないでしょう。「PVR AEROHUB」は、インド旅行初心者も安心して映画やフードを楽しめる一押しの施設でした。次回は、インドでフランスを感じる街、プドゥチェリ(ポンディシェリ)の映画館をご紹介します。

PVR公式HP(https://www.pvrcinemas.com/)
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